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39 刈沢村へ1

 三鈴(機関砲バージョン)を実際に使ってみた俺たちだが、思っていた以上の威力に驚いていた。

 特に今回の三鈴(機関砲バージョン)を使って改めて認識したのが、魔石による命中率の高さだ。普通ではない命中の仕方をするので猶更ハイになったともいえる。

 機関銃や機関砲というのは多くの銃弾を発射するが、実際に当たる確率は普通低いものだ。だが、魔石を持っているとほとんどが当たってしまう。

 武器としてはそれだけ優秀なので文句を言う筋合いではないのだが恐ろしくもある。


  *  *  *


 今日は、いよいよ巫女たちが刈沢村へ出発する。


「寝袋はあるし、普通は外食でいいわよね?」


 パンパンになったデイパックには何が詰まってるんだろう?


「1泊や2泊で大げさだなぁ。俺は普通だぜ」


 いや、お前はちょっと考えたほうがいいぞ乙羽。シャワーくらい使えよな? 野宿じゃないからな!

 まぁ、俺が一番気楽なんだけど。


「ベッドは私が使っていいんでしょ?」

「ああ、いいぞ。シーツは洗ってある」

「ふん。わかってるわね!」


  *  *  *


『今日もよろしく頼む!』


 相変わらず元気な西園寺隊長だった。


 今回は、途中まで線路が補修されているので滑り出しは好調だった。


『すいすい行くね~』


 美琴は上機嫌で運転している。

 魔動機関砲には美琴の三鈴がセットしてあり、俺が魔動車の前方を監視している。そして後部座席の紫雲と朝霧が左右を監視していた。


 後続魔動車の運転は副隊長の早野が担当している。西園寺は魔動機関砲をつかんで後方に向けている。柚子と西島は後部座席で西園寺の補助と後方の監視だ。


 前後を魔動機関砲で、左右は三鈴をもった巫女が討伐を担当する。うん。なかなかいいフォーメーションだ。


『左後方、マッドボア5体発見!』

『よし! 任せろ』


 ガガガガガガシューン

 ババババババッーーン

 ギィアーーーッ ギィアーーーッ ギィアーーーッ

 ギィアーーーッ ギィアーーーッ


 お、なかなか効率がいいぞ!


『右側面、マッドボア4体。討伐します!』


『三鈴ウォータージェット!』


 ヒュン ヒュン ヒュン ヒュン

 ジバッ ジバッ ジバッ ジバッ

 グァーーーッ グァーーーッ グァーーーッ グァーーーッ


 朝霧が報告と同時に三鈴を起動した。

 うん、快調だ。


『前方からマッドボア10体、ブラックベア1体』


 美琴から報告が入った。さすがに視野の広い美琴のほうが先に見つけた。


「よし、三鈴ウォータージェットで行く!」


 キュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキュキューーッン

 ジッジッジッジッジッジッジッジッジッジッジッジッーーッ

 グァグァグァグァグァグァグァグァーーーッ、グュアーーーーーーーーーッ


 ブラックベアに追われていたマッドボア10体とブラックベアをまとめて掃討。


「ふはははははっ。任せておけ~っ」


「また、始まった。てか、ズルくない?」

「うん、ズルいよな?」


『こちら西園寺。何だ今のは?』


「三鈴ウォータージェット(機関砲バージョン)だ」


 西園寺が見るのは初めてだから驚くよな。


『ま、またバージョンアップしたのか?』

「美琴に代わって俺が魔動機関砲を操作してるんだ。三鈴を持った巫女10人分の威力になる」


『な、なんだと! それであれか! 凄まじいな』


 西園寺も驚くよな。


『そうか、これが人員補強の代わりか! 運転してる美琴に代わって攻撃するとは面白いことを考えるな!』


「ちょっと、性格に問題あるけどね」

「いや、人のこと言えないんだけど」

「要注意だな」


『???』


  *  *  *


 最初は魔物を討伐しつつも快調に飛ばしたが、さすがに下草がはえている不確かな線路では速度を落とさざるを得ない。

 それでも以前よりは速い。なぜなら、下草を刈る位置を前方10mくらいまでのばしたからだ。これで線路の様子が分かるようになって速度も上がった。


 そうはいっても、クレータが出来ているような場所もあり、思った以上には進んでいない。


「やっぱり、星降りの影響は大きいわね」

「ああ、クレーターがこんなにあるとは想定外だ。まぁ、長い間放置だったんだろうけど」

「ときどき、池になっているしな」


 乙羽は、池の水が気になるようで時々サンプルを採取していた。


 そんな感じで、線路を補修しつつ半日ほど進んだところで変な攻撃が来た。


 バンッ


 最初はレールの石でも飛んだのかと思ったのだが違った。


 バンッバンッバンッ


『左、側面から何かが当たっています』


『何事だ魔物か?』

『わかりません』


-左側面、湖からの攻撃と思われます。


 三鈴が分析してくれた。

 いつしか街道の左側には大きな湖が広がっていた。クレーターというにしては大き過ぎるので、もともと湖だったと思われる。


 ともかく、魔物の攻撃なら対応しなければならない。


 俺は湖に向かって魔動機関砲を向けたまま待った。

 すると湖の水面がざわめいた。


 ピギャピギャピギャ ピギャ ピギャ

 バンッバンッバンッ バンッバンッ


 今度は水の音もした。


「あそこか!」


 湖の中からの攻撃のようなので、普通に魔動機関砲を選択した。相手は水面下なので狙いは付けられない。


 ガガガガガガシューン

 ジャジャジャジャジャジャ


「うん? さすがにダメか? ちょっと停止するぞ~」

『了解』


 ぷっか~~~~~~~~~っ


「あ、大量に魚が浮いてる」


-衝撃波に弱かった模様です。


 ああ、なるほど。銃弾が超高速で水面を叩いたからな。


「おお、凶悪な顔の魚だな」


 体長70cmはありそうな魚が湖に浮いていた。

 その後、攻撃は止まった。つまり、さっきのはあの魚で間違いないだろう。


『あれは、キャノンフィッシュだな』


 西園寺が特定した。


『湖の底から石を咥えてきて発射するんだ』


 なるほど。よくそんなこと出来るな! まぁ、テッポウウオもいることだしあり得るのか?


 ともあれ、その後は問題も発生せず夕暮れとなった。

 線路わきに空き地をみつけ魔動車を止めた。今日はここで一夜を明かす予定だ。


 なぜ荒地にするかというと、簡易トイレを作るためだ。簡易トイレと言っても、次元フィールドで個人用のトイレを作り使用後は浄化して埋めてしまうというものだ。


 必要なら温水シャワー室も出せるらしい。どこまでも進化するな三鈴AI。いっそのことユニットバスにすればいいと思う。


 俺がそんなことを言ってたら、三鈴AIが本気にした。


-可能です。水も燃料もあります。枕木補修用の樹脂を薄く延ばせばお湯が漏れることもありません。


『それは助かるな!』

『野宿とは思えない快適さです!』

『もう三鈴旅館です!』


-恐縮です。


 ただ、外が魔物のいる暗闇なので今日は温水シャワーで我慢するそうだ。


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