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Dreaming Maker Memories  作者: 菖蒲P(あやめぴー)
一章
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八話 うちのじいちゃんかな

怒涛の合宿初日を終え、二日目に。朝からメンバーを叩き起こし疲弊する世奈を追い込むが如く、ある一報の知らせが舞い込んだ。

一人部屋、アラームの音で目が覚めた。現在の時刻、朝4時。朝食は施設側が用意してくださるから、ご飯の準備とか大掛かりなことは特にしない。朝食は6時から。まだ2時間も余裕がある。だが、今起きなければいけない理由がある。さぁ、起こしに行こう。


「失礼しますー、朝ですよー。」まず向かったのは伶奈ちゃんと灯ちゃんの部屋。声をかけドアを開けると、二人ともすでに準備を進めていた。

「おはようございます。私も灯も目覚めはいいので、もう準備していました。」「早く早朝のトレーニングしてぇな!!」「トレーニングって、そこまでハードではないですよ、ただの柔軟と少し走る程度です。」そう、1時間程度ストレッチや走り込みをするため早めに準備を始めたのだ。…1時間しかやらないならもう少し遅くてもいい?違うんだな。この次だ、この次。


「おーい、起きろー!!起きてくださーい!!」ドアを強引に開け、部屋に踏み込んでいく。明石くん、久瀬くん部屋。

「俺もうハニートーストでお腹いっぱいだよぉ…」「ハニートーストじゃなくてあなたのマネージャーですー!!」久瀬くんは何か夢を見ながら寝言を言っている。ほっぺをつねっても夢の中だ。

「明石くんは、起きてる?寝てる?」普段から目が閉じがちだからなんか起きてるのか寝てるのかよく分からない。いや、微動だにしないから寝てるのか。

「起きてくださーい、のしかかりますよー。」二人に全体重を預けたところで二人とも「ひぎっ!?」「はっ!?」と声をあげ目を覚ました。

「早朝トレーニングなんで、準備終わったら表で待っててください。」「早朝…?」「忘れたとは言わせませんよ明石くん。」二人を着替えるよう促して部屋を出た。まだまだ戦いは終わらない。


「ばーん!あなたたちのマネージャー参上!さぁ起床時刻です!!」

「すぅ…すぅ…」健やかな寝息は結構。だが起きる時間なのだよ花咲くん。仕方ない。

「秘技!のしかかりー!!」「ぅにゃあ!?マネージャーさん!?」案外すっと目を覚ましてくれた。

「マネージャーさん、今いい匂いしたぁ!女の人ってやっぱヤベーんだ!!」「随分目覚めがいいですね。さっきまであんな可愛い寝顔で寝てたのに。」「俺次は伶奈ちゃんと灯ちゃんの匂い嗅いでくる!」「危ない遊びはやめなさい!!」と、やりとりしながら横に目をやると遠山くん。ん?今目開けてなかった?さては二度寝?知らん顔して寝息立てた、フリしてるな。

「遠山くーん、起きてますねー。二度寝厳禁、フライパンで炙りますよー。」「フライっ!?」フライパン攻撃の効果抜群。目を点にして怯えている。

「冗談です。二人も準備したら表に出ててください。」


蔦屋くん、御影くん部屋。この二人はもう起きてそうだな。入ってみよう。

「蔦屋くん御影くんもう起きてますかー?」「…」返事がない。寝てるのか?

「入りまーす。」入ると、もっこり盛り上がった布団が二つ。そこから手足が見えている。

「起こしますよー。布団剥ぎますねー。」容赦なく布団を剥ごうとすると中から、「やめてっ、見ないでマネージャーさん!」と蔦屋くんの声が聞こえてきた。

「なんですかー?変な本でも読んでたんですかー?場合によっては没収します。」

「没収だけは…!」御影くんも布団を引っ張って抗戦する。

「力ずくでー!!」力ずくで布団を剥ぎ取ると中から出てきたのは、「お、お菓子?」

「昨日の夜蔦屋くんとこっそり食べてました。やめられなくて止まらなくて、目が覚めてからもまた続き食べてまし…」「没収。」「やだーっ、それすごい美味しくてやめられない止まらないんですよーっ!」「入念に歯磨いて着替えて準備終わったら表で待ってますから。あなたたちはお菓子太りの分ちょっとランニング増しでいきます。」二人はしょぼくれた顔で布団から出た。


ラスト、雪室くんと織くん。織くん絶対寝てそうだなー。恐る恐る入る。

「起きてますか二人ともー?」「あ、おはようございます!」「はよーっす。」意外なことに二人とも起きていた。

「早く飯食いたくて目覚めちまったよ。早く飯ー!」「その前に早朝トレーニングですね。」「は!?なにそれ!?」「聞いてなかったのかオイ。雪室くんは知ってますよね。」「ええ、まぁ…」「あとは雪室くんに任せます。準備終わったらお願いしますー!」長い戦いも幕を閉じた。


「全員揃いましたねー!早朝トレーニング開始です!」私の掛け声と共に柔軟体操、走り込み、体を目覚めさせる簡単なトレーニングを行った。「…ん?」その様子を眺めていると、ふと携帯が鳴った。メール、大地からだ。なになに…?『急遽決まったことです、我が社のお偉いさん数名が、そちらに向かっています。今日一日うちのRock'in HeartやDreaming Makerさんの様子を視察しにくるそうです。』そのメールに目を疑い、

「えぇ…!?」驚きのあまり声が漏れ出た。これは早く皆に伝えなきゃ!

「走り込みの最中すみませーん!一旦ストップして集合してくださーい!!」私の声がけに振り返り、全員集まった。


「皆さんに急遽決まったお知らせがあります。Rock'in Heartのお二人が所属される社のお偉いさん、が今日偵察に来るとたった今メールが入りました!私もいきなりで頭の整理がついてないんですが、今まで通り、いつも通りを心がけ、真面目に取り組めばいいだけです!今日も変わらずよろしくお願いします!」と知らせるとDreaming Makerの8人は実感が湧いていないような驚いているような顔をしていた。そしてRock'in Heartの方に目をやると、灯ちゃんが手を挙げた。

「ん?どうしました灯ちゃん?」「お偉いさんって、もしかしてうちのじいちゃんかな?」「…ん?え?」言葉の意味が理解出来ず、伶奈ちゃんの方に目をやると、なぜか俯いて目を合わせてくれなかった。

「うちのじいちゃん、事務所の偉い人、なんだってよ!多分来るぞ!」…そんなことってあるのか。

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