スケベな政治家の護衛
バカップルがエイトガーディアンに仮入隊して翌日が経過した。朝の支度をし、バカップルはタルトの元へ向かった。
「おはよう。昨日は眠れたかい?」
「うん。質のいいベッドだったから、気持ちよかったよ」
シュウは背伸びをしながらこう言った。そんな中、クリムはタルトが持つ一枚の紙を見てこう聞いた。
「依頼ですか?」
「ああ。政治家のコンリから護衛の依頼なんだが……はぁ」
返事をするタルトの表情はどこか曇っていた。クリムはタルトから依頼表を受け取り、中を見てウェッと声を出した。
「何ですかこの条件?」
「護衛する戦士は皆女性で、十代前半か後半である事。応対がない場合、三日後にこのギルドに来る……か。こいつロリコンなのか?」
シュウはコンリの写真を見て、汚物を見るような目でこう言った。それに対し、タルトはため息を吐いて返事をした。
「ああ……コンリはかなりのスケベでロリコンであると有名だ。政治の腕は大したことないのに。毎回毎回裏のつながりや金の力でいい役を取得している……まぁ真っ黒な政治家だな」
「何でこんな奴の依頼を?」
「金がいいんだとさ。私も依頼を見た時、あまりの酷さに拒否しようとしたのだが……どうやら今日、コンリがこのギルドに来て戦士を指名するらしい」
「指名? ギルドをエッチな店と勘違いしてるんじゃないんですか?」
「だな……。ギルドの役員もこいつがいやで、引き延ばしをしていたのだが……それがどうも効かなくてな」
「何かしたら半殺しにしてもいいですか?」
と、クリムが物騒なことを言ったため、タルトは慌ててクリムを止めた。
「あくまでコンリとは依頼者としての関係だ。ギルドの戦士が護衛対象を半殺しにしたら、それはそれで大問題だ」
「じゃあ、依頼が終わった後でも……」
「それも止めてくれ。もし仮に、今度の選挙でこいつが何かの大臣になり、あれこれ言われたら何もできない」
「チッ、飛んだクソ野郎ですね……」
クリムが舌打ちをしてこう言った直後、サイレンが鳴り響いた。
『エイトガーディアンの女性の皆さん。政治家のコンリ様がお見えになりましたので、ギルド入口に来てください』
サイレンを聞いたタルトは、大きなため息を吐いてこう言った。
「仕方ない、行くとしよう」
数分後、シュウ達はギルドの入口に来ていた。そこには大柄で肥満体の男性が葉巻を吸って座っていた。
「ん? やーっと姿を見せたか」
待ちくたびれたような態度で、肥満体の男性は立ち上がった。そして、クリム達女性陣の顔をまじまじと見つめた。
「この子達がエイトガーディアンなのか?」
「はい。しかし、依頼に出せる戦士は4人までです。そのうちの一人は私となりますのでご了承ください」
タルトの言葉を聞き、コンリははぁ!?と叫んだ後、問い詰めた。
「何でお前みたいなおっさんが私の護衛に参加するんだ!?」
「これでもエイトガーディアンのリーダーでして、政治家みたいな重役の護衛には必ず出るように言われてるのです」
「言われてるのです? ルールなんて破ればいいじゃないか」
「それが政治家の言うセリフですか?」
タルトの反論を喰らい、コンリは舌打ちをして再びクリム達を見つめた。
「いい子がいるのぉ……エイトガーディアンにもかわいい子がいるもんじゃ」
下品な顔で見られたせいか、クリムは嫌そうな顔をして横にいるシュウにこう言った。
「なんだか……お気に入りにされたみたいです。ぶっちゃけ嫌です」
「俺も女性だったら、同じ気持ちだ」
「よし決めた‼ 私の護衛は君と君、そして君じゃ‼」
コンリが指名したのは、クリムとリナサとナギだった。だが、その瞬間にシュウが銃を抜いてコンリの額に突き付けた。
「俺のクリムに手を出すな」
「ヒィィィィィィ!?」
すぐさまコンリの護衛がシュウに銃を突きつけたが、シュウを守るかのようにクリムがバリアを張った。
「私の先輩に手を出さないでください」
「バリアか。これじゃあ撃てない」
護衛はそう言って、すぐに銃をしまった。だが、コンリは慌てた声で護衛にこう叫んだ。
「おい馬鹿‼ 諦めるな、その坊主に銃を突きつけろ‼」
「だってバリアが張られてますもん」
「あんたが給料を上げてくれたらやるけどさー」
「そんな理由で給料を上げてたまるか‼ 貴様らは私の部下だ‼ 部下は部下らしく私の命令に従え‼」
「嫌です」
この会話を聞き、フィアットは笑いながらこう言った。
「あんた人望無くなーい?」
「黙ってくれないか? 私もそのことは十分周知している」
「おいロリコンデブ爺。どうしてもクリムを護衛にしたかったら、俺も連れてけ。だったらこの銃を下ろしてやる」
と、シュウが低い声でこう言った。この言葉を聞き、コンリは慌ててシュウを護衛にすると叫んだ。
「それならいいんだ。最初からそうしていればこんな目に合わずに済んだんだ」
シュウは銃をしまいながらこう言った。というわけで、今回の依頼のメンバーはシュウ、クリム、タルト、リナサになった。
「では行ってくる」
「リナサちゃん、クリムちゃん。変態に気を付けてねー」
と、フィアットの声を聞きながら、シュウ達は用意された車へ向かった。




