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Real~Beginning of the unreal〜  作者: 美味いもん食いてぇ
第四章〜Marine snow〜

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16巻最後←本当の方

 部屋に戻った東条はイソギンチャクのソファに腰掛け、甲殻類のような脚の生えたスマホを弄る。

 昨日の夜、女子更衣室に忍び込もうとしていたところを捕獲されたらしい。このエロスマホが。


「日本に帰ったら、当分休みにしようぜ? 疲れたわ」


 クラゲのベッドに寝っ転がるノエルも、触手の生えたスマホを弄りながら頷く。


「ん。マサ最近頑張りすぎ。マサらしくない」


「だよな〜。皆のために頑張るぞい! とか俺らしくないよな〜。俺冷笑系だから」


「マサ冷笑系なんだ」


「そうだぜ? 俺は頑張ってる人見て笑うような人間だから」


「嫌い」


「冗〜談ですやん? 時代は熱笑系なんだよね? 友情努力勝利!」


「んふふ」


 ノエルは寝返りを打ち、アトランティスでの思い出をスクロールする。


「マサ、結婚してから働きすぎ」


「んーそうかー?」


「国からの依頼そんなに断らなくなったし、危険に首突っ込むこと多くなった。自分から」


「そんなこたぁないだろ」


「ある。マサ今凄い強い」


「どうも」


「強いから、守れる範囲も広くなってる。ノエル達が旅を始めた時とは、比べ物にならないくらい」


「だな。……」


 東条がスマホから顔を上げると、ノエルと目が合った。


「ノエルも分かる。大切な物が増えると、今まで興味なかった害悪にも目がいくようになる。マサは今、紗命と灰音を日本ごと守ろうとしてる。二人に触れられそうな脅威を、世界から消そうとしてる」


「ったく、何だよ改まって?」


「頑張りすぎ。二人はそんなに弱くないし、日本もそんなに弱くない。もっと気抜いていい。マサらしくない」


 再び寝っ転がるノエルに、東条は「クっ、ハハハっ」と思わず吹き出してしまう。


「お前の悪い癖だぞ? 言わぬが花を見破って引っこ抜いてきやがる」


「ノエルの特ギぇっ」


 ノエルの腹にダイブした東条は、もがく彼女を無視して天井を見つめる。


「確かにな〜、少し神経質になってたかもな」


「おぼぃ」


「紗命と灰音にも昨日怒られちまったし。最近怪我しすぎだしな。俺が疲れるくらいだから、ちゃんとストレス溜まってたんだろうな」


「んもぃ」


「流石ノエル。全部お見通しだったんだな」


「んっ。ノエルはすごっひゃ⁉︎ うひゃ⁉︎ んヒャハハハ! やめっ、ダメっ、ヒハッ⁉︎ んひゃフヒアハハハハハッ⁉︎」


 身をよじるノエルを漆黒で固定し、東条はのしかかったまま細い脇腹をくすぐりまくる。


「ングにゃァッ‼︎」

「おっと」


 漆黒を破裂させ振り抜かれた足を掴み、足裏をくすぐる。


「ヒャーーッ!」


「そういやギリシャにも行くつもりだったけど、もうめんどくせぇな。どうせステラも楽しくやってんだろ」


「わはっひゃ、わはったからっ!」


「てかペルルまだ起きねぇのかよ、もう昼だぞ? 夜遅くまでゲームしてっから」


 東条は涙目で震えているノエルを見つめ、軽く笑う。


「……ふっ、やっぱ姉妹なのな」



「わヒャーーーー‼︎」


                               




                                〜16巻・完〜

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