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大樹の元に~前提条件が壊れた結果  作者:


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15_入寮準備

王立学園は全寮制、王族だろうと高位貴族だろうと寮に入る。

そして寮は男女別、さらに3種類に分かれる。

一つは一般寮、この寮が一番大きく平民、下級貴族が暮らす。

次は高位貴族向け、ここに入るのは原則伯爵以降の高位貴族で、従者を連れて入ることが出来る。

平民でも王家の御用達等、商会運営などで従者を必要とする場合は申請に通れば入ることが出来る。

最後は特待クラス向け、ここは各学年の特待クラス所属しか入れない。

王族などはここで暮らす。

逆に特待クラスに所属すると問答無用でここに入れられる。

寮費は高位貴族向けでは部屋の広さや設備、同行する従者の人数によって大きく値段が変わる。

一般寮では多少の差はあるけれど、大きな値段の差は無い。


サーシャの場合

入学前の必要事項を見てサーシャは叫んだ。

「えっ、淑女科の場合、ドレスが最低5着必要なの!?」

手元にあるドレスはディとナイトの1着ずつ。

どちらも入学試験の実技で使ったものだ。

一緒に準備を進めていた母は

「作る?お金なら何とかするけど。」

ネロ領は辺境で貧乏と思われているが実は資金源となるものは多い。

倉庫にある素材を幾つか処分すればドレスの1着や2着、10着作ってもお釣りはくるだろう。

「うーーん、貸衣装があるみたいだし止めておく。

時間も無いし。まだ背が伸びるだろうし。」

「そうね。」

そう言って手にしたドレスを見る。

試験の直前に作った成長を見越してゆとりを持たせた筈のドレスは2ヵ月経った今、手直ししないと着られなくなっていた。

入学する頃には大幅な手直しをしないといけないだろう。

「ドレスを仕立てる為の生地を入れておくわね。」

「有難う、母さん。」

「で、寮は一般寮で良いのね。

部屋タイプはどうする?

追加費用が掛かるけど簡易キッチン付もあるわ。」

えっ、どれどれと二人で送られてきた資料を読む。

宗教や体質、病気、その他で寮の食事が食べられない学生向けに自炊が可能な部屋が用意されていることが記載されていた。

それ以外でも部屋は基本一人一部屋だが、兄弟や親戚で同室を希望すれば相部屋なども出来る。

後、引っ越しは余程の理由は無い限り、期単位にしか認められない。

「・・・キッチン付にして良い?」

食い意地の張っている上に大食いのサーシャが女子生徒向けの寮のご飯に満足できるわけがない。

「ええ、それで申請しておくわ。」

それをよく知る母親は笑った。


エリスの場合

「えっと、部屋の広さと間取りと持ち込める荷物の量は・・・」

トレイシーと二人で入寮する部屋の間取りや持ち込み可能なものを確認する。

「うん・・・全く足りないね。」

二人は顔を見合わせた。

特待クラスの場合、専用の寮で現在空いている部屋を選んで入ることになる。

王族なども暮らすことから一般寮に比べてかなり広く2LDKのマンション並みの部屋が用意されている。

しかし、二人にはそれでも狭いらしい。

「そもそも寮の部屋じゃ実験は無理だし、研究室の申請を出すしかないね。」

これが一般寮なら学園の近くに屋敷や部屋を借りるという手段が使えるが、

特待クラスの場合、領地の仕事でタウンハウスを行く場合以外は長期外で暮らすのは許可が出ない。

同じ寮内に王族や高位貴族がいることからセキュリティを理由に外出もかなり制限される。

幸い二人は既に実績を出しているので申請すれば研究室の利用が許可されるだろう。

「申請理由・・・使用内容・・・」

申請書類に必要事項を書き込んでいく。

この様子では持ち込む荷物の大半は研究室行きになりそうだ。

その様子を見ていたトレイシーの姉は

「貴方達、学内は制服があるから良いけど、ちゃんと私服や礼装も用意しなさい!」

と言って二人の荷造りで足りてない部分に手を出した。


アリサの場合

「えっと、着替えは・・・」

目の前でナウシカアやその友人の令嬢が一人で制服を着ようと四苦八苦している。

高位貴族の場合、着替えその他身の回りは侍従が侍女が補助するため、一人で着替えるというのも一苦労なのだ。

一般クラスの高位貴族向けの寮ならば家から従者を連れていくことも可能だ。

しかし、特待クラスはセキュリティの観点から従者を寮に入れることを認めていない。

居るのは王家が選任した寮の職員達である。

彼等彼女等は頼めば手伝ってくれるが、自主性を育てる為ある程度は自分でやることを求める。

なので特待クラスの入寮前に着替え、入浴、起床、掃除等々様々なことを出来るようになるための事前訓練が行われる。

この訓練は多くの特待クラス入寮者に一番合格するのに苦労したと言われている。

エリスやアリサは下位貴族で前世の記憶もあるから苦労しない。

既に入学試験時の面談でこの訓練は免除されている。

※面接官は必ず入寮時の心得について質問し、その反応や回答で訓練の可否を判断している。

この質問に下手な回答をすると入寮後に非常に苦労することになるので正直に答えるよう申し送りされる。

「はい、ここはこうして・・・」

ドロテア家の屋敷では王都に出発する直前までこの訓練が続けられた。

対象者全員がアリサから合格を貰った日、令嬢達はお互いに肩を叩き、嬉し涙を流した。

そしてその日の夕食は祝賀会となったのである。

閲覧、有難うございます。

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一般寮の場合、基本はベット、机、クローゼットで、トイレや洗面所、お風呂は共用です。

食事は共同の食堂で取ります。

それ以外に談話室や図書室、会議室があります。

高位貴族向けの場合、3LDKから5LDKの部屋で全ての部屋にトイレ、お風呂、キッチン付。

この寮では単身利用は想定しておらず、主人用と従者用の部屋を用意しています。

女子寮の場合、さらに部屋の一つは衣裳部屋・・・

一般寮と同じく共同の食堂や大浴場、談話室、図書室、会議室があります。

それ以外に一般寮にはない演奏室やダンスホールもあります。

特待クラスは部屋は広さに差異はあれど、2LDK、専用の従者用の部屋はありません。

寮の設備は高位貴族向けと同じですが、質はこちらの方がかなり上です。


入寮にあたり、一番真っ当な準備が出来たのはアリサで、次はサーシャ

エリス達の準備は研究資材がメインで私物は後回しになってます。

二人を送り出すのに一番苦労したのはトレイシーの姉でした・・・

ナウシカアはこの訓練のお陰で入寮訓練は一発で合格し、その分社交に充てることが出来ました・・・

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