閑話:猫耳メイドは家出姫を探す
ちょっと、聖獣様を探してくる
心配せずに待ってて
行ってきます
by カリナ
やりやがった…
おかしいと思ったのです。
わざわざ人を使いっ走りにしておいて、その間に家出ですか。
「いかん、すぐに捜索隊を…!」
姫君の家出ともなれば、城の中は大騒ぎ。
あれでも王位継承者ですから、何かあっては一大事なのです。
「お待ちくださいなのです、宰相様!」
「サマンサ、何か考えが?」
「はい、ここは私にお任せくださいなのです!」
カリナの行動パターンはお見通しなのですよ!
どうせ、マリーレイン様かフラウベル様、どちらかのところに決まってるのです!
「首に縄をつけてでも、無事に連れて帰ってくるのです!」
「確かに、お主ならカリーナ姫の居所も掴めよう…よし、王には私が話を通しておく!直ちに後を追うのだ!」
ふっふっふ。
私を出し抜いたつもりでしょうが、甘いです。
『一緒に聖獣様を探しに行きましょう!』
というお誘いがいつ来てもいいように、私は準備してたのです。
夜営のためのテントや寝袋は最高品質のものを購入。
旅路でもカリナが不自由しないよう、ありとあらゆる物を揃えてましたのに!
とっ捕まえて、お説教です!!
◇◇◇◇
まず、フラウベル様のところから。
フラウベル様は、カリナの家庭教師だったエルフの薬師さん。
残念ながら、フラウベル様は先月からエルフの森に里帰り中だそうです。
とっても親切なお隣さんが教えてくれました。
「腰痛で、フラウベル先生の湿布薬が欲しいんだけどねぇ…」
お婆さん腰痛ですか?
私にお任せくださいなのです!
姫の側近として、暗殺術から整体まで嗜んでおります!
ああ、ここの筋が…ジッとしててください。
ベキボキバキ。
お礼に、蒸したお芋を貰いました!
ウマウマです!
「さあ、マリーレイン様のところにしゅっぱーつ!」
マリーレイン様は隣の国でギルドマスターをしているのです。
きっとカリナがいるはず。
家出娘に説教をしてやるのですよ。
泣いても許しません!
「そこの女!金目の物を…」
「邪魔です!」
ドカバキドス。
今は山賊に構ってる暇はないのです。
ロープでぐるぐる巻きにして近くの木に吊るしておきました。
隣の国との国境に着いた時に一応報告しておいたので、後は丸投げです!
そして、
「カリナさんでしたら、お泊りになってますよ」
見つけた…!
夜通し歩いて、もうネムネムです…
ここ、マリーレイン様がギルドマスターを務めるフリントの町。
何軒目かの宿屋でようやくカリナ見つけました…
うにゃ……
「え、サマンサなの?!」
ふふふ〜…見〜っけ。
覚悟するのです〜、お、説教…
ふわぁぁ〜〜〜……
ダメです、もう起きて…いられ、ない、の…です…
「ちょ、立ったまま寝ないで!サマンサ、私先生のところに…聞いてる?」
「あいあい、わかってまふ…うにゃ…」
「起きてったら〜〜〜!!」
カリナは私がいなきゃダメなのですよ?
だって私は、カリナのスーパーメイドなのですから!
おやすみなさい。ぐう。
読んでくださってありがとうございます。




