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結局腕力が元を言う

タマモVS山賊のお頭戦です

タマモと盗賊の頭の男との戦いはタマモの先手から始まった

1歩で距離を詰めると、その頭を掴みにいくタマモに対して、盗賊の男は一歩大きく飛びのいて距離を取り、追撃しようとするタマモに対して、長剣を薙ぐ事で足止めをする

追撃を止められたタマモは足元の石を顔目掛けて蹴り上げるが、その一瞬の停止を逆手に取られ、剣の間合いまで詰められると三度の突きを放たれるがこれを僅かな体の動きで回避、お返しに腹に前蹴りを放つがこれも剣で受け止められると盗賊の男は吹っ飛び、再び距離が離れる


「おいおい、なんで切れてねえんだよ」盗賊の男はタマモの蹴りを受ける際に刃を立てて剣で受けたにも関わらず、血の一滴も出ないタマモを見て呆れたように吐き捨てる

「お主の使っていた武器が安物じゃからじゃろう?」

タマモはそう言って笑うと盗賊の男に向けて右手を向けるとさっさとこいと挑発をする

その挑発に乗ったわけではないが、元より攻撃的な戦法を得意としていた盗賊の男は深呼吸を一つするとタマモに向かって駆けだす

ここまでの戦いで純粋な動きの速さでは自分の方が上だと理解した盗賊の男はフェイントと揺さぶりを入れる事で隙を作ることにした

と言っても無駄に動きまわればスタミナが切れるため、体を小刻みに揺することで相手の動きを誘導し、隙を作ろうとするもうまくいかず、膠着状態に陥る


「お主中々強いのぅ、お主なら冒険者でもやっていけただろうに、何故盗賊等に身をやつしたのじゃ?」

タマモは心底不思議そうに尋ねるが、盗賊の男からすれば、答えるほどの事ではない

「実力があるからこそ、盗賊をやってるのだよ、冒険者等、国の犬だ、少し悪行を行えば注意を受け、ひどい時には討伐の為に上位ランクの冒険者を送られる、くだらなかろう?」

冒険者とは、誰にでもなれる仕事だ、それ故に扱いも悪い

冒険者ギルドは国ともある程度の関係がある為に素行の悪い冒険者は注意し、それでも駄目ならギルドの監視下に送られるか、殺されるのだ

「変に実力がある冒険者よりも、従順で弱い冒険者が冒険者ギルドの求める人材なのさ、俺みたいに実力があって素行の悪い奴は殺されちまう」

毎年、何千人という新人冒険者が生まれるのだから、扱いにくい冒険者を捨てるのは当たり前だとでもいうように、冒険者ギルドはシビアなところである

過去には最高ランクであるAランクに上がった冒険者ですら、貴族相手に無礼を働いたという理由で騎士を送られ殺されたことがある

「そんなところにいつまでもいるなんて馬鹿か、無力な人間だけよ」

自分は違う、自分は冒険者ギルド等で使いつぶされる人間ではない、そう思っていたら気が合う仲間が増えて気が付けば盗賊団を率いる立場になっていた

最初は無理だと思っていた、この国は盗賊を厳しく罰する、だが一度だけやってみようという仲間の言葉に流されてみれば、気づけば冒険者をやっていた時が馬鹿らしく思えるほどの金が転がり込んでいた


「なんじゃ、まるでお主、自分が強者であるかのような語り口じゃな?」

自分の成功に思いをはせていた盗賊の男はタマモの言葉にはっと我に返り、そして睨みつける

「お笑いではないか、騎士団どころか、騎士が一人でも派遣されれば全滅するようなちんけな盗賊団ごときが、まるで自分は上位者だとでもいうような態度、正直興ざめじゃよ」

タマモは閉まっていた扇を取り出すと、はぁーっと深いため息をつき、つまらない物を見るように盗賊の男を見た

「強いつもりじゃねえ、強いんだよ、そして、確かに今は騎士にも劣るかもしれねえが、それも今少しの間だけだ、俺なら越えられる、俺ならこの国最強とか呼ばれてる騎士団長だって越えられるんだよ!」

ハァハァと荒い息をつきながらギラギラとした目でタマモを睨みつける盗賊の男とそれをつまらない物を見るように見下すタマモ


「無理じゃよ、お主では強くなれない、お主の強さの限界はそこじゃ、楽な方に楽な方に流される人間が何かの為に強くなり続ける人間に追いつけるはず等なかろう?」

寝言は寝ているときに言うのじゃというタマモの言葉にはじかれた様に盗賊の男は雄たけびを上げながら走りより、上段から一刀のもとに斬り捨てようと剣を振り下ろすが

「せめて、現実を見ずに夢の中で死ぬがよい」

タマモはその攻撃を左手の甲で弾くと、その衝撃で剣は砕け、茫然とする男の腹にタマモの手がそっと置かれ「透気掌」とスキルを発動させるとまるで巨人の手で殴られた様にぶっ飛ぶと洞窟の壁にめり込む

洞窟の壁に深々とめり込んだ盗賊の男を見たタマモは満足そうに頷くと


「うむうむ、中々よい運動になったのじゃ、感謝するぞ」

そういって、他の仲間達が戦っているところへとゆっくりと移動するのだった


うわぁ、タマモ強い

この世界の冒険者はあまり強くないし、権力みたいなのもないです、どっちかというと騎士の下部組織と言った感じですね

なので、実力が付けば騎士として王国に仕えたり、貴族に仕えたりできます

逆にその2つを断ったうえに権力者に逆らったりすると、国から危険因子とみなされて暗殺されます

封建社会だからね、しかたないね


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