私の魔法属性はとんでもないものでした
ミーナが部屋を飛び出していくのを私は呆然と見ていた。
(・・・ミーナ・・・慌てすぎよ・・・ふむ。火は危ないから別のも試してみようかしら?)
『ショウメイ』
ぼんやりと光が灯り、部屋の中を明るくした。
「おぉ~。私、父様と母様の属性を受け継いでいるのかしら?・・・まさかとは思うけど・・・」
『ソヨカゼ』
そよそよと風が吹いた。
「きゃ~っ!!マジで!?」
「「ユーリ!?」」
バタンっと扉を勢い良く開けて両親が部屋に飛び込んできた。
「父様!母様!私、魔法が使えるわっ!!!」
「「っ!!??」」
「今の所、試してみたのは、火・光・風だけよ?でも、父様と母様の属性を考えると、雷も使えそうなんだけど・・・明日、試してみても良いかしら?」
「「3・・・属性?え?・・・ユーリ本当に??」」
「えぇ!!本当よ!だから、明日試してみたいの。父様母様!お願い!!良いでしょう?」
「ふむ・・・良いだろう。明日、どの属性が備わっているのか確かめよう」
「そうですわね。属性をいくつ持っているかによって魔法の勉強にかかる時間が異なりますもの。教師が必要になるのか、私たちだけでも良いのかも今の段階ではわかりませんもの。」
「ありがとうっ!!父様!母様!」
翌朝、私は魔法の訓練場にいた。
訓練場といってもとても広い体育館の様な場だ。
「じゃあ、試してみるわね?」
「あぁ。気をつけるんだよ。」
「無理はしないでね?」
「は~い」
(う~ん・・・最初は何からにしようかしら・・・?昨晩、確認できた属性からにしようかしら・・・)
『カキュウ』
ボウっと火の球ができた。
「「っ!!」」
母様と弟の息を呑む音が聞こえた。
(う~ん・・・次は・・・っと)
『ツムジカゼ』
小さな竜巻が起こった。
「「っ!!」」
今度は父様と兄様の息を呑む音が聞こえた。
「父様~!明かりを落として~」
「・・・っあぁ。明かりを落としてくれ」
手を上げて合図を送ると窓にカーテンが引かれた。
『ショウメイ』
ボンヤリと明かりが灯り室内を照らした。
「「「「っ!!!!」」」」
「父様~次は雷にしてみるわ~」
「あ・・・あぁ。分かったよ。」
『ショウライ』
バチっと火花が散る。
「やったわ!!父様~母様~できたわ!!」
「「・・・」」
「じゃあ、次は・・・っと」
『スイキュウ』
パシャっと顔の大きさ位の水の球ができ、目の前に浮いている。
「おぉ~。やったわ!え~っと・・・次は・・・」
「ま、待ちなさいユーリ」
「どうしたの?父様?」
呆然としていた家族の中で、衝撃から立ち直った父が声をかけてきた。
「・・・ユーリ・・・お前は今の段階でいくつの属性の魔法を使ったかわかるか?」
「え・・・っと・・・あれ?5・・・属性の魔法使ってる・・・」
「そうだ。それがどういう事か分かるか?」
「え・・・っと。王族でも多くて3属性だから・・・それよりも多い属性持ちになるって事?」
「そうだ・・・稀少な3属性持ちよりも、多く属性を持っている。その稀少な3属性持ちだって王宮魔術師団の団長クラスだ。」
「え・・・って事は私・・・魔術師団に入らないといけなくなるの?」
「常識的に言えばそうなるかもしれんが、お前は公爵令嬢だ。国王も無理にとは言わないと思うが・・・それよりも、神殿が何か言ってくるかもしれん・・・」
「・・・」
私、どうなってしまうんだろう・・・