↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

96/448

コンリのライバル

 翌日、タルトは大きな欠伸をして目を覚ました。


「呑気に寝れるの、お前さんは……」


 ずっと起きていたのか、コンリは真っ赤な目でタルトを睨んでこう言った。


「部屋全体に魔法で作ったセンサーがあります。それがあるのでゆっくり寝ればよかったのに」


「そんなもん不安で仕方ない。部屋中に防犯カメラやブザーは付いておるが、機械はどうしてもあてにできん」


「意外と慎重派なんですね」


 タルトはこう言うと、身支度を整えた。コンリも欠伸をしながら起き上がって支度をし、朝食のあるキッチンへ向かった。


「おはようございます。タルトさん」


「おはよう父さん。先に食べてたよ」


「ずっとこのおっさんと一緒だったのね……可哀そう」


 キッチンにはすでにシュウ達が集合していた。タルトとコンリは席に着き、目の前に置かれたパンやスープ、目玉焼きやサラダを食べ始めた。が、コンリは食欲が無いのか、すぐにナイフとフォークを机に置いた。


「食べないんですか?」


「食う気にならん。昨日、命が狙われたんだ」


「毎日狙われてると思ったんですがね」


 クリムはシュウといちゃつきながらこう言った。その後、コンリはよろよろと立ち上がり、秘書に朝の仕事をすると言った。




 コンリが仕事中、シュウ達は仕事の邪魔にならないよう、部屋の外にいた。廊下の前にはクリムとリナサが守っており、シュウとタルトは外で部屋の近くを見回りしていた。


 しばらくすると、クリムとリナサの前に手紙を持った役員が現れた。


「どうかしたのですか?」


「コンリさんあてに手紙ですが……また脅迫文らしくて」


「脅迫文?」


 クリムは手紙を受け取り、内容を呼んだ。


「次の選挙に出たら命がないと思え……ですか。子供らしい嫌がらせですね」


「心当たりはありますか?」


 リナサの質問を聞き、役員ははいと答え、二人に話を始めた。


「証拠はないのですが、コンリさんのライバルであるブランビが怪しいと思います。コンリさんと何度も選挙で争ったのですが、結局コンリさんに票を奪われ落選しています」


「ブランビですか……」


「確か、この人もあまりよくない評判がある政治家ですね」


 クリムは思い出しながらこう言った。この言葉を聞き、役員は頷いて返事をした。


「ブランビはライバルの政治家を暗殺するため、裏ギルドに依頼していると噂があります。昨日起きた騒動も、ブランビの仕業だと思います」


「その辺はスネック辺りから話を聞かないと」


 リナサは携帯を見て口を開いたのだが、誰からも着信は来ていなかった。


「まだ話を聞きだしてないみたい」


「手伝いに行きたいですが、あの変態ロリコンクソ爺を守らなきゃいけませんですし」


「だね」


 二人は会話を終え、再びコンリの守りを続けた。




 コンリのライバルである政治家、ブランビの事務所にて。裏ギルドの団員から話を聞いたブランビは、激高してその団員の顔を蹴っていた。


「全くこの役立たずが‼ あの腐れ野郎の命を奪えなかっただと!?」


「向こうはエイトガーディアンを使い、コンリを守っているようで……我々だけでは対処できません」


「そんなこと知った事か‼ どんな状況でも仕事をこなすのが貴様ら裏ギルドじゃないのか!?」


「いくら裏ギルドと言っても、やれることとやれないことがありますよ」


 そう言った男が、ブランビの足を止めて団員を守った。


「止めるな、まだ腹の虫は収まっていない‼」


「熱くなりやすい人だ。そんなだからコンリに勝てないのでは?」


「うるさい‼ 私に命令するな‼」


 ブランビは男に攻撃しようとしたのだが、突如振り上げた左腕が重くなった。


「な……何だ……」


 腕を見て、ブランビは驚いた。彼の左腕の二の腕付近から手首付近まで、いつの間にか凍り付いていたのだ。


「下手したら割れて左腕がなくなっちゃうぜ」


「ぐ……ぐぅ……」


「落ち着いたら氷を溶かしてやるよ」


 男はこう言って、傷だらけの部下を抱き上げた。


「あ……ありがとうございます、ナフさん」


「なーに、部下を守るのがリーダーの役目だ。我々ライフブレイカーは他の野蛮な裏ギルドとは違って、紳士的であれと心がけているからな」


 ナフは部下を休ませた後、ブランビに近付いて氷を溶かした。


「落ち着いたかい?」


「それなりにな。だが、選挙までもう時間がないんだぞ。どうやってコンリの奴を始末するんだ?」


「手は考えてあります。どの政治家も選挙活動中には、野外で宣伝活動を行います。その隙を狙って……バン‼」


 と、ナフは右手で銃の形を作り、撃たれるような真似をした。それを見てナフは不安げにこう聞いた。


「狙撃するのか。うまく行くのか?」


「ライフブレイカーにも優秀な狙撃手がいます。彼なら一発でコンリの頭に風穴を開けることが可能でしょう」


「エイトガーディアンの連中と戦いになったら?」


「ま、それはその時に考えます。ご安心ください。あなたに雇われたって証拠は一切ないようにしますから」


 そう言って、ナフは部屋から去って行った。緊張感のないナフを見て、ブランビは大丈夫かと心の中で呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。