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7.王国に迫る影

「お前らここ最近騎士たちが相次いで殺されているから気を付けろ。魔法士の卵のお前らも狙われないわけでもないからな。」


 学園へ登校している途中のことだった。都市の中心地の俺の銅像近くのところにあるニュース掲示板で騎士たちが相次いで殺されているという張り紙がされていたので、リナにもその情報が入ってきたのだろう。しかし、騎士たちが殺されるということはかなり強いだろう。


 この国で騎士になれるのはヴォルデ学園でトップ10で卒業した人たちだ。その化物揃いの騎士団を次々に殺していくとあれば、国も学園に支援を要請するのも時間の問題であろう。


「Sクラスの諸君今日は1日実践訓練を積んでもらう。今日は私がお前らに直接特訓を付けてやる。」


 テティは、とても嬉しそうな目で見ていたが、ほかの生徒たちの顔は死んでいた。烈火を使って教えるリナの訓練は授業ではなく、虐待に近いからだ。


「あと、テティ、マルクはホームルームが終わり次第、直ちに私の部屋に来るように、忠告するが、くれぐれも来ないような真似はしないでくれよ。」


 学園長に目をやると体の周辺から烈火のようなオーラがでていた。しかし、俺が学園長に呼ばれるとは何か悪いことはしたのかと思ったが、逃げてしまっては倍以上の仕打ちを受けそうだったので、仕方なくいくことにした。


「失礼します。1年Sクラスのマルクシュバリエです。」

「同じくSクラスのテティサディスです。」

「あーお前たちご苦労。そこのソファーに座ってくれ。」

 

 俺は言われたとおりにソファーに腰かけた。今回の件で何かわかったのだろう。そして、それを俺たちに解決してほしいからと指示をするところまでは読めている。


「早速だが、今回の騎士たちが相次いで殺されていることについての、犯人が分かった。ティスマルス王子だそうだ。」

「王子が騎士たちを殺すとは不自然すぎますね。洗脳魔法でしょうか?」

「洗脳魔法を疑ったが、それはなかった。」

「となると、力のためですか?」

「私も予想はしていたが、力のための可能性が大きい。」


 俺とリナの会話を聞いていて、テティは頭の処理が追い付いてこなくて混乱していた。そして我慢のできなくなったテティはリナに質問した。


「お師匠様、マルクのいう力のためとはどういうことですか?」

「この国では、貴族の位を番号で表しているだろう?王子とは言え、シュバリエ家の支配能力には勝てないのだ。だから、今回の場合シュバリエ家の騎士たちが次々と殺されてしまっている。」


 俺は初耳だった。シュバリエ家の騎士たちだけが殺されているという事実を今知った。そして怒りがこみ上げ来た。王子であろうと俺は殺しに行くと考えた。王国を転覆させようとしている王子を処分すると俺は密かに決めていた。


「シュバリエの騎士ってことは、マルク君の家の人たちも狙われる可能性もあるということですか?」

「ああ。その可能性が大いにある。」

「学園長、テティ、この件は俺が処分してもよろしいでしょうか?」

 

 二人の話を聞いていて、俺の我慢も限界に上った。


「それは構わないが、お前一人でティスの親衛隊四百人を処分できるのか?」

「四百など話になりません。クラスメイト達も普通の授業に戻してあげてください。」

「お師匠様、私はマルクがいくら強くても絶対に無理だと思います。火球しか使えないのに、そんな大勢を始末することは絶対に無理です。」

 

 テティは俺のことを心配してくれていると思ったが、実際のところは自分もそいつらと戦って強くなりたいと考えているのだ。


「足手まといは、いらない。俺の家の問題だ。部外者は関わらないでくれ。」

「私も第三貴族として関係があります。」

「お前は俺との決闘にも負けた。そんな奴があそこに行っても意味がない。」

 

 俺はテティを冷たく引き離してしまった。このことが後々面倒になったのはまだ先の話であった。


今日は2本更新予定


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