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悩んでいるんじゃない。振り返っているんだ

 夢の果てはすでに去り、死した俺たちだけが霊園に残った。


 超上級を目指す上で、すべきことを再確認していく。


 まずもらったものを見直す。

 最初に黒い宝石で飾られたアクセサリーを手に取る。

 首飾りのようで巻いてみるが、これは特に何かを感じることはない。

 闇魔法による混乱状態を抑えるためのものだということだ。

 実際に闇魔法を行使してその効果が実感できるだろう。


 次に、俺の特殊ドロップのアイテム結晶だ。

 これは解除するなということなので、どこかにしまっておくこととにしよう。

 良い隠し場所があっただろうか。


「お呼びですね」

「呼んでない。声すら出してない――待て。用があるのは確かだ」


 地面から出てきて、また潜ろうとした骸骨を呼び止める。


「そうでしょう、そうでしょうとも」


 得意げに俺へ向き直る。


「これをどこか誰にも見つからない場所に隠しておけ」


 骸骨はうやうやしくアイテムを受け取り、地面に潜って行ってしまった。

 本当に大丈夫か……。預けてから不安になってきた。どこに置いたか忘れたりとかしないだろうな。



 とにかく、次だ。

 俺の闇魔法は強いと言われた。あの極限級にだ。

 しかし、中位と高位、最高位はともかく、低位を使えとはどういうことだろうか。


 闇魔法は、他の魔法と明らかに違う点がある。

 他の魔法が高位に行くにつれ、魔力効率が落ちる一方、闇魔法は高位に行くにつれ効率が上がる。

 逆に言うと、闇は低位の魔法の魔力効率がすこぶる悪い。


〈闇よ。来たれ〉


 頭で考えるよりも実際に発動させてみることにした。

 高位よりも魔力消費がやや大きいと感じる。今でこそ微量だが、人間の時はそこそこきつかったはずだ。


 大きな魔力消費の結果、目の前に闇が生じた。それだけである。

 特に何も起きない。魔力消費の割に出てくる物が釣り合ってない。


 何も起きない闇を呼び出す、それが俺の闇の低位魔法への認識だ。

 自身が闇になることもなければ、自身とのパスをもたせた闇の傀儡が出るわけでもない、もちろん闇が形を変え、相手を攻め立てることもない。


 何も起きない闇が、思った場所に生じるだけ。

 暗闇とは違うものなので触ることはできるが、触っても何にもならない。

 ぐにゅっとして、ふわふわと宙に留まる。


 駄目だ。わからない。

 目隠しか障害物程度にしか使い道が思い浮かばない。

 そうではないはずだ。それならわざわざ消費効率の悪い魔法でなくても別のモノを用いれば良い。

 おそらく俺の認識が間違っている。だが、どこが間違いなのかがわからない。


 こちらはおいおい考えていくことにしよう。



 最後は、「俺」と「アンデッド共」と、この「霊園環境」との問題だ。


 超上級に必要なのは、この三つの相互作用と言われた。

 今のところ、はっきりと相互作用が見られるのはアンデッドと霊園とだ。

 元がそういうダンジョンだった。そうは言っても精々が土から出てくる程度のものか。


 問題はやはり俺になる。

 俺とモンスターは場所がわかることと指示ができることしか繋がりがない。

 戦闘のとき、壁役になるかと言われればそれはほぼない。

 屍人でやっと足止めに使えるかというくらいだ。

 上級より上との戦いには使えない。


 それに遠くでも喋れることくらいか。

 視覚の共有もできるようだが、あまり上手く見ることはできない。


 もっと悪いのは俺と霊園の作用だ。

 ボスとしてここに縛られているのだが、アンデッドの場所が把握できるのはメリットと言えるがわかったから何ができるかということでもない。


 すぐに考えつくのは、アンデッド共に指示を出し、冒険者を俺に引き寄せて倒すこと。

 これではけっきょく俺が浮くし、今の状況と何も変わらない。

 俺だけが強くても上級止まりとも言っていた。


 課題は山積。

 頭がなかなか働かないのは錯乱のせいか。


「暗中模索だな」

「闇の王に相応しき言葉かと。響きが良い」


 また出てきやがった。

 お前には見張りを命じていたはずなんだがな。

 言っても仕方ない。この骸骨はすぐ忘れて、ここに戻ってくる。


 こんな話をしていても何も解決しない。

 行動あるのみだ。ただし行動だけでは駄目だ。それは闇雲というもの。


 ひとまずアンデッドの戦い振りを見直してみるとする。

 何か気づきがあるかもしれない。


 この気づきこそが暁闇の明けに繋がるはずだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 人間の敵として主人公殺しに来てるのにその人間殺さない主人公とかウザすぎて萎えるわ。…ありがちではあるんだけど。
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