アレルギー様食中毒?
今回は、「こんな言葉もあるよ」っていう紹介。
ちょっとそこのあなた? そう、あなたですよ。今回のタイトルが気になったあなた。
もしかして、『アレルギー様食中毒』なんて言葉、聞いたことないんじゃないですか?
言葉の意味、聞いただけで分かりますか?
分かってる人にこのコラムは必要ありません。分からない人向けに簡潔に書いています。
でも、「一応見ておいてやるか。ダメだししてやる」なんて真っ直ぐな人には是非とも見ておいてほしいです。あなたの知識でこのコラムをより良いものにすることを手伝っていただけたらと思います。
簡単に書いてしまうと、説明が一行で済んでしまうので、ちょっと煽り文をつけてみました。
で、肝腎の説明を早くしろですよね。分かってますって。
『アレルギー様食中毒とは、アレルギー様の食中毒です』
はい、結局もって分からないかと思います。ぼくもこれだけじゃ分かりません。
とりあえず、アレルギーの話でもしましょうか。
アレルギーにはⅠ型からⅣ型、それとⅡ型の亜種のⅤ型がありますが、今回はⅠ型の説明だけ。
Ⅰ型アレルギーというのは即時型とも言いまして、一般に、アレルギーの原因となる物質を摂取してすぐに症状が出ます(二相性の反応といって、もう一度反応が出る場合もありますが、今回は気にしないでください)。アナフィラキシーなんて言葉を聞いたこともあるかと思います。あと、花粉症なんかもこの型ですね。
Ⅰ型は、アレルギーの原因となる物質がマスト細胞(肥満細胞ともいう)上のIgE受容体にくっつくと、マスト細胞から化学伝達物質が放出(脱顆粒)されます。その化学伝達物質のひとつが、たとえばヒスタミンだったりするわけです。IgEというのは、分かりやすい言葉を使えば、抗体の一種です。細胞膜に抗体がくっついていて、アレルギーの元をを認識するわけです。
あとは説明しなくても分かるかと思いたいですね。某鼻炎薬のコマーシャルでは、ヒスタミンはものすごいワルモノですから。
話を戻します。
古くなったサバを食べると……っていう例がよく出るんですが、いわゆる青いお魚にはヒスタミンになる物質がたくさんあるそうです。で、要するにほっとくとどんどんヒスタミンに変わってしまうわけですね。
ここまで言えば分かるでしょう。ヒスタミンがあるということは、要するにアレルギーのような症状を引き起こすわけですよ。これがアレルギー様食中毒というわけです。
ちょっと紛らわしいかもしれませんが、アレルギーとは違いますよ? 細胞から放出されたヒスタミンによる応答ではなくて、食べ物に含まれているヒスタミンによって引き起こされる応答なのです。
以上、『たまに気になる医療用語:アレルギー様食中毒?!』でした。
次回もまた、ごひいきに。
アレルギーの話は、はしょってしまうことにします。またいずれ。