ぷろろーぐ
お久しぶりです。
よろしくお願いいたします。
熱病で、村が滅んだ。
まあ、これってわりとよく聞く話なんだけど……自分の身に降り掛かったことだとなると、話は別だよね。
「さて。これからどうしよっか」
オトンも死んだ。
オカンも死んだ。
村中回って見たけれど、わたしの他に生き残っていた人は一人もいない。
もともと人口の多い村ではなかったけれど、こんなにあっさりと、人って死んでしまうのかと呆然としてしまう。
どうしようかなどと呟いてはみたものの、声に出してみたところで良い案なんて思い浮かぶわけもない。
ナイナイづくしで、いっそ笑えてきてしまうレベルの話だよね。もう、どうしたものやら……
「ホント、自分のことじゃなかったらなぁ……」
私はもうすぐ十歳――今はまだ九歳。猫人族の女の子だ。
私が生まれ育ったハズレ村があるのは、ふかいふかぁい森の中。
村の外にはこわーい魔獣がたくさん住んでいる。
何の対策もなしに塀で囲われた村の中から出ていったら、わたしなんてあっと言う間に魔獣たちのお夕飯になってしまうことだろう。ほんと、ただの無力な子どもなんだもの。どうしようもない。
とはいえ――
「どのみち、時間の問題なんだよね」
なにせ今回の流行病で、村に魔獣を寄せ付けない結界を張るために建立された神殿を祀る巫女様――わたしのオカンも死んでしまった。
神殿で結界の要として奉仕する神官・巫女が亡くなってしまっても、すぐに結界がなくなるわけではない。でも、新たに務める人がいなければ、近いうちに結界は消え失せてしまうだろう。
そうなったら、もうあとはない。
村を囲う木の塀なんて無いも同然。村の中にこもっていても、結局、近い内にわたしは魔獣のお腹の中にインすることになっちゃうだろう。
進むも地獄。
とどまるも地獄。
それならいっそのこと、思い切って村から出ていくしかない……よね?
主人公がひとりのあいだはこの調子です。
他の人物が登場し始めれば『ほのぼの』とか『のんびり』も目が覚める、ハズ。




