殺人鬼の子供達
だいぶ休んでしまって申し訳ありませんでした。マイコプラズマにかかっていました(現在進行形
よくなったらまた毎日更新したいのですが更新を休んでいるとなんだかかけなくなってしまいそうなので、かけそうな日は書こうと思います
僕とシトさんとレイミーランコ、そしてフムの体(あーちゃんというらしいは、イアンビリー家へと帰宅した。
「ただい.....」
レイミーが扉を開けて一番に家へと足を踏み入れる。
「まって、何か....おかしい」
そして立ち止まり、シッと口に手を当てて僕達を止めた。
「何だ?どうしたんだ?」
僕がレイミーの後ろから顔を出す。
「血の匂い」
シトさんが、スンスンと鼻を動かし不愉快な顔をした。
「血の匂い.....って、本当?シトさん」
シトさんをみると彼は眉をひそめ頷いた。
「何だかとても静かですし、様子がおかしいわ」
ランコが鼻をつまんで僕の袖も掴む。
「ますたぁ、何だかこの先、きけんなきがします」
あーちゃんは無表情にいうが、シトさんの服の袖を掴んで後ろに引っ張る。
「何だかよくわからないが、とりあえず行ってみるよ。ボクが見てこよう」
レイミーが一歩足を踏み入れた。
「いや、待って、女の子だけで行くのは危ないよ僕も行こう」
僕は、レイミーについて前に出た。
「じゃあ私も行く」
ランコも僕について前に出た。
そして結局全員でイアンビリー家に入ることになったのだが、辺りを見回しても音一つしないし、シトさんの言っていた(血の匂い)らしいけど、変な匂いがするし、とにかく不気味だった。
「とりあえずまずは地下室だ。フムちゃんの脳と体を早く融合させないと」
レイミーについて地下室に向かう。
「僕が開けよう」
レイミーは女の子だし、こういうのは男である僕が前に出るべきだ。
祖父にもそう教わった。
「いや、いいぞ。アーサー」
「いいんだよ」
そう言って、そうっと地下室の扉を開ける。
隙間から見えた光景を見て僕はすぐさま扉を閉め、その場にうずくまった。
「な、なんだ、なんだよあれ...」
「何が見えたんだ?」
シトさんにいわれ、僕は震えながら見たものを答えた。
「し、死体....だ」
隙間から見えたのは沢山の死体だった。
原型がわからないほどぐちゃぐちゃにされた死体、血、死体。
なんだよあれ......。
「.....本当かアーサー」
レイミーは、恐怖に目を見開き僕を見た。
ランコは震えて口を押さえていた。
「俺が開けよう。お前達は下がっていろ」
シトさんが、僕を立たせ、扉を開けて中に入っていった。
それにあーちゃんも続いて行く。
「シトさん!」
僕は初めて見た死体や大量の血に恐怖で足が上手く動かなかった。
「アーサー、大丈夫?」
ランコが僕に肩を貸してくれ、何とか歩く事ができた。
レイミーが扉を開け、中を見ると先ほど見た死体の山が広がっていた。
「何だよこれは!!!」
レイミーが大声をあげ、顔を覆った。
ランコは僕の隣で震えているのがわかった。
「これ....おと.....さまたち」
ランコが震えながら呟いた。
「......確かに、そうだ。この割れたサングラスや服装から察するに、これは....」
レイミーが口を押さえ、僕達の前を恐る恐る歩きながらその先を口にする。
「殺されているのはハゲのおっさんと、その仲間達に間違いない」
部屋も酷く荒らされていて、泥棒が入ったみたいだった。
でも、泥棒が入ってばれて殺した、にしてはかなり酷い殺し方だ。
解剖してるみたいにぐちゃぐちゃにされていた。
「そ、そういえば警察は呼ばなくていいのか?」
泥棒で僕はふと思い出した。
救急車なんかは呼ぶ必要がないのは言わずもがなだったし。
「フムちゃんを体と脳で融合させてからだな。じゃないとここは封鎖されるだろう」
レイミーは苦しそうにできるだけ死体を見ないように進んで行く。
「コンピューター室だ....先ほどから兄貴が見当たらなかったが、先にコンピューター室に来ているのだろうか?」
レイミーが、恐る恐るコンピューター室に手をかける。
「犯人が隠れているかもしれない、僕が開けようか?」
「いや、大丈夫だ。大丈夫。お姉さんが開けよう」
レイミーがごくりと息をのみドアノブに手をかけ、扉を開く。
ガチャリと重い音がし、まず隙間から扉の中にはシトさんと、あーちゃんが見えた。
「お前.....がやったのか?」
シトさんが、明らかに動揺した様子で話していた。
もしかしてこの中には犯人がいるのか?
扉が開かれ、シトさんと話している犯人が見えた。
それは、複数の僕と同じくらいの男の子や女の子達だった。
ボロボロの服には返り血がつき、刃物を握りしめている子もいたので犯人であるのはほぼ間違いがないだろう。
そして、彼女、彼らの肌は繋ぎ合わせたように縫い目があり、ゾンビのように顔色が悪かった。
ただの人間でないのは明らかだった。
彼女らは今まさにフムの脳のデータの入った大きなコンピューターを大きなハンマーで壊そうとしているところだった。
「待て、やめろ!ロックはかけたが、コンピューターごと壊されたら...」
レイミーが叫んだ。
何人もいる僕と同い年くらいの殺人鬼達。
とても僕らじゃどうにもできないだろう。
だが、コンピューターを壊されるのだけは困る。
「君達の目的はなんなんだ、そ、そりゃおっさん達は悪い奴だと思うよ。き、きっと恨みもかってるんだろう。でもあんな殺し方する事もないだろう?」
僕は、説得を試みたが怖くて上手く言葉が出てこないし、なんだか変な事を言ってしまう。僕はただコンピューターを壊さないで僕達を殺さないでと説得したかっただけなのに!命乞いも。
「これ以上何もしなければ手荒な真似はしないから、大人しく...」
「お前達.......お前達...は」
シトさんは、涙を流していた。
「ますたぁ?」
あーちゃんが、不思議そうにシトさんを見る。
「うー.....」
殺人鬼の中の一人、黒髪のツインテールの女の子がシトさんの方をゆっくり振り返る。
「ニーナ.....皆...病院の..こんなところにこんな姿で....再会するなんて...」
シトさんが涙を流しながらゆっくり彼らに近づいていった。
「まさか.....知り合いなの?シトさん」
今回も読んでくださって本当にありがとうございます。
皆さん、マイコプラズマには気をつけてくださいね。
マイコは私の体が目当てなので心までは売り渡さないように....




