心配って鬱蒼とした森で捨てられますか?
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「あーあ、城から出るのに一苦労しましたね」
「バレてはなさそうですが……早く離れましょう」
ノア様と私が少し引っかかりかけた。顔はあまり見せていないので、この場からすぐ離れれば追いかけられることは無いだろう。
因みにマキナ様はノア様が独占している。アイツは相変わらず私達とレヴィア様に熱の篭った視線を送っている。
「まずは耐久性に優れた武器が欲しいな」
「そうですね……まあ、無かったとしても魔法がありますけどね」
「でもレベル上げしないと駄目でしょう、一応」
「ノア様は体が弱いですから、無理はなさらないで下さいね」
そう言うとノア様は一瞬だけ私を睨みつけてから、マキナ様に擦り寄り始めた。
レヴィア様はまだ我慢できるようだ。……あ、やっぱりもうすぐ耐え切れなくなるかも。アイツは、まあいいか。
ぐだぐだと進んでいると、急に「うわ」とマキナ様の声がしたので同じ所を見る。
「初モンスターだ」
「マキナ様は下がっていて下さい」
少しでも格好良く見られたくて誰よりも先に炎を当てる。炎魔法にした理由としては、単に緑色だったからだけど。
モンスターには効いたのか一発で倒れた。マキナ様に怪我はない、よかった。
「40Gゲットっと……ありがとう、ヘライト」
「っこれくらい、当然です」
それは不意打ち過ぎる。確かに様付けは要らないと言ったけれど、これは殺し文句に入る。
けれど、マキナ様はそのことを知らない。知らないから笑顔でノア様に「ヘライトってすごいね」と言っている。
ああ、駄目だ、こんな優越感に浸るなんて。上がった口角を隠すように手で覆う。
「ヘライト様、次は休んでいていいですよ」
「だったら戦闘要員は俺だけでもいい」
「それはレヴィアに負担が行っちゃいますから」
「私は戦えないけど、回復は任せて下さいね!」
妬み嫉み恨み辛みがこもった様な声で言われるものだから、何だか可笑しくなって更に笑ってしまう。
それを見たマキナ様もふわりと笑う。そういう顔は反則ですってば。
「あの木の辺りまで行ったら、次は私にマキナ様を譲って下さい」
「散々見逃してあげたでしょう」
「なら、宿屋に行った時は俺と共に寝ようか」
「え、う、レヴィアがいいなら……」
また誰かに取られかけている。前より離せなくなった、離して欲しくなくなった。
そんな想いを込めてきゅっとマキナ様の手を握って、さっきのノア様よろしく擦り寄ってみた。
「やっぱり私は二人に挟まれるのね」
私がずっと、永遠に護ると決意した。
いつか壊れてしまうのではないかと思う程の儚げな笑みで言うから。




