いちな、ロスト居住区へ行く! 2
ロスト 高橋いちな
ロスト対策室 室長 ローラ・タイラー 室長補佐 マーク・パイク
「じゃあ、さっそくロストの方々が住んでいる区域に行きますか。マーク、車の運転お願いね。私はいちなさんと後部座席に乗るから」
と言いながら、車のキーをマークにポイッと渡すといちなと一緒に歩き出した。
「室長って方すごいですね。あの車のカギをあんなに乱雑に扱うなんて」
「そうですよね。役所は5台しか所有していないのに…。今日はロストさんのお迎えだから申請がかなり楽だったんですよ」
キールとマークが軽く会話をしてると
「早くドア開けてぇ~」とローラの怒りの声が聞こえてきた
「すみません、これで失礼します。またいちな嬢をここまで送っていくので引き渡しよろしくお願いします」
「了解しました。」
マークは言い終えると駆け足で車の所へ向かった。
二人が乗ってきた車は軽自動車ぐらいの大きさだった。ガソリン車ではなく電気自動車並みの静かさで公園で乗ったカートと全然違うので驚いた。
そして、車から外を見ると
「ばっ馬車が並走してますよ!」
隣のレーンには普通に馬車で移動している人々がいたのだった。
ローラは笑いながら
「基本的には馬車移動かな。車は普及台数が少ないしね。所有しているのは、王家と各役所と軍部と…え~と後は、かなりお金持ちの人ぐらいかな」
「そうなんですね。ここまで完成度が高ければ量産できそうですけどね」
「多分、作ろうと思えばそこらへんの山をまっ平にして工場を作ればできると思うけど、その土地の所有者が『人間』とは限らないのよね。」
いちながローラの言葉の意図をいまいち理解しかねていると
「エルフとかドワーフとか精霊とか多種族のエリアに侵入しちゃうと色々揉めるんですよね」とマークが補足してくれた。
「存在するんですね。多種族って」
「まあそこらへんはおいおい学んでいってもらえればそんなに難しい話じゃないから。でも、理解しておいてもらわないとちょっと大変かもね」
ローラとマークの三人で話ながら移動していると今日の目的地に到着した。
目的地に着くと、マークさんは車を車庫に戻しに行くと言って一度別れることになった。ローラに連れてこられたロスト居住区域は…
「えっ?これって商店街?」
ロスト居住区域全体にアーチ状の屋根に覆われていて入り口には「ようこそ!ロスト・ストリートヘ!」と大きく書かれている横断幕みたいなものが掲げられていた。
「すごいでしょ!!雨の日もお買い物がしやすくてこの屋根私好きなんだー」
ローラは今にもお買い物をしそうな雰囲気を醸し出す。
「お昼休みに久しぶりにここでランチ食べよう!」
いぇーい!とはしゃぎながらロスト・ストリートに入っていった。
ローラさん、本当に私を案内してくれるのかな。一人でショッピングに行ってしまいそうなんだけど…。
ローラさんは自分でもテンションが上がりすぎている事に気が付き少し恥ずかしくなったみたいでコホンと咳ばらいをしてから説明に入った。
「ここは、ロスト・ストリートと呼ばれていますが初めてロストされた人が住み始めた場所です。いちなさんも商店街みたいと言っていたように、飲食・販売・簡単な製造が行われています。ここに住みながら公的機関に働きにでている方もいらっしゃいます。もちろん、現地の方も住んでいますよ。ロストの方と一緒に住んでお子さんがいらっしゃる方もいます。ただ、軍部へ行ってる方はいないですね。戦うことが苦手みたいです。」
ローラさんの説明を受けながら商店街を歩いていった。
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