第二十七話 不安とともに
ジェシカ先輩と出会って理事長のことを知った。
ゲームの情報以外にも色々。まさか…これ以上…
「考えすぎると、また爆発するよ。」
「わあ!びっくりした!天音!!」
いきなり天音が現れてびっくりした。天音は大きな木箱を持っていた。どこにそんな腕力があるの?
「愛しのジェシカ先輩からお届けものでーす。」
「愛しの言うな。」
箱を近くにあった机において蓋を開けてみた。
「「わぁお!」」
中にはドレスが入っていた。
「ドレスだ!多分今度のパーティー用だね。」
「ん?パーティーって何かあったっけ?」
「忘れたの実亜?新入生歓迎パーティーだよ。」
そういえばそんなのがあったね。
入学してから結構経った日にやる舞踏会。学校に慣れた後に行うらしい。
令嬢達は礼儀作法やダンスを見せつけてこれからの相手を探す場所になり、執事やメイド達は技術を見せたりする場所らしい。
「忘れてました。にしても、綺麗なドレス。」
ドレスを改めてみた。
ふわっとした白のスカートに青いフリルが腰から足元に斜めについていて、足元と肩のボレロには銀色のフリル。全体が白と銀色でまとまった上品なドレスだ。
こんなの、私にはもったいない。
「楽しみだね。そういえば実亜のパートナーはエドワルド王子でしょ?」
「そうだよ。そして王子はシャロンと踊った後にエミリアと踊るの。」
「浮気じゃん。」
「元から分かっている浮気。って、まだ何もないと思うよ!」
「これからだよ。これから。」
「実亜って、ワルツ踊れるの?」
「踊れるよ!これでも一応侯爵令嬢!」
さあ、パーティーの日が来るのを待とう!




