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最強の壁

 ボックスアーマーを見に付けたグルザークは、不敵な笑みでシュウ達を見ていた。


「何がボックスアーマーだ? そんなもん俺がぶっ壊してやるよ!」


 銃剣を構えたスネックが弾丸を撃ち始めたが、ボックスアーマーに当たった際に弾かれ、床に落ちて行った。


「う……嘘だろ……」


「本当さ。この鎧はこの世で一番固い鉱物とされているカッテ鉄を使っているんだ」


「そんなもん付けたら、遅くなるんじゃねーか?」


 そうボーノは呟いた。しかし、グルザークは俊敏な動きでスネックに近付いた。


「なっ!?」


「魔力を使えば、重い鎧でも問題なく動ける」


「クソッたれが‼」


 グルザークは剣を持ち、スネックに斬りかかっていた。その攻撃をスネックは銃剣で防御しようとしたのだが、銃剣ごとスネックは斬られてしまった。


「マジかよ……」


「愛する武器と共に死ね」


「させっかよ‼」


 ボーノが魔力を込めてグルザークに攻撃をした。しかし、魔力を込めた攻撃でもボックスアーマーには傷が付かなかった。


「無駄だって言ってるだろ?」


 グルザークはボーノの方を向き、裏拳で攻撃した。ボーノは攻撃を受けたが、攻撃後の隙を狙って傷ついたスネックを救出していた。


「それが狙いか……」


 後ろに下がったボーノを見て、グルザークは残念そうに言葉を吐いた。そんな中、クリムはスネックに近付いて治療をしていた。


「傷は浅いです。気を持ってください‼」


「ああ……だが……」


 スネックは真っ二つになった銃剣を見て、舌打ちをした。


「俺のせいで、こんなになっちまってな……」


「とりあえずお前はここで休んでろ。シュウ、援護を頼む」


 と、ボーノはこう言った。言葉を聞き、シュウは慌ててボーノに尋ねた。


「あの、何か攻略法を掴んだんですか?」


「まだだ。とにかく奴の動きを見て、そこから考える」


 シュウに答えた後、ボーノは魔力を開放し、炎を纏ってグルザークに接近した。その後、ボーノは踊るようにグルザークを翻弄していった。


「厄介な奴め」


 予想の付かない行動をするボーノを見て、グルザークは舌打ちをした。そんな中、ボーノが放つ炎がボックスアーマーに命中した。


「炎でも効果はないぞ、この鎧は無敵だ‼」


 勝ち誇ったかのように、グルザークはこう叫んだ。しかし、クリムは見逃さなかった。炎の攻撃を喰らった際、グルザークは一瞬だけ苦しそうな顔をしたのを。




 ハチェーズTVの外。そこではシュガー達が解放された人質達を保護していた。時折、中に入ったタルトとフィアットが倒した団員を連れ、外に戻って来ていた。


「団員を確保してくれ」


「分かりました」


 ミゼリーはタルトが捕らえた団員を確保していると、タルトの携帯が鳴った。


「もしもし?」


『私です、お義父様‼』


 電話の相手はクリムだった。クリムの慌てた声を聞き、シュガーとミゼリーは何かあったのかと思った。


「何かあったのか?」


『今、私達は野獣の咆哮のボスと戦っています。その時、スネックさんが倒されました』


「何だって!? スネックがやられた!?」


 タルトの叫び声を聞き、フィアットは驚いてハチェーズTVから戻ってきた。


「嘘でしょ!? あのバトルバカがやられたの!?」


『はい。傷は浅いものの、スネックさんの武器が破壊されました』


「そうか……場所は分かるか? 今すぐこっちに向かう」


『場所は最上階付近です。それと、テレビで戦いの様子が生放送で映ってると思います』


 この言葉を聞き、フィアットは携帯でテレビを映した。その映像を見て、フィアットは慌てて携帯をタルトに見せた。


「あいつらの仕業か」


『はい。お義父様、後でスネックさんの保護をお願いします。あいつは私が倒しますので。では、失礼します』


 と言って、クリムの電話は切れた。タルトは携帯をしまい、フィアットの方を見てこう告げた。


「私は最上階へ行く。フィアットは引き続き団員の撃破と人質の確保を」


「分かりました‼」


 話を終え、二人はハチェーズTVへ戻って行った。




 電話を終え、クリムはスネックにこう言った。


「そろそろ治ったと思います」


「ああ、さっきよりは楽になったし、血も出なくなった。これで武器が元通りになればいいんだけどな」


「それは武器屋さんにお願いしてください。さて、そろそろ奴との戦いを終わらせてきます」


 そう言って立ち上がったクリムを見て、スネックは慌ててこう言った。


「終わらせるって、あの鎧をどうにかする方法を思いついたのかよ?」


「はい。見てれば分かります」


 その一方で、グルザークと戦い続けているボーノに疲れの色が見えてきた。発している炎も勢いが弱くなり、動きも鈍くなっている。


「そろそろ限界かね?」


「うるせー奴だな」


 強がりを言うボーノに対し、グルザークは剣を振り下ろした。だが、シュウが剣の鍔部分に銃を撃ち、攻撃を止めた。


「腕のいいガンマンだ。君から殺せばよかった」


「俺を殺したらクリムがブチ切れるぜ」


「問題ない。君の彼女もあの世へ送ってあげるから」


「それは結構です」


 と、クリムが魔力を開放してこう言った。


「ボーノさん、少し休んでてください。後は私がやります‼」


「おいおい、あいつの攻略法がまだないけど」


「いえ、ボックスアーマーの弱点を見つけました」


 クリムの言葉を聞き、グルザークは見下すように笑みを見せた、

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