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シュウ対電撃の弾丸

 先に階段に上がっているバカップルは、次々と襲ってくる団員を倒していた。


「全く、まだいるんですかね?」


「かもな。それとも、逃げてる途中で俺達と遭遇したんだろう」


 そんな会話をしていると、階段の終わりが見えた。


「最上階……ここから魔力の気配を感じます」


「ボスがいるかもな。行くぞ」


「はい」


 バカップルは先へ急ぎ、目の前の扉を同時に蹴り飛ばした。部屋の中にいたのは、黒いソファーに座っている男と、茶色いスーツを着ている男だった。


「品がないな君達は」


「ど田舎のギルドの連中に品質なんてないんでしょう」


「マフィア共に品質についてあーだこーだ言われたくねーな」


「大人しく捕まりなさい」


 バカップルは各々の武器を向け、二人の男にこう言った。しかし、茶色いスーツの男がシュウに飛びかかった。


「先輩‼」


「大丈夫だクリム。こいつは俺がやる」


「なめてもらっちゃあ困るな坊主‼」


「確実に仕留めろよスパル。では……賢者様の相手はイステッドブラッドのボスである、この私がするとしよう」


「分かりました。ボス、ディアボ‼」


 この言葉の直後、クリムは巨大な火炎球をディアボに向けて放った。しかし、火炎玉はディアボに当たる直前に消えてしまった。


「ほう。これで俺のビルを木端微塵にしたのか」


 小さく笑いながら、ディアボはこう言った。その笑みを見て、クリムは察していた。こいつはかなり強い奴だと。




 シュウとスパルは部屋の外に出て、撃ち合いをしていた。シュウは物陰に隠れながらスパルの様子を見ていたのだが、シュウが隠れている壁に弾丸が当たり、弾痕が出来た。


 奴はスナイパーライフル持ちか。


 敵の武器を把握したシュウは、すぐにライフルに持ち替え、様子を伺った。すぐにでも奴を倒してクリムの事を助けに行きたいと考えているシュウだったが、敵がスナイパーだと知り、それが無理だと察知した。


 相手の出方を把握しようと思い、シュウは近くにあった大きなコンクリートの破片を投げた。すると、物凄い速さで弾丸が飛んできた。その弾丸を見て、シュウはある事を察した。


 あの弾丸に魔力が纏われている。


 シュウの予想通り、スパルの弾丸には魔力が使われていた。属性は雷であることも、弾丸とのすれ違いの時に把握した。


 こりゃ戦いが長引きそうだとシュウが思った時、離れた所から発砲音が響いた。それからすぐに弾丸が壁を貫いて飛んできた。


「クッ‼」


 間一髪シュウは弾丸をかわしたが、左腕にかすったのか、少し血が流れていた。


「かすったか……」


 シュウはすぐに簡易的に手当てをし、相手の様子を調べ始めた。すると、足音が徐々に聞こえてきた。

奴は自分を倒したつもりなのか?


 シュウはそう考えた時、あるアイデアが浮かんだ。うまくいけば、相手を倒せるかもしれないのだ。その直後、シュウはうずくまるように地面に倒れた。数秒後、シュウの様子を伺いにスパルがやって来た。


「うし、倒したみたいだな」


 倒れたふりをしているシュウを見て、スパルはこう言った。この声を聞き、シュウは策にはまったなと心の中で思った。だが、スパルはじーっと倒れているシュウを見ていた。


「……俺はそこまで馬鹿じゃねーぞ」


 そう言って、ライフルを構えようとした。だがその前に、シュウが手にしていたリボルバーが先に動いていた。リボルバーから発射された弾丸はスパルが持つライフルの銃口に命中。その結果、スパルのライフルは爆発を起こした。


「んなっ!?」


「あんたの負けだ」


 と言って、シュウはリボルバーの銃口をスパルに向けた。それを見て、スパルは不敵に笑った。


「お前分からないのか? 俺は魔法を使えるんだぜ?」


 スパルの全身には、青く光っている雷が現れた。それを見て、シュウは表情を変えずに言葉を返した。


「知ってるよ。それが何か?」


「分からねーガキだな。このままだとお前は感電してくたばるぞ‼」


「やってみれば」


 挑発的なシュウの態度に腹が立ち、スパルは苛立ちながら叫んだ。


「お前を黒焦げにしてやる‼ 後悔しても遅いぞ‼」


 スパルの両手から、巨大な電撃がシュウに向かって襲ってきた。それに対し、シュウはリボルバーを構え、発砲した。


「撃ったか‼ 立った一発だけで俺の電撃が返せるとで……」


 スパルの叫びの途中、二発目の発砲音が聞こえた。一体何を考えているんだとスパルは思った。そう思った時、自分が放った電撃をかき分けながら、一発目の弾丸が目の前に迫っていた。しかし、途中で勢いを無くしたのか、弾丸は足元に落ちた。


 ざまあみろ。


 心の中でスパルはこう呟いた。だが、彼の右肩に激痛が走った。


「ギャアアアアアアアアアアアア!?」


 この時、何で撃たれたのかスパルは気付かなかった。撃たれた後で、スパルは二発目の発砲音の事を思い出した。その時、スパルは察した。一発目は電撃をかき分けるため。二発目は自分にダメージを与えるためだと。


「骨を貫通していると思う。もうあんたは戦えないだろう」


 シュウはリボルバーをスパルの左肩に向け、こう言った。


「大人しく降参した方が身のためだぞ」


「……チッ」


 その後、スパルは大人しくシュウの言葉に従った。シュウはスパルの体を身動きできないようにした後、急いでクリムの元へ向かった。

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