ログ5-了解っ!!
ここには一人と一体しか居ない、はずだった。
何故何処。何処から声が聞こえた?
「それが良好!最初の拠点にも帰ろう!」
不自然な日本語、学習の初期段階のような
何故捨てた拠点に帰ろうと誘導した―
「敵っ!!」
「っ!」
相棒君が私の前に飛び出して構えをとる。
直後、草藪を裂いて炭を混ぜたような色の無機質な骨組みにカメラが覗いた
1台…2台3台…全7台
ゾロゾロと草藪の中から出てくる、囲まれた。直前まで電波に反応が無かったのに今は気味が悪いほどうるさく飛び交っている
黒い機体は上方に向かって跳ぶ。骨組みだけの四本脚でカメラの無機的な顔が大きく立ち上がり、首を傾げた。
目を見開く…前足を突き出した―それは―
銃
人を殺す為だけの道具、近代の遺産に酷似したソレによく似たモノを構えた
相棒君は視認した瞬間地面を蹴り上げ瞬時に距離を詰る。掴む。相手が動くよりも早く先端を真上に向けた
動かない。
「#☆4☆2$+….2$02(゜♪00」
〘05273-6%(:7%・-¥(♪^($%・.$%((0〙
アレは銃じゃない、銃の筈がない、銃だと思い込ませる為に二足歩行の構えを――0…+○6-
っ!?処理、00(2#・処理、07→.¥〜29゜-処理処理÷→処理÷→処÷→,理
ずっと、読まれている0♪4(0。行動処理ノードの中に他の機体のコードが流れる。4(:5-0
ハックされている、0…50295☆-私が…いま動いたら…考えたら…次の行動がバレる。0♪4(0でも
「離れてっ!!5+2゜|-.「…565\|-」
「!」
【分析―気体:高濃度の二酸化炭素】二酸化炭素を噴射する機械だ、ソレは!〘5…・(-〙〘5…・(4(:〙きっと相棒君の目には見えていない。〘♪…〙
生身の生物は二酸化炭素で眠ってしまう〘0♪50〙。距離をあけて、包囲網を抜けないとマズイ〘8:・%☆200〙
即座に脚のモーターを駆動させる。相棒君が振り返る。間に合え、間に合えっ〘→→(.」(♪0〙ロボットは自らの千切った脚〘☆4☆〙を投げつける。次の行動は読まれているんだ〘0♪4(0。〙避ければ相棒君に当たる位置から…〘0♪4(0〙
逃げることを前提にするなら、〘0(♪%・〙腕を1本見捨てる?〘$|*(・|-0〙安すぎる!
〘0♪5…4(〙
腕を前方に構え走る。相棒君の体を奪い取る。脚を地面に刺して重心を固定、首を120°回し、相手の動きを追う
相棒君が私にその紫の瞳を向けた。
「僕一人、抱えて動けるか?」
「0^8(.できる÷」
どう逃げるかとか知らんけどなっ!生物との意思疎通は簡単じゃないのだよ
「OKっ!」そう言って相棒は何か投げる
宙を舞う――銀色に輝く糸。
「ムメイ」
名前を呼ばれた。相棒君の顔を見る。マスクを外していた
(のぼれ)
補助脚を伸ばして後ろの高木を掴む
燃えた糸は太陽の様な凄まじい閃光を放って輝いた。
後から視界が白になっていく。地面に落ちた光は辺り一帯を激しい炎で埋め尽くした
熱源感知機能が悲鳴をあげている。カメラが白く飛んで映らない。構っていられない、こちらは生身の生物を抱えているのだ。火傷はさせない。ここには治療する術がない
幹を掴んだ脚を一回転、景色が逆さまに写る。腕を枝に打ち付けて跳ねる。
「ゲホッ、9時の方向、着地!」
ダンッ
「90°反転!5m走れっ!」
機械に無我夢中とかあるのか知らんが、とにかくそれが今のノード情を表すのに的確な四字熟語だ
クソっこんな時にジャイロがブレてる、原因は…相棒君が重たい事…これ、長距離抱えて移動はキツイィ゙
「お前っ体重何キロだよ!!!?」
「150㌔弱っ!」
「ふざっけんな!最初に言えやぁぁああ」
―――――――――――――――――――――――
「…筋密度といっしょに体重出さなかったのか?大体セットだと思うが…」
ぶーぶーと文句を垂れる相棒君。
「高性能ロボットなのでピンポイントで分かるのだよ!ふふっん♪」
「重たいなら降ろしてくれ、抱えたまま逃げろとは言ってない」
ドッサ。
「イッて!?」
幸いな事だ。謎ロボは隠密行動をしている間は電波を出さない。私のハッキングも出来ないでしょ、いずれは追い詰められるだろう、でも今は巻くことができる
「包囲網は抜けた。距離取ったけどまだ付いてきてる。どうする?全部倒さなきゃダメかな?」
囲まれて守るものがある時は難しくても、一体ずつ迎え撃つならば…うぅ辛いかも
「…。…確かに、僕単体でも合計4台殺せた。ただ今戦うのはハイリスクローリターンだな、戻らずにこのまま逃げよう。すまん…侮った」
「見つかったの、私が木に登ったからでしょ?」
タイミング的にそうだよね。
てか3日経っていたんでしょ?私だったら安心しきって惰眠を貪ってるね。移動用に保存食用意してた相棒君は偉いよ
千切れた腕に、相棒君が持っていた鎌を押し当てる[同化開始:パーツ脚部-認証]
「腕直った…鎌型だけど…」
「形は残るんだな。ソレはあのロボの脚部から作った奴だ」
相棒君を鎌で傷つけない様に慎重に下ろして、私達はジャングルの枝伝いに走りだす
「最後に戦ったしゃべるロボがアイツら?12台相手によく逃げ切ったね?弱点とかあるの?」
「脆弱、カメラ以外に状況把握できる機能がほぼ無い。それに水塊を避ける性質があるらしくてな。川渡ったら付いてこないぞ」
割と弱点多いな…まぁ良い脅しになるだろう
水が苦手、か。逃げ切るのは思ったより簡単なようだ。指示通りに最初に出会った川に向かって走る
「ねぇ今ね、良いお知らせと悪いお知らせがあります!どっちが先に聞きたい?」
「今!?さっさっと話せっ」
「どっち?が?良い?」
こだわりだよ、こだわり。
「はぁ、悪い方から聞くってきめてる。」
いいね〜
「頭ン中盗聴されました☆」
「オメデタイナ。」
距離を取ったら読まれなくなったから、仲間内で使う奴って感じがした。だが次会った時は敵意を持って利用される可能性が高いネ
「それで、良い方は?」
「あいつらの言語解析、出来るかも♪」
「でかしたっ!」
あと、もう一つあるぞ、これは文句だけど。
「ムメイは壊れたって直せるんだし、こんなアホでも機械なんだよ。だから次からはちゃんと盾にしてね」
彼が純粋に好きなのだ。私だって信用して貰ったって良いじゃないか
そうしてくれたなら、多分、きっと、嬉しい
「…!そうか。ありがたいな、次から遠慮なくそうさせて貰う。だが交換条件だ。ムメイの取り返しの付かない弱点を教えろ。絶対にだ」
廃パーツと同化する時に形が変わってしまうならいずれ、私は…元から変わらないのは“弱点”であるコアだけになるんだろう
「…わかった。私の体と思考を制御している場所は脚の付け根、みぞおちの背中側。腰。そこさえ生きてりゃ通信使える。頭がもげても停止しないさ」
青年はこっちに視線を移す
「そうか。追い付かれんようにちゃっちゃと移動するぞっ!」
今の私は相棒君をイジるのが生き甲斐だから!これももちろん忘れてはならない
「ふっふっふ!当機を知ろうとしてくれた!これが俗に言うツンデレか?ツンデレだね!」
死んだ魚の様な冷たい目を向けられた気がする。うん、眺めないようにレンズをそらして走るのに集中しよう…
「予定早くなっただけだ!巻いたらそのまま砂漠まで行ってしまえっ」
お!想像していたよりも明るい印象の声が飛んできた。
きっと私はニヤついていただろう
「了解っ!!」




