hold me or get out
「此処からは内乱討伐になる。ーー正直厳しいものになるだろう。ミクモはどちらに付くか、任せるぞ」
「ーー私は、ミラカナ様につきます。何のための臣ですか」
アイラ達二人が消えた後にミクモに話しかけると、ミクモは迷いのない表情でそう報告してくる。
「ーーありがとう」
僕は彼に微笑みかけ、その有難さに少しだけ感動する。
こんな時に寄り添ってくれるとは、とても素晴らしい。
「話は聞いた」
「ガイアブレード」
「デルテ様が見付からない今だ。お前たちに同行しよう」
「俺達もいるぞ。少なくとも俺はミラカナ、君に付く」
イーゴンとレイブレッドも、後ろから部屋に入ってくる。
「では……屋敷を、潰すか」
「ーー待て」
アトスがそこで、口を挟んでくる。
「ーーどうせやるなら、徹底する。俺に、いい考えがある」
「いい考え?」
「任せてくれ。悪いようにはしない」
アトスの勢いに僕は頷き、手を待った。
アイラ・ステイシアは自らの屋敷の自室で、静かに待っていた。
カスピエルに捕えたメタセコイアを吸収させ、さらに強くさせておく。
「ーー話の分からない、愚か者ね」
アイラは目を伏せさせながら、独り言を吐く。
既に冷えて不味くなった珈琲は、ほどよく思考を冷静にさせてくれる。
本当に、自分の意見に賛同してくれないとは思わなかった。
昔はもっと、素直な子だったというのに。現実が見えてない子じゃなかったというのに。
「ーーはぁ」
机に倒れる。あの子達さえ味方でいてくれたら、な。
ノルドシュトルム、あの忌まわしき敵。
あれの本番が迫るまで、2年間の試練がある。
だというのに皆暢気で、役に立たない。
私ばかりが未来を考えているというのに、なんであんなに国の皆は頭の回転が遅いのだというのだろう。
デルテ・アルベルト・イズンもそう。器量はあったのに、自ら率いようとしない。権力者が今を変えてこうとしなくちゃ、ならないでしょう。
ーー口を真一文字に結ぶ。
まぁ、いいよ。どうせもう、後戻りはできない。
「カスピエル……来て、くれるよね」
「ーー・ー・ ・・ ーーーー ・・ ・・・ー ・・ーー ーーー・ ーーーー ー・・ー ・ー・ーー ・・ ー・・ー・ 」
カスピエルは謎の唸り声をあげ、目を光らせた。




