いちな、王宮に囲われる? 2
次の日、いちなはミリーが用意してくれた朝食を食べた後何もすることがないのでボーッと窓の外を眺めていると
「タカハシ様、今日から身の回りのお世話を担当することになった者を紹介してもよろしいでしょうか?」
とミリーに言われたので、どうぞといちなは返した。
ドアから入ってきた女性二人は…
「ニーナさん!ジーナさん!」
初めてこちらの世界にきてお世話になった二人だった。
「はい、タカハシ様とお知り合いと聞きまして訪問者の館から移動してもらいました」
ミリーは嬉しそうに説明した。
ニーナとジーナはソワソワしながら、しかし、職務を全うしようと真面目な表情で待機している。
「既に二人には細かい指示を出しております。また、何か困ったことがあるときは私を読んでくだされば対応させていただきます。それでは、私はこれで失礼します。」
「イーデンさん、ありがとうございました」
いちなはお辞儀をしながらミリーにお礼を言った。
ミリーはニコリと笑うとそのままいちなの部屋を出て行った。
いちな、ニーナ、ジーナの三人になる。一瞬静かになるが
「キャ~」
と三人が手を握りあって久しぶりの再開を喜んだ。
「いちな様、お久しぶりです」
ニーナはおっとりと再開を喜び
「いちな様、その…色々すみませんでした」
ジーナは困った表情をしながらいちなに話しかけた。
いちなは、ルビーの林檎亭での出来事をどこまで話していいのか分からなかったので
「ジーナさんが落ち込むことじゃないですよ」
とだけ伝えた。
そして、いちなは二人にソファーに座る様に言うと二人とも遠慮していたがどうしてもお願いと言われたので今日だけですよ。とニーナに言われてようやく座ってもらえた。
「二人は、私の事何か聞いてる?」
いちなは、一番知りたかった事を二人に聞く。
「もちろん、話せる内容だけでいいから教えてほしいの」
ニーナとジーナは目を合わせると。ニーナが説明しだした。
「昨日の午後に突然辞令がきまして、いちな様の対応をするように言われました。内容としては訪問者の館と同じですね。主に身の回りの対応です」
続いてジーナも話し出す。
「ルーク王子が私達といちな様が仲が良いという事を知ったらしくてこのような対応になりました。しかし、訪問者の館と今ではその…いちな様への対応のレベルが違いまして」
ジーナは話しづらそうだった。
「レベルが違うの?」
少し意味が分からなかったので確認してみた。
今度はニーナが答える。
「そうですね。これは、秘密なのですがいちな様を保護するようにと上層部からの指示があるようです。ですので、いちな様が移動する際には…」
とニーナが話を続けようとした時、ノック音が聞こえる。
二人は直ぐにソファーから立ち上がり、ドアの前に立つ
「どちら様でしょうか?」
ニーナが訪問者の名前を聞いた。
「陸軍のナルヒト・マジマです。」
「えっ?なる先輩?」
いちなの態度で入室しても良いと判断したニーナがドアを開ける。
ドアから顔をひょこっとのぞかせた真島がいちなを見つけると
「よっ!」
といいながら部屋に入ってきた。
いちなは立ち上がって、真島に近づく
「なる先輩どうしたんですか?ってよくここにたどり着きましたね?」
真島は笑いながら
「実は、いちなちゃんの護衛をすることになったんだよ~」
と言い出した。
「えっ?でも、なる先輩学校に行く必要があるんじゃないですか?」
「うん、そうだね~。でも、上からの指示だからね。こっちが優先かな」
「ほぇ~」
急展開で頭の処理が追いつかないいちな。でも、真島はグレーの制服ではなくブラウンの軍服を着用している。本当にお仕事でこちらに来たみたいだった。
「なんだか心強いですね」
と笑いながら言ういちなの頭をグシャりとなでると
「俺が守ってあげるから、心配するなよ~」
そう言うと、真島はニーナとドアの近くで軽く打ち合わせをしだした。
「まじか、なる先輩まで動員させてしまった」
王族ってスゲーなと感心しているいちなに
「真島さんといちな様って恋人なんですか?」
とニヤニヤしながらジーナが聞いてきた。
「そんなんじゃ、ないよ~。強いて言えば同郷ってやつかな」
いちなは、真島の後ろ姿を見ながらそう答えていた。
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