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おまけ

桜が、ちょうど満開だった。


校門の前は、新しい制服の色であふれている。


ざわついた空気の中、ふと、視界の端に入った。


人の流れから、少し外れたところ。


桜の下に立つ、ひとりの女の子。

派手じゃない。


でも、なぜか目が離れない。


周りと同じ制服なのに、そこだけ、少し静かに見える。


(……綺麗だな)


自然に、そう思う。

そのとき、ふっと、その子が顔を上げた。



目が、合う。



一瞬。


でも、それだけで十分だった。


(……あ)


心臓が、少しだけ速くなる。

向こうはすぐに視線を逸らす。

ただ、それだけ。

それなのに、妙に残る。


(誰だろ、あれ)


名前も知らない。

クラスもわからない。

それでも、なぜか気になる。


(まあ、どうせ)


同じクラスになることなんてない。

そう思いながら、一生は歩き出す。

でも、一度だけ、振り返る。


もう、その姿は見えなかった。





教室のドアを開ける。

ざわついた空気。

名簿を見て、自分の席を探す。


「……あ」


思わず、声が出る。

自分の隣の席に、さっきの子が座っていた。


(マジか)


偶然にしては、出来すぎてる。

少しだけ迷って、体を向ける。


「さっき校門のとこ、いなかった?」

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