↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/41

2月18日 夜

 もう2年の後期も終わりが近い。そのあとは短い春休みがあって、すぐに3年になる。

 俺の入っているサークルでは来年からの役員決めをしているところだが、それがかなり揉めてしまっている。その余波で他のサークルと練習場所を調整している渉外(しょうがい)役がボイコットし、今日は活動できないらしい。なんとつまらない。

 役員とか派閥とか、正直、俺にはどうでもよかった。練習は楽しく参加しているが、これ以上面倒になるのなら辞めてしまってもいいかと思う。


 そんなわけで今日はサークルが休みになった。

 そう言ったら、あさみちゃんと美奈子さんと飲みに行くことになった。

 災い転じて福となすってこういうことを言うんだろうな。


 そういえば高校のころ、男一人と女二人の三人組で遊んでる人たちを見て、どういう関係だよなんて勘ぐっていたこともあるが、案外ただの友達だったのかもしれない。そこに恋愛感情があったとしても、現状ただの友達、そんな関係。だとすれば、妬みのような視線を向けたのはちょっと悪かったかな。


「二人って高校一緒だったの?」


 乾杯してすぐに切り出す。

 このダイニングバーに入る前、あさみちゃんと美奈子さんが高校の時の話をしていたから。


「そぉだよ。言ってなかったっけ?」

「3年間同級生の腐れ縁。」

「ちょ美奈子!腐ってはないよ!」

「部活は?」

「アタシは文芸部。あさみは…」

「テニス部!」


 自慢げな顔をしている。

 スルーしてみよう。


「美奈子さん成績良さそうだもんね。」

「え? いや…中の中かな。」

「え、待ってそっち拾うの? ってか成績はあたしの方が良かったし!」

「そうなの、美奈子さん?」

「そーね、期末テストの順位とか50位くらい上だったよ。」

「ちょっとりょうちゃん、いちいち美奈子に確認取るのやめてもらえます?」

「だってさ…」

「だってじゃないよ、信じろよあたしを。」

「ぶっ!」


 我慢の限界が来て吹き出してしまう。最近笑いのツボが浅くなってるなと自覚する。


「もー!」


 つられて二人も笑い出す。

 ひととおり笑って落ち着くと美奈子さんが口を開いた。


「てかさ、りょう君、アタシのことは呼び捨てでいいよ。」

「そう?」

「うん。アタシはりょう君のが呼びやすいから君付け継続するけど。」

「それでいいならそうする。」

「だったら、あたしも呼び捨てにしてー。」


 あさみちゃんが空になったグラスを置いて言った。流れるような動作で店員を呼ぶブザーのボタンを押している。


「おお、そうする…けど、今日のこと忘れてて週明け『あさみ』って声かけたら引いたりしないか?」

「そんなに飲んでませんー。」


 あさみちゃんの顔が赤い。

 酒のせいか怒っているのか区別がつかないが、もう酒は回ってきているようだ。


「わかった。じゃああさみ、美奈子、これからもよろしく。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。