1B1 ぎゃんぶらぁ放浪記 5
瑠璃の赤短に対しての私は手札に「桐のカス」2枚、場札の「紅葉に鹿」「紅葉に青短」「桐のカス」でフルハウス……私の勝ちだな。
「そんな……勝てたと思ったのに!」
瑠璃がたん札に印を付けている裏で私はカス札を【複製】で増やしてすり替えていた。瑠璃もよく見ていれば私の役がツーペアとかスリーカードといったポーカー系が多いことに気付くはずだ。だが彼女はこいこいで加点が狙える花札系の役に目を奪われていた。そこを隠れ蓑にした花より実を取る作戦だ。
「何でだよ……何が違うってんだよ……」
だったら最後にもう一度チャンスをやろうか? 座ったまま放心状態の瑠璃に私が言う。
「えっ? それはどういう……」
もう一枚こいこいで札を引かせてやるよ。たん札を引ければ赤短+たんでお前の勝ちでいい。ああ、どうせなら好きな札を選んでいいぞ。
「……分かった。後で文句を言うなよ?」
そして瑠璃は見事に「柳に短冊」を引き当てた。おめでとう。……そして私にも同様に1枚引く権利ができたわけだ。
「は? それは何のことだよ!」
そのままの意味だぞ。私の手も変化するチャンスがあるからな。
「はぁ? そんなの引けるわけねーだろ! たった一枚だぞ?」
それでこそ博打だろう。「誰」も余計なことはするなよ。念押しして私は札を引いた。
……それは確かに「桐に鳳凰」、フォーカードで逆転だ、ご無礼。
「はぁぁ……認めるよ、アタシの負けだ」
瑠璃が席を立つ。お前はそれでいいのか?
「引き際ってやつさ。悔しいけどね……イカサマでも勝てないんじゃどうしようもないだろう」
なんだ気付いていたのか。その上で技で勝負をしたかったということか?
「そのくせあれをサマ無しで引くなんてさ……さすが総代様だ。スケバン風情じゃ相手にならなかったよ」
その設定はまだ続けるのか? いい加減にキュートでかわいい「ひかりちゃん」に戻れよ。
「あたしがいつそんなんだったよ! そ、それともあんたにはそう見えてた? ……ばっ、馬鹿野郎! 思っててもかわいいなんて言うんじゃねえ! 絶対に言うなよ!」
いやいやそれは振りだよな?




