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台本を装備した悪役令嬢があらわれた!  作者: ぱつぷぇ
台本は戸惑っている
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見覚えのある景色は変更可能ですか?






 ざあざあと風が葉を鳴らす。深夜に来たらいい感じに心霊スポットになりそうだよね、日中でもこんなに薄暗いんだもの。


 所々に落ちている葉を踏みつけながら歩く。花が枯れている可能性だってあるんだ、何も焦ることはない。



「長い道だなあ。これだと本当にあの場所につながっていそう」


「あはは、それだったらいいじゃないですか」


「へライトはなんでそんなにハイになってるの? 自分が死んだ場所なんて嫌じゃないですか」


「違うんです。あの薄暗い秘密を共有していることが嬉しくて仕方ないのです」



 恍惚とした表情で、うっとりと話す。典型的なヤンデレだなあ。三次元にいた時は可愛いけど、実際に好かれると少しだけ怖い。


 しかもノアまでそれに同意している。君達仲いいねえ、微笑ましいよ。第三者だったら。



「貴女に会えるなら、私はまたあそこに産まれたって構わないです」


「また虐められるんだよ? 存在も否定されて、冷たい部屋で過ごすんだよ?」


「そうしたらまた、マキナ様は来てくれるでしょう?」



 それだったら、いいんですとノアが笑った。……逆に貴方達は私がこういう無邪気な笑顔に弱いってことを知っているのかな。


 ――気がつけば、薄暗い道に段々と光が差してきた。さあ神様、私達の記憶を消すなら今ですよ。



「マキナ、もう少しで着くが……疲れてないか?」


「こっちのセリフです。レヴィアの方が疲れているはずです」


「残念ながら俺は最愛の人の前では体力が無限になるんだ」


「無理しないで下さいね、レヴィアは私の知らない所で無理をしているから」



 好きな人の前では格好つけたい感じ? そこまでは聞かずに、そっと心の中にしまい込んだ。相手にもプライドとかあるからね。


 目の前に木が映らなくなってきた。自然と歩みが速くなる。



「――ああ、嫌な予感的中」


「花の色だけが変わってますね! 思い出の場所ですよ、マキナ様!」


「ノア様だけのものでもありませんが」



 喧嘩しないでって。それより私の古傷を癒してよ、刺された所辺りが痒くなってきたんだけど。


 なんであの時私が生き残ったんだろう。口が裂けても言わないけど、正直寂しかった。あんなに私に抱きついてきた温かい人達が冷たくなってるんだから。



「次は置いていかないでね。いや、次は無い方がいいんだけど」


「話はよく分からないが、マキナを殺すのは俺が永遠に許さないからな」

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