説得力って武器屋の片隅にでも置かれてますか?
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「いや、だからごめんなさい」
「私、もう離れませんからね」
「ドジった」
「右腕を拘束されたらマキナ様は動けないでしょう?」
名案だと言いたげな輝いた目に見つめられる。ごめん、あんなつもりじゃなかったんだ。ただ皆みたいに華麗に敵を倒したかっただけなんだ。
「ヘライト様、いつまで独占するつもりですか?」
「まだほんの少ししかしていないでしょう、ノア様の方が何倍も贔屓してもらってる様に見えますが」
「大丈夫だからヘライト、早く行きましょう。後少しで着くはず」
「マキナ……今日も新しい町もしくは村に着いたとして、そこに目当ての物が無かったらどうするんだ」
確かに。ゲームでもあるよな、小さ過ぎて素通りするためにあるような所。それで、最終的にそこが重要ポイントになるんだよな。
逆に考えてみると、大きい町かもしれないし、もしかしたら国かもしれない。この時代が一国に支配されているとは考えられない。
「宿屋か道具屋があれば行けるでしょう。防具は後でいくらでも買えますし」
「ならマキナ様が自らモンスターを狩る必要は無かったのでは」
「貴方達がシアちゃんにピリピリしてるからでしょうが」
ピリピリを越してバリバリだ、それ所かシアの存在を認知しようとしないから。現実世界の小説だったらシアは今頃陰で愛されてると思う。
……待てよ、もしかしたらそれはもう始まっているのかもしれない。私は俗に言う踏み台なる者なのかもしれない。
そう考えていると、ヘライトが何かを察したのか私の耳元に近づいた。
「変なことは考えないで下さいね。貴女が私達を離さないと言ってくれる様に、私達も貴女を離す気も離される気も更々無いですから」
「いつ読心術を身につけたんですか」
「マキナ様はたまに物事を捻じ曲げて踏み潰してから考えているからですよ」
縁談の時だって、なんて前世のことまで出してくる。そうだったっけな、私はいつも清く正しい真っ直ぐな方向に物事を考えているんだけど。
「ほら、そのそうだっけ? みたいな顔して。自覚がないんですか、私達あんなに傷ついたのに」
「ヘライトの記憶が捻じ曲げられて踏み潰されてるんじゃ」
「私はマキナ様関連の記憶は一言一句違わず覚えてます」
だからその無駄にある記憶力は有効に使えって。なんで皆そんな豪華に無駄遣いしてくれるの。




