最終章ーアナザー・ゼット・ストライカーH゛ー(2)
「ーーこんな物で終わる訳なかろう。立て。お前は殺す」
倒れたフランベルグを睨み付ける。ーー奴が全ての原因だ。奴という存在が、俺の全てを狂わせた。ならばーー奴も、狂わせてやる。
思わず腕に力が入る。
「ーー熱くなっちゃって、何か僕は君の恨みを買うような事、したかなぁ?」
ひょいと飛び起きたフランベルグは、地面に唾を吐く。
「したさ! 覚えはないだろうがな! 貴様の存在が、どれだけ俺に傷を与えたか思うまいーーその無神経さの詰まった脳を、削り砕いてやる!」
剣など使わない。両手に、魔力を込める。
「へぇ、だったら拳で語りなよ。逃げるような腰抜けの真似はしてやらないからーー」
言葉が終わる前に、膝蹴りを入れる。
「ーーっぷ」
さらに怯んだところに、両手を組んで握り拳を振り上げる。
そしてーー一気に振り下ろす!
「っが!」
フランベルグの頭部から出血する。
だが、ここでゆるしてなどやらん。
顔を戻したフランベルグの顔面に、精一杯の拳をぶつける。
1発、2発。3発。お前という存在が、お前という存在が。お前という存在が!
「ーーっ」
過去の俺が、固唾を飲んでこちらを見ている。
ーーお前の手を、血に汚す事はない。俺が、俺が全てを終わらせるんだ。この俺が。
「いい加減にしてくれないかなぁ!」
フランベルグに手を掴まれる。
フン、どうせ効くとは思ってない。
【アサルトモード! アクティブ!】
その瞬間、アサルトモードに変化する。
「ーーっ!」
フランベルグが変化したこちらの姿に一瞬面食らって、バランスを崩す。
だが、そこまでだ。
「嘉ッ!」
押し込みながら奴の頭を掴み、スーツのブーストを拭かす。
空中で体勢を変えーーそのまま突進の勢いで膝を奴の首に落とす!
「ぐぼっーー」
膝を落とした直後、フランベルグの顔付きが変わる。やった。首をーー折った。
一瞬歓喜するが、それはぬか喜びであった。フランベルグは手でこちらを力任せに振り払ってきた。ーー奴め、首が折れても平気なのか!
俺は舌打ちをする。
「ーー驚いた。此処までやるのか、人間が」
一瞬で骨折を治したフランベルグは、忌々しげに言った。
あの頃より強くなった俺とはいえーー奴が常識外れなだけか。レドワルドやゾゴイーーやつらよりも、フランベルグは遥かに強い。
だがーー。
「俺はお前を殺すと言ったはずだ」
俺は屈しない。絶対に屈しない。俺を滅ぼそうというのならば、血達磨にしてやる。




