エピソード3「デュアル・ゴア」(11)
シルバーメタルの装甲がアトスに張り付き、突進。そのままガイアブレードと力比べの体勢に入る。
「貴様、それが正体か」
ガイアブレードが無機質な敵意をアトスに当てる。
「俺に正体など……ない」
アトスは言い放って膝蹴りをかまし、そのままガイアブレードを投げ飛ばそうとする。
「ピニオンバルカァン!」
だが、至近距離でガイアブレードの肩口から出た銃弾がアトスの身体を貫いた。
「クッ」
アトスはノックバックし、数歩後退を余儀なくされる。
「アトス!」
イーゴンの呼びかける声。
「貴様、何をした!」
「あらゆる距離で私は私の信念を遂行する力が備わっている。無駄だ」
ガイアブレードの勝ち誇る声が響く。確かにアーマーをも後退させるだけの威力がある。
「分かったかな、アトス君。これが科学の力という奴だ。半端者には分かるまいよ」
「……半端者……だと?」
アトスが怒気を、声に入れる。
「ああ、半端者さ。この程度では守るべきものすら守れまいよ」
「……そうかい」
アトスは呟く。
「図星かな?」
「いいだろう、貴様がそう思うならそうなのだ。だが……相手にも信念を遂行する力が無いと思っているのなら、大間違いだ!」
「ほう?」
「うぉぉぉぉぉぁ!」
アトスは不意に立ち上がり距離を詰め、再度放たれたバルカンに怯まずそのままガイアブレードを持ち上げて投げ飛ばす。
そして地面に投げ落とす瞬間。
『エンチャント・ブラストナックル!』
アトスは右腕に力場を発生させ、無理やりにも一撃を叩き込んだ。
「ぬぅ……ッ!」
光の一撃を受けて吹き飛び、悶えるガイアブレード。一方押し黙る、イーゴン。
「……成程、お前にも力だけはあると認めようか。そこそこの本気を出しても良いという事をな!」
ガイアブレードは笑い、再度アトスに飛びかかってくる。
そして右腕から鋭い爪を出すと、アトスの身体を覆うメタル装甲へ振り下ろした。
「っぐ!」
装甲から火花が散る。
「……ッ!」
だが、アトスは膝を付かず、バランスを取り直し無言で殴り返す。
殺意の篭った拳はガイアブレードの姿勢を崩し、アトスはさらに追撃の拳を相手の顔面に叩き込んだ。
「貴様!」
「どうした……半端者ではないのか、俺は」
アトスはさらにゆっくりと歩みを進め、オーラを全身に纏わせる。
「なんだこの現象は……構成物質解析、奴の機器にこんな現象を起こす力など無いはず、私の知らない力でもあるというのか」
「俺の力は、このアーマーと、俺を助けてくれた仲間と、俺の力のハイブリッドだ。自前の力だけに頼る貴様とは違う!」
アトスは言い放ち、全身に纏わせたオーラをさらに右腕へと圧縮させる。
「システムオーバーロードモード。エンチャントバックアップ……!」




