04
というわけで、ちょっと空をひとっ飛び。
やって来ましたよ、リンドール伯爵家。
サッちゃんがリストアップしてくれた中の、候補その3ね。
(それにしても、でっかい屋敷だな)
さすが伯爵家。
貴族の屋敷らしく警備も厳重で、見張りをする私兵らしき姿もある。
あと、セキュリティのためにいくつか魔道具が設置されてるみたいだな。
登録した魔力以外を検知すると、けたたましいアラームが鳴り響く魔道具とかね。
(まあ、全部スルー出来るけど)
俺の目的は、ここがポムポムの家なのかどうか探らせてもらうこと。
もちろんこっそりと。
◇◇◇◇
サッちゃん、姿を消すだけでいいかな?
(魔力が漏れないようにと、あと音消しの魔法もかけておいた方が)
なるほど、ありがとう。
サッちゃんがいてくれて心強いよ。
じゃあまず、インビジブルで透明に。
一度使ってみたかったんだ、この魔法。
後は、音や魔力が漏れないようにそれぞれ対処して…よし。
じゃあ、さっそくお屋敷の中に入りますか!
(庭からの侵入をお勧めします)
サッちゃんの助言通り、薔薇の花が咲き誇る豪華な庭園に降り立つ。
うん、魔道具も反応しないみたいだし問題なさそう。
まずは1部屋ずつ見ていくとするか。
まず1階のバルコニーに面した部屋。
ここは伯爵家当主夫婦の主寝室らしい。
スライムに関係するものは無さそうなんで、次行ってみよう。
キッチン、トイレ、メイドたちの休憩室、応接間、食堂…
それらしき手がかりはない。1階は全滅か。
2階に行ってみるかな。
階段を上ってすぐの部屋は、書斎。
書きかけの書類とか、机の上にそのままにしてちゃダメですよ。
どれどれ……
……うわぁ、真っ黒。
賄賂とか日常茶飯事だし、国に無許可の増税もしまくり。
念のため、この書類は頂いておこうかな。
次の部屋は…あ、王太子のお妃候補っていう娘の部屋か。
すごい豪華な調度品…
「はぁ…」
ため息の聞こえてきた方見れば、カリナと同い年くらいの少女が長椅子に座っていた。
すごい、本物の金髪縦ロール!!
「おにぎり食べたい…味噌汁飲みたい…たくあん食べたい…」
………はい?
「コーラが飲みたい、ハンバーガー食べたい…もうお上品な食事は嫌…」
たぶん、間違いないよね?
この子、地球からの転生者じゃないかな。
「何がお妃候補よ…せっかくのファンタジーなのに…」
転生先が貴族ってのも、色々大変なんだな〜
「家出したってすぐ連れ戻されるだろうし…」
あ、もしかしてさっきのが使えるかも?
さっきの証拠書類を置いて、こっそりと退散。
あと、シャケおにぎりは俺からのサービスな。
特別に、カップの味噌汁と緑茶も付けてやろう。
同じ地球からの転生者同士、お互い頑張ろうな。
ふむ、庭の温室や倉庫まで全部見たけど、ここには従魔はいないらしい。
ということで、ここはポムポムの家じゃなかったよ。
出来ればここであって欲しかったけども。
よし、残るリンドール家は2つ。
どっちがポムポムの家なんだろうなぁ…
ちなみにその後。
屋敷中にご令嬢の歓喜の叫び声が響き渡ったとかなんとか。
「神様ありがとう!!ひゃっほ〜い!!!」
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