第047回
『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。
この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。
https://mikikosroom.com/archives/49267706.html
なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。
フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。
特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。
なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。
https://mikikosroom.com/archives/24257587.html
ハ「広い歩道やな」
み「この季節はね」
ハ「どういうこっちゃ?」
み「点字ブロックの位置、見てみ。
建物側に寄ってるでしょ」
ハ「言われてみれば……。
確かにそうやな」
み「冬は、歩道の車道側には……。
車道を除雪した雪が積まれるんだよ。
人が通れるのは、建物側にある点字ブロックのあたりだけってこと」
ハ「なるほど」
み「お、信号が変わった。
レッツラゴー。
うひゃあ」
ハ「危ないやろ!
漕ぎ出しは要注意て、さっき自分で言うとったやないか。
婆さま、轢きそうやったで」
み「自転車保険は、ちゃんと入ってるからね」
ハ「そういう問題やないわ」
み「いやー。
ほんとに気持ちいいね。
歌いたくなるじゃない。
♪み~ど~り~の風も、さぁわぁやぁかぁに~【青春サイクリング/歌:小坂一也/1957(昭和32)年】」
ハ「ほんまに、いつの生まれなんや」
み「ほら、歩道を自転車で走ってもいいわけだ」
ハ「確認する前に走っとったやないけ」
み「お、だいぶ都会になった」
ハ「やっぱ、会津地域の中心都市やな」
み「人口って、どのくらいだっけ?」
ハ「そのくらい、調べてこいや。
……。
11万7千人やな」
み「そんなもん?
もうちょっと、いてもいい気がするけど」
ハ「お、おもろいデータ見つけた。
ここで問題や。
日本には、県庁所在地が人口1位じゃない県が5つある。
福島県、群馬県、静岡県、三重県、山口県や。
さらに、県庁所在地の人口が、2位でもない県がひとつだけある。
それは何県でしょう?」
み「話の流れからいけば、福島県だろ」
ハ「……。
問題の出し方、間違うたな。
確かにそのとおりや。
1位は、浜通りのいわき市。
33万3千人。
2位は、中通りの郡山市。
32万8千人。
そして3位が、県庁所在地、中通りの福島市。
28万3千人」
み「浜通りと中通りばっかしだ」
ハ「そして4位が、会津若松市や。
11万7千人」
み「規模が3分の1だ。
わたしがもし、会津に生まれてたら……。
浜通りや中通りの地域には、そうとう屈折した心情を持つと思う。
特に冬。
テレビの天気予報では……。
県内各地のお天気が出るわけでしょ」
ハ「浜通りや中通りと会津じゃ、大違いやな」
み「鬱屈すると思うよ。
昔はさ。
ほかの地域の情報なんかなかったから……。
冬はみんなこんなもんだと思ってたはず。
でも、今は違うからね。
毎日、毎日、天気予報で突きつけられるわけよ。
浜通りや中通りは、毎日晴れてるってことを。
新潟県は、それがないから、考えてみれば幸せだね。
雪の多い少ないはあっても……。
お天気の悪いことに関しては、全県平等だから」
ハ「確かにな。
引っ越したくなるかも知れんな」
み「ぜったいなるよ。
で、浜通りや中通りの中心都市とは……。
3倍も規模が違って来ちゃったわけだ」
み「おー、夜の街だ」
ハ「姉ちゃんら、冬は大変やな。
脚、放り出して」
み「こんな恰好で通勤して来るはずないだろ。
ここらもそうだろうけど……。
新潟の冬、ヤンキーの兄ちゃんは女もんのサンダルなんか履かないのよ。
雪の中でそんなの履いてたら、凍傷になるからね」
ハ「そしたら、何履くんや?」
み「長靴に決まってるだろ」
ハ「わはは。
ヤンキーが長靴かいな」
み「ただの長靴と違うぞ」
ハ「何がやねん?」
み「ヤンキーは、白い長靴履くの」
ハ「白長靴?
食品工場やないか」
み「彼らのイメージでは……。
たぶん、漁船員だと思う」
ハ「伝わらんと思うぞ」
■点字ブロックとバリアフリー
雪国における、バリアフリーの最大の敵は……。
文字どおり、雪でしょう。
いくら、インフラのバリアフリー化を進めても……。
それを雪が覆ってしまったら、役に立たないわけです。
除雪のシステムと組み合わせなくては……。
冬場のバリアフリーは実現できないのです。
それでは今、現実にそれが実現できてるかというと……。
ほど遠いというのが現状だと思います。
新潟市街では、新潟駅前から伸びるメイン道路の歩道だけ……。
ロードヒーティングされてます。
その歩道には、雪は積もらないんです。
でも、そのメイン道路だけで生活できるわけじゃありません。
脇道に入ると歩くのも大変という日を、何度も経験しました。
さらに、幹線道路以外の歩道は……。
完全に、車道の雪捨て場になってしまってます。
人は、歩道を歩けないんですよ。
車道の隅を歩かざるを得ません。
すぐ脇を、車が擦り抜けていきます。
スリップしたら、一巻の終わりです。
健常者でも、そういう怖い目を見るわけです。
車椅子は、ぜったいに使えません。
自力はもちろんですが、押す人がいても無理です。
車輪が埋もれて進めないでしょう。
目の不自由な方も、冬場、ひとりでは外出できないと思います。
点字ブロックが、すべて雪に埋まってしまってますから。
それでは、どう生活されてるのかということですが……。
おそらくは、雪のない地域に転居するしかないんじゃないでしょうか。
実際、新潟市では、車椅子を使われる方や目の不自由な方を、ほとんど見かけないんです。
冬場だけ、他地域に住むということはできないでしょうから……。
完全に転居するしかないんじゃないですかね。
かように雪国は、身体に障がいがある方には……。
はなはだ、住みづらい地域です。
ていうか、住めない地域ですよ。
改善は、無理でしょう。
生活道路に雪がない状態を、冬中保つのは……。
とうてい不可能ですから。




