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通販スキルで、楽しい異世界生活  作者: 黒蜜きなこ
第2章 ドラゴンとお姫様
14/66

03


「とりあえず、サマンサは放っておいて話をしよう」

「ええ、何があってもしばらく起きないと思うわ」


猫耳メイドェ……


「実は、私からひとつ提案がある」

「提案?」

「まず、君たちにはパーティを組んでもらいたい」

「どういう事?先生」


何でも、少し前からドラゴンの目撃情報があるらしい。

まだ幼い個体で、人や動物を襲うことはない。

ただ、家畜などが怯えており少なからず影響が出ているそうだ。


「獣王国において、ドラゴンという存在は神に等しい」


力強さを尊ぶ獣人の国では、その頂点に立つドラゴンは畏敬の象徴。

聖獣と別の意味で、崇められているのだという。


「幼い個体って、親は?」

「はぐれたのか、それとも死んだのか…親ドラゴンの目撃情報はないそうだ」


もしドラゴンを従魔に出来れば、カリナの名誉は保たれる。


「なるほどね…」

「そこに聖獣様とその契約者がいればどうなると思う?」


人々はこう考える。

聖獣様が、姫君をドラゴンテイマーに導いて下さったのだと。

聖獣様とその契約者が、獣王国にドラゴンをもたらしてくれたと。


「そうなると、俺とハクの安全も確保されるってわけですね」


悪い話じゃないよな。


「ただ、ひとつ問題があってね」

「問題って?」

「ドラゴンスレイヤーの称号目当てに、もういくつかのパーティが動き始めている」

「時間がないのね」


少し考える表情を見せていたカリナだが、意を決したようにこちらを向いた。

ピクピク動く猫耳に目がいってしまう。すいません。


「ヨシト、お願い」


猫耳美少女に潤んだ瞳で見つめられて、断れる男がいるもんか。

まぁ、俺とハクにとっても利がある提案だしな。

第一、ステータスでごり押しすればドラゴン相手でも負ける気はしない。


「ああ、手を組もう」

「ありがとう!」


カリナの笑顔は初めてみたかも。

これまでは、泣くか怒鳴るかだったしな。

尻尾もユラユラ嬉しそうに揺れてて、ちょっと和む。


「先生、ドラゴンはどこにいるの?」

「最後の目撃情報は、ここから馬車で半日…テミルナ山の麓だ」

「じゃあ夜営の準備もしなきゃ…」

「今日中に準備して、明日出発でいいか?」

「ええ、そうしましょう」


そういえば…


「なあ、その子もいくのか?」


ソファで熟睡中の猫耳メイド。

…あ、涎。


「大丈夫よ、サマンサはこう見えてすっごく強いから!」

「へぇ…」


暗殺術使うって言ってたな、たしか。


「ふへ……わたしのおいも…にゅふふ……」

「お、起きてる時はもっとしっかりしてるから…」


そっと目をそらすカリナと、苦笑するギルドマスター。

大丈夫かね、このパーティ。





「そうだ、君たちのパーティ名はどうする?」

「パーティ名か…」


話し合いの結果。

どうしても聖獣にちなんだ名前にしたいカリナに、俺が折れた。



『ホーリー・ホワイト』



ホワイトはハクの名前から。

カリナの聖獣への愛が重い。

もう好きにしてくれ…


読んでくださって、ありがとうございます。

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