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『異界のクライムファイター』~anotherZS H゛ after story~  作者: ひびき澪
エピソード6 ノルド・シュトルム
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ノルド・シュトルム(4)

屯所の中に二人で戻ると、うちの侍女であるヒビネが居た。

「無事だったのか?」

「はい、レイブレッド様の部下がこちらまで護衛してくださりました」

 ……でかしたぞ、レイブレッド。

「ーーそちらの方は」

「アトスの友人でソレイユという」

 ソレイユが自己紹介すると、

「ヒビネと申します」

 ヒビネは少し目を合わせてから、素直に頭を下げた。


「ーーでは、僕は少し仕事をするので。ヒビネ、皆を頼むよ」

 僕はヒビネにそう言いつけると、オベレノの使っていた空き部屋を漁る事とした。

 もちろん、情報収集の為だ。立場を盾に入れるのならば、やっておかねばならんだろう。


 オベレノの部屋に入り、早速資料を漁る。

 公文書、兵士の訓練日誌、以前の殺人事件捜査の進捗……。

 彼は、あのゾゴイという男が犯人だとは、まだ気付いていないようだった。

 捜査の段階は、此方の方が上だったという事か。

 僕は椅子に座り、上への提案書の方に目を通す。

 武器発注の為の申請書、か。最近倹約だの軍縮だのと言っていたから、彼らも辛かったろうに。

 そう感想を抱きつつも、どんどんと読み進めていくーー。

 ーー半刻くらいしただろうか。カツンカツンと、部屋のノックがされた。

「ーーはい」

 僕は立ち上がり、ドアの前へ行く。この部屋には僕のほかには誰も居ない。なんなのだろう。オベレノ自身はまだ起き上がれないと聞く、そうすれば誰なのかーー。

 ドアを開ける。とすると、しわの入った手が、僕の腕を突然掴んだ。

「っ!?」

「かわぇぇなぁ……童。麻呂のものにならんか?」


 ーーなんだ、こいつは!?

 得体の知れない恐怖。変な汗が、額を伝うのを感じた。

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