とある男のプロローグ
輸送用の大型ヘリに長い時間乗っていると座りの悪い硬いイスがケツを痛める、移動中は立って歩く事も出来ないからなお辛い。手には突撃銃、身に纏うのは目玉が飛び出るほどに効果な軍用強化外骨格服、背嚢には各種のオプションと至れり尽くせりなのにケツを保護するシートが無いのが一番の欠点だな。
「予定時刻にポイント通過、目標までおよそ5分、後部ハッチを開く」
スピーカーから操縦士の声が切れると後部ハッチが唸りながらゆっくりと開く、高度からの降下して現場へ急行、デリバリーのピザか俺達は。
「総員傾注、降下前に再度目的を確認する」
耳元の無線機から隊長の声が全員に流れる、フルフェイスヘルメットのバイザーデータが表示され目的の物が映し出された。
30代と思われる見た目は抜群の女、白い研究服より銀幕の女優でもしてた方が儲かるんじゃねえのかってくらいには見栄えがいい。画像と共に文字の羅列が彼女の実績を表示する。
「目標の生存を最優先に確保、状況は各自判断しろ、達成できない場合は研究データの確保、最悪はすべての消去および破棄だ」
「そのほかの行動規範は」
「三三ー四を参照しろ、我々は目標の回収が最優先だ、障害の排除に発砲許可は出ている」
「了解」
「時間合わせ、よし、集合ポイントΑ10だ遅れるなよ」
隊長から後部ハッチに進みそのまま飛び下りて行く、仲間が次々と飛び下りていく中自分に出番が回る。
「行ってこいラストワン、帰りを待ってるぞ」
「行ってくるぜ王様、賭けの代金まだ貰ってないから首洗ってまってろよ」
「さっさと回収に来い、待つことも俺の仕事だ」
機内カメラに見える様にハンドサインを掲げてハッチから飛び降りる、目前に広がる重工業地帯、半径10キロを超すその都市は今非常事態で死にかけだ、必要とされるのは分ってるが仕事を選べないのが辛い、デリバリー部隊は今日も平常運転でござい。




