最終話
「夏空、本当におめでとう。」
学校と塾に報告を終え、のんびりと夜を過ごす。
「冬花さんお酒美味しい?」
冬花はなんとなく受験が終えるまで禁酒をしていた。
久しぶりに飲むビールはめちゃくちゃに美味い。
「こんな最高な気分で飲めるお酒、美味しくないわけ
がない。」
いつもより早いペースで冬花はどんどん飲んでいく。
いつもは酔わないように飲んでいるが今日は何も考えずに飲んだため少し酔いがまわってきた。
冬花はぽつりとつぶやく。
「夏空。本当にありがとう。」
「え?それは私の台詞だよ。」
冬花はゆっくり首を振る。首を振るともっと酔いがまわった。
「ううん。私は夏空にすごく感謝してる。」
冬花はお酒を飲もうとしたが、やめて話を続ける。
「私は夏空に救われてるんだよ。夏空は気づいてない
のかもしれないけど。」
夏空は思い当たるふしがないのか首を傾げている。
「私は夏空を産んでない。それどころか出会ってまだ
2年くらい。でもね、夏空のことを本当の子どもだ
と思ってる。」
夏空はいつになく饒舌な冬花に驚きながらも静かに話を聞く。
冬花は夏空と出会った頃を思い出す。そして笑みが溢れる。
「あの日の出会いは
私にとって運命であり
最高の奇跡が起こったと思っているんだ。」
ゆったりとした口調で言いながら冬花は夏空を見る。
子どものように無邪気な笑顔をしている冬花を見た夏空はつられて笑う。
「冬花さん。私も同じだよ。」
夏空は体操座りをした膝に頭をこてっとのせる。
「私は私であり私じゃなかった。
でも、冬花さんと出会って初めて
産まれてきたことに感謝した。
あの日の出会いが私を私にしてくれた。」
夏空は頭を起こし真っ直ぐに冬花を見つめた。
「世界を色づけたのは間違いなく冬花さんだよ。」
「夏空は心も言葉も綺麗だ。自慢の娘。」
心の声がお酒のせいか全て出る。
二人は奇跡の出会いに感謝した。
そして未来に心を弾ませることの幸せを噛み締める。
二人の物語はまだまだ続く。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
ここで一度「冬と夏」は完結となります。
前々から小説を書いてみたいと思っていました。
そしていざ書き始めてみると、想像以上に大変であることが分かりました。
「ここの場面が書きたい!」と思っていても、その場面に行くまでが難しかったり、語彙力がないため同じような言葉ばかり使ってしまったりするなど、とにかく小説を書くことは容易ではないことを身をもって経験することができました。
しかし、それ以上に文章を書く楽しさや想像していたことをより具体的にしていく面白さを味わうこともできました。
そんなふうに思えたのもこんな拙い文章を読んでくださった皆様のおかげです。
本当にありがとうございました!!
ここから先、少しずつ番外編を書いて行く予定です。(ただ妄想を形にしたいだけの、完全なる自己満です。)
もしお時間があるようならたまに見ていただけると嬉しいです。
本当にありがとうございました。




