可愛さって有り余っていれば破棄できますか?
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「話が飛び散っちゃうけど、この時代って魔女とかに対してどんな感じなんだろう」
「確か……前みたいに一部から恐れられることはあるけど、それ以外には特になかった筈です」
「お前が魔女に成れるとは思わないけどな」
「そう言われるとなりたくなる性質なんで頑張ってなりますね」
「止めろ」と言われる程止められなくなる感じだ。だからと言って、「やっていいよ」と言われたら止める訳でもない。
兄様はそれも知っているからか、そこからは何も触れてこない。
急にシアが「あ」と声を発した。それに反応したのは私だけ。何事かとシアの方を見ると、一軒の古びた家があった。
「これだけ手入れがされていないと言うことは、随分と昔の物か」
「家主が死んだか、捨てられたかしたのでしょう」
「マキナさん突撃兵なんで行ってきまーす」
動きやすい服装でよかった。スキニーパンツはいいよスキニーは。私からしたらスカートより楽。
ドアは……開くか。中を覗くと、少し埃をかぶっているくらいで、外観と中の差がある。
「庭は元からあんな感じなのかも」
「勝手に行動をするな、ここら辺まで来ると恐ろしいのはモンスターだけでは無くなるぞ」
「そうですよ、ただでさえ山賊共が増えていると言うのに」
そんなの初めて聞いた。結構物騒なのね、この辺りは。早い所抜け出した方がよさそう。
――家の奥に何かある。窓から射している光を反射しているあれは……銃? 銃器っぽくないか、あれは。
「っおい、マキナどこに」
「大丈夫ですって! 武器を取りに行くだけですよ」
近付いてみると、ほら、やっぱり。
FPS、TPSにハマっていたマキナちゃんはすぐ分かるぞ、UZIとか言うやつだなこれは。まあ私あんまり使ったことないけど。
「あれ、思ったより重い」
一円玉4000枚分くらいの重さはありそうだ。ゲームだったらこれで好きなだけ暴れられるんだけどな。
こういう時って魔法の銃とかじゃないのかな、私みたいな奴は現実持ってろってことかな。でもUZIって性能良いらしいからね。
周りにあった沢山の銃弾をかき集めて戻る。収納大きくてよかった。
「これからは一人でどこか行かないで下さいね」
「マキナ様はすぐふらふらとどこかに行ってしまいますから」
「ごめんて」
謝罪の意を感じられない言葉と共に、銃弾を入れる。私FPP……一人称よりTPP、三人称派だったんだけどな。
視野広いし、索敵可能だし……ああゲームしたくなって来た。
「えっと、今日はどこで一晩を過ごすのですか?」
「別に、温かいベッドで寝たいのでしたらその家で過ごせばいいじゃないですか」
「そ、そういう訳では……」
変わらず兎の様なヘライトは苛立ちを隠さないまま、私に抱きついた。兎って不満があると豚みたいな鳴き声になるよね。
どうでもいいか、最近兎なんて滅多に見ないし……そもそも存在しているのかすら分からないからな。




