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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第2章 ドラゴンとお姫様
19/66

07


テミルナ山に近づくにつれて、ちらほらと冒険者を見かけるようになってきた。

おそらく、みんなドラゴン狙いだろう。

中にはあからさまにこちらを牽制してくる連中もいる。

ドラゴンスレイヤーともなれば富も名声も思いのままらしいので、仕方ないのかな。


「失礼なヤツらなのです!」

「放っておけ、関わりあいにならない方がいい」


サマンサを宥めつつ、マイペースにドラゴンを探していく。

カリナたちの荷物は俺のアイテムボックスに入れてある。


「あぁ、何て可愛らしい…」


カリナはというと、満面の笑みでハクを抱っこ中。

今朝、ハクから抱っこのお許しが出たのだ。おめでとう。

探索魔法で周囲を探るも、今のところドラゴンらしい反応はない。


「うふふ、ハク様の肉球はピンクでプニプニですね〜♡」

(ぷにぷに?)


幸せそうで何よりだが、もうちょっとドラゴンに集中しような?

この辺りは他の冒険者もいないようだし、昼には早いが休憩するか。




◇◇◇◇




昼食は簡単に、フリントの町の屋台で買っておいた串焼き肉。

買ってすぐアイテムボックスに入れておいたから、熱々のままだ。

ちょうど小さな湖があったので、テーブルと椅子を出して皿を並べた。

湖のほとりで食事とか、ピクニック気分だな、これじゃ。


「サマンサ、お茶を淹れてくれ」

「ハイなのです!」


お茶を入れつつも、視線は串焼きにロックオン。

大丈夫、おまえの分は誰も取らないから。


「ヨシトのおかげで、ふかふかのベッドや美味しい食事…お世話になりっぱなしだわ」


気にしないでくれ、別に大して負担がかかってるわけじゃないし。

それに、ハクの事で少なからず負い目もある。

カリナには何としても、ドラゴンをテイムしてもらわなくては。

何より、俺とハクの平穏な生活のために!


(ますた、おにくー!)

「慌てて食べると喉に詰まるぞ」

「むぐぐ…み、みずっ…!!」

「言ってるそばからお前は…ほら水」


お約束だな、この駄メイドめ。




─ぐぎゅるる。




ん?

何だ今の音。




─ズリ……ズリッ………

─ぐぅ…ぎゅるる………



引きずるような足音と、唸り声?

何が起きてもいいように、ハクと俺たちに結界を張る。

サマンサもカリナを守るように身構えた。




ぐぎゅるるるる〜〜〜




「く、食い物…」


すわ魔物かと身構える俺らの前に現れたのは、ヨレヨレになった少女。

腰まである黒髪に、藍色の瞳。耳が尖ってるから…エルフ?

盛大に腹の音を鳴らしながら、どうやら俺たちの食事の匂いにつられたらしい。

敵か味方か、一応鑑定しとくか。



鑑定。


名前:ロザリア

種族:混沌邪竜 (幼体)




あ、ドラゴン見っけ。


読んでくださって、ありがとうございます。

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