表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/228

17.三度目の失敗(勇者サイドストーリー)

勇者ジャスティス視点です。

 聖女などと巷で言われているユーリシアは、勇者であるこの俺様に対する侮辱でしかない発言をした。


 今の俺たちには実力がないといい、実力があるから『勇者選抜レース』で一位になったと反論した俺に、それはヤマトがいたパーティーだったと、ふざけたことを言った。


「ヤマトだと! なぜあいつの名前が出てくるんだ!?」


「やっぱり何もわかっていないようですね」


 あきれたような眼差しを向けるユーリシア、まったく腹が立つ。


「ヤマトくんのスキルのお陰で、私たちパーティーは全員受けたダメージを半分にできてたんです。それが、どれほど大きかったか、この状態でも気づかないんですか?」


「はぁ!? 馬鹿を言うな! 半分……確かにそうだ、半分で済んだ。だが所詮半分だ。ダメージを抑える程度の効果しかなかったんだぞ!」


「でも今にして思うと、その半分のダメージっていうのがかなり大きかったと思う。ダメージを受けても、戦い続けられたし。継続戦闘能力が格段に違うってのがよくわかったよ」


 魔法使いのマルリッテまでが、そんなことを言い出した。


「お前、何言ってんだ! お前だって、あいつは無能で役立たずって言ってたじゃないか!」


「確かにそう思ってたんだけど……昨日今日のこの惨敗じゃ……。それに実際自分がダメージを受けてみてわかった。敵の攻撃が当たるのは、怖いことなんだって。今までなら、なんとか踏ん張れた傷が、致命傷になっちゃう。やっぱりヤマトの力は大きかったんだよ……」


「ふざけんなよお前ら! あのクズの力が大きかったなんて、俺は認めないぞ! お前らが力がないからだ! 今回の失敗は、タンクのガードルが持ちこたえられず、すぐに戦闘態勢が乱れたからだ。それに弓使いのボールドウィン、あいつも動きが悪すぎる。ガードルのフォローができてなかった。だから、ダメだったんだ。ヤマトの力なんか関係ねぇ!」


「ホントにそう思ってるの?」

「死んだ仲間に対してあんまりじゃないの?」


「ユーリシア、マルリッテ、お前らいい加減にしろよ! そうだっつってんだろう! よしわかった! じゃぁ仕切り直しだ! 補欠の第二パーティーから、タンクと弓使いを補充する。それで充分戦える! ヤマトの力なんて関係ないってことを、明日証明してやるよ」


「ふう、好きにするといいわ」


「私は……明日の戦いに参加するのは、ちょっと遠慮したい。死にたくないし、囮にされるのも嫌だし……」


 こいつ……ボールドウィンを囮にしたことを、暗に批判してるようだ。

 そのお陰で、自分だって助かったくせに。


「なんだと!? マルリッテ、お前クビになりたいのか!?」


「いいよ、クビでも……」


「ふん、戦うのが嫌だからって、簡単に辞められると思ってるのか。明日の迷宮攻略に参加しないと言うなら、お前だけじゃなくお前の家族も、罪人にしてやるぞ!」


「え、な、なんでそんな……」


「はいはい。ジャスティスわかったから。そこまでにして。マルリッテ、ここはジャスティスに従いましょう。ジャスティスの言うことが正しいか、明日わかることだし、頑張って参加しましょう」


 ユーリシアが取り成したから、俺も矛を収めてやる。

 まったく……最近どいつもこいつも、俺をイライラさせる奴ばかりだぜ。

 くそ!


 とにかく明日だ。

 明日の戦いで、今まで通り戦えるってことを証明してやるぜ。






 ◇






 くそくそくそぉぉぉぉ!

 一体どうなってるんだ!

 今日もダメだった。

 途中で撤退せざるをえなくなった。

 なんで前のように戦えないんだ!


 新たに加えた二番手パーティーのタンクと弓使いも、大した事なかった。


 昨日死んだガードルとボールドウィンと大差ない。


 戦闘陣形が崩れ、それぞれの役割が機能しなくなったので、撤退せざるをえなくなったのだ。


 死者こそ出なかったが、酷い戦いだった。


「勇者ジャスティス、あんた、うちの勇者ジェイスーンよりも全然たいしたことないな。あんな魔物相手に苦戦するなんてよ。あんなに倒すのが遅いんじゃ、タンクの俺が先に死んじまうじゃねーか!」

「ほんとだぜ。俺たちのパーティーが二位で、あなたのパーティーが一位になったのが、信じられないぜ」


 今日入ったばかりで、機能出来なかったことを棚に上げて、このタンクと弓使いは、俺に喧嘩売るのか!?


「なんだとお前ら! ふざけやがって、俺をなめてんのか!?」


「なめてるも何も、本当のこと言っただけだ」

「俺たちは、王命で仕方なくここに来たが、正直、勘弁して欲しいぜ。死にたくねーぜ」



「なんだと! 臆病者め!」


「そんな言われよう……心外だな。力のないリーダーとは組みたくないだけだ」

「その通りだ! 仮にそれが認定された勇者だとしてもな!」


「お前ら……死にたいようだな」


「ふん、クビにするのは得意だそうじゃないか。クビにしてくれないか?」

「そうしてくれると助かるぜ。俺たちからは、辞められないからな。王命に背くことになっちまう」


「ほんとにクビにしてやろうか? クビと同時に、お前らは犯罪人だ。『北端魔境』に追放してやるぞ!」


「ちっ、いい性格してるな」

「特殊なスキルを持ってたメンバーを、一方的にクビにして、追放したってのは本当のようだな」


「それがどうした?」


「そいつがいなくなったんで、この体たらくなんじゃないのか?」

「もう噂が回ってるぞ」


「ふざけるな! ヤマトなんか関係ねえ! ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなぁぁぁ!」


 こんな奴ら、殺しても構わない!

 代わりは、いくらでもいる。

 俺は、剣を抜いて斬りかかる——


 ——ガチンッ


 おっと、タンク野郎が盾でガードした。


「両者やめなさい! 殺し合って、何の意味があるのです」


 ユーリシアが割って入った。

 またこの女か。


「お前は、引っ込んでろ!」


「いいえ、引っ込みません。どうしてもと言うなら、私からお斬りなさい。人々から聖女と言われている私を斬ったら、勇者とてどうなるか……?」


「お前、いい気になるなよ! 俺にできないとでも思ってんのか!」


「ほんとにできるかしら? あなた一人で……」


 ふん、タンクと弓使い、そしてマルリッテまでが、俺に対して構えをとっている。


 全員で俺に抵抗する気か。


 こいつら全員、斬り殺してやりたいが……さすがにそれは大事になるか。


「昨日も言ったじゃない。いい加減、認めたらどうです。

 ヤマト君の力は、大きかったのです。

 彼がいて、彼のスキルが発動している前提で戦っていた私たちは、そのスキルに甘え、防御も甘ければ、隙も多い、そんな戦いをしていたのです。

 そんな戦いをしていても、あのスキルのお陰で、そして彼の的確な回復薬散布のお陰で、戦えていたんですよ」


 せっかく我慢して剣を収めてやった俺に、追い打ちをかけるように、ユーリシアがまたヤマトの話を持ち出す。


「ふざけるな! なんで追放したのに、いつもあいつの名前が出るんだ! くそ、くそ、くそ、くそ、くそがぁぁぁぁ!」


 俺の怒りは、全身を駆け巡り、頭の中が真っ白になった。

 あまりの怒りのせいか……意識も遠のく……




読んでいただき、誠にありがとうございます。


ブックマークしていただいた方、ありがとうございます。

評価していただいた方、ありがとうございます。


次話の投稿は、本日中の予定です。


もしよろしければ、下の評価欄から評価をお願いします。

励みになります。


ブックマークも、よろしくお願いします。



この物語は、私の書いているもう一つの連載「異世界を魅了するファンタジスタ 〜『限界突破ステータス』『チートスキル』『大勢の生物(仲間)達』で無双ですが、のんびり生きたいと思います〜」と、同一世界線の違う時代の違う場所の物語です。

https://ncode.syosetu.com/n8768ff/


もしよろしければ、そちらも読んでみてください。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
イキって追い出したのはお前も同じな癖に何様気取りなんだ糞聖女
[一言]   正直言えば、気持ち悪いの話です。   数日なろう小説は読む、大体導入の段階はやめる、追放側にザマァにするの話ははじめて見た。   まずですね、バーティ二人は死た、この事態になるのはジ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ