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1AC おれたちの夏(たたかい)はこれからだ 13
「するってえと何か? お宝ってのは『正しい円周率』を公表することだったのかよ」
熊谷金吾が大きくため息をつく。その肩に岸田喜四郎が手を置く。
「そうがっかりするな、熊金。世の中をひっくり返す金剛石の輝きのごときもの、確かにその通りだろうよ。ひょっとしたら歴史に名を残せたのかもしれんのだからな」
うまくいけば二八兵衛は天動説をひっくり返したガリレオ・ガリレイのようになれたかもしれない。そういう金で買えない名跡を最後に求めたのかもしれない。そして夢破れ菩提寺に封印したのだろうか。「それでも円周率はひとつ」とか言い残して(笑)。
……まあ「表」はこんな感じでどうだろう。あとは納涼花火大会でもして締めようか。
そして「その日」の真夜中、白桃院高校に私たちは集まった。ここからが本当の宝探しだ。二十四節季の大暑と立秋をまたぐこの日のこの時間、この場所にぬっぺふほふが現れる。
「そんなところに私たちを立ち合わせていいの?」
「そうだぜ。オレたちの洗脳は完全に解けたわけじゃない」
天野薫子と土方瑠璃の二人が言う。だがいてもらわないとそれを解くことが出来ないだろう。【ライブラ】のこともな。そのために小鴎祝子と朝日奈隼も呼んだんだからな。
だがその前に二人と決着をつけておこう。決闘を何にするかは決めてきたか?




