第016回
『Mikiko's Room(https://mikikosroom.com/)』で連載した、会津若松への旅行記(原題は「単独旅行記Ⅶ」)です。
この回のオリジナルは、↓のページに掲載しています。
https://mikikosroom.com/archives/47536575.html
なお、「小説を読もう!」では、写真を2分の1サイズに縮小して投稿しています。
フルサイズの写真は、上記オリジナルページをご覧下さい。
特に断りのない写真は、わたしが撮影したものですので、ご自由にお使いください。
なお、本文のみをまとめた総集編(後書きはありません)は、↓のページからご覧いただけます。
https://mikikosroom.com/archives/24257587.html
み「出たー。
いきなり廃屋!」
ハ「強烈やな」
み「こりゃ、今年の冬、雪で潰れるな」
ハ「今の地方の現状を、眼前に突きつけられたようや」
み「変わらないのは、水の流れだけじゃ」
ハ「人間の営みは、結局、自然には勝てないってことやな」
み「それでいいんじゃないの。
負けて滅びて行けば。
壊してしまうより、なんぼかマシじゃろ」
み「どひゃー」
ハ「喘いでるの」
み「トンネルじゃないから、窓開けてた人、結構いるんじゃないのか。
さてここで問題です」
ハ「いきなりなんや?」
み「SLの客車で、向かい合わせに座ってた2人。
トンネルで窓を閉め忘れてて……。
慌てて閉めたものの、煙がけっこう入ってしまった。
周りに謝りながら、ようやくトンネルを抜けた。
すると……。
ひとりが突然、顔を擦りだした。
擦った手の平を見てる。
でも、手の平も顔も、真っ白。
ところがそれを不思議そうに見てるだけの向かい側の座席の男は……。
顔が、煤で真っ黒。
何で、顔の白い人が顔を擦り、顔の黒い人は涼しい顔をしてたのでしょう?」
ハ「知るかい」
み「ちょっとは考えんか!
いいか。
顔の黒い人は、進行方向を向いて座ってて、煙をまともに浴びたの。
トンネルを出て、その人の顔を見た反対座席の男は……。
自分の顔もそうなってると思って、顔を擦ったの。
黒い顔の人は、向かい側の白い顔の人を見てるから……。
自分の顔が真っ黒けだとは思わなかったってわけ」
ハ「ナゾナゾの答えが長すぎやろ!」
み「車内が靄っておる。
やっぱり、窓、閉めてなかったヤツがいるな」
ハ「仕方なかろ。
トンネルでもないのに、予期できんわ」
み「子供には、いい思い出になるかもね。
でも、普通車に乗るときは……。
白い服は止めた方がいいかも」
ハ「あと、白塗りの化粧な」
み「そんなヤツがいるか!」
み「また川を渡った」
ハ「桃源郷のようやな」
み「夏はな」
ハ「またそれか」
み「日出谷駅だ。
11:42分。
ここってもう、福島県?」
ハ「まだ阿賀町や。
しかしここが、新潟県最後の駅やな」
み「ここでは確か、ホームで駅弁が買えたんじゃなかったかな?
『とりめし』って駅弁」
ハ「誰もおらんぞ」
み「調べて」
ハ「ふむふむ。
どうやら、10年ほどまえに消滅しとるようや」
み「なして?」
ハ「店主の高齢化のようやの」
み「後継者がいなかったのかね?」
ハ「20個限定やったらしい。
列車のドアが開くと、売場まで競争だったようや。
それでも、700円やったらしいから、1万4千円にしかならん」
み「原価を引いたら、小遣い銭しか残らんな。
それじゃ、後継の現れようがないわ。
そんなに競争になるほどなら、単価を上げればいいのに。
1,500円くらいにしても、十分に売れたんじゃないの?」
ハ「そういうことが出来ないお人やったんやろうな。
あんたと違ごて」
み「やかまし。
弁当の話が出たら、急にお腹が空いてきた。
売店に行ってみよう」
ハ「昼は食べないんやなかったんか?」
み「がっつり食べる気はないよ。
アテだけ」
ハ「ん?
アテということは……。
酒を飲もうっちゅうんかい?」
み「さいなー」
ハ「何語や」
み「熊が出そうなところだな」
ハ「車やないと、怖くて通れんな」
み「だから田舎は、免許返納できんのよ」
ハ「返納したら、熊に食われるか」
み「さいなー」
ハ「やめんか、それ」
■磐越西線、復旧見込み
磐越西線の復旧、何年かかることかと思ってましたが……。
驚きの復旧見込みを、JR東日本が発表しました。
↓は、「河北新報」さんの記事です(出典⇒https://kahoku.news/articles/20220929khn000046.html)。
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JR東日本は29日、8月の記録的な大雨で、喜多方市のJR磐越西線「濁川橋りょう」の一部が崩落して運休が続く喜多方-山都間(9・9キロ)について、2023年春ごろの復旧を見込んでいると発表した。
福島県内の磐越西線では濁川橋りょうの崩落のほか、盛り土流出が3カ所、線路への土砂流入が6カ所確認され、喜多方-山都間に被害が集中している。
復旧の総費用は約15億円を見込んでいる。
濁川橋りょうの復旧作業は、傾いた橋脚1基を撤去して造り直し、橋桁は再利用する。
JR東日本仙台支社の永井康裕設備部長は「より安全な構造になるよう、必要な対策を講じながら復旧を進めていく」と話した。
磐越西線山都-野沢(同県西会津町)間は8月25日、1日1往復の運転が再開。喜多方-野沢間では上り12便、下り13便の代行バスを運行している。
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2023年って、来年ですよね。
来春です。
半年ですよ。
盛土流出や線路への土砂流入だけであれば……。
十分、復旧可能な工事期間でしょう。
でも、橋梁が落ちてるんですよ。
しかし、よく読んだら(最初からよく読め)、その理由がわかりました。
↓の部分。
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濁川橋りょうの復旧作業は、傾いた橋脚1基を撤去して造り直し、橋桁は再利用する。
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造り直すのは、橋脚1基だけってことです。
橋桁は、外れて落ちただけで、折れも曲がりもないってことなんでしょう。
しかし、この橋梁が造られたのは……。
1910(明治43)年です。
112年前。
日露戦争が終わって、わずか5年後のこと。
乃木大将も、まだご存命でした。
そのころ造られた橋桁が、川に落ちても、折れも曲がりもせず……。
そのまま再利用できる強度を持ってたんです。
明治時代の土木技術、スゴいじゃないですか。
感服しました。
今よりスゴいんじゃない?
いい鉄を使ってたんですかね?
まさか、ダメっぽいけど再利用するなんてことありませんよね。
でも、復旧費用の15億円は、まだJR東日本が全額負担するかどうか、決まってないようです。
国や県も、何割かは出すべきでしょう。
『ばんえつ物語』の運行開始は、例年、4月です。
これまでに復旧してくれたら、万々歳ですね。




