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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第4章 覇気使い四天王。

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第160話 それは絆。

更新となります。

「では始める。お前に八年間の莫大な記憶に対応できるか賭けだが、時間が少ないからな」


「痛くない?」


「幻覚のお前に痛覚があると思うか?」


 心配する桐崎に淡々と残酷な返答をする閻魔。


「なんだよ。そういう性格の所ですよ、教会と政界から嫌われてる理由」


「人間界でアイツ等に嫌われても、俺たちが撤退したら困るのはアイツ等だ。誰が、あの一番総長の面倒を見るんだ?」


「……それはズルいっすよ。あの総長、マジで自由すぎるし」


「教会も教会で、善吉を神崎忍に衝突させる為に、色々と投資し完成させたが思わぬ方向に忍が行ってしまったから、嫌味の一つでも言いたいんだろうな」


「なんで、あんなの総長にしたんですか? それも一番って、トップじゃないですか」


「投票と自然に任せた結果そうなった。文句があるなら化けて出てくるといい、その前にペナルティが追加されるがな」


「いえ、やめておきます。二番と三番がソレが通じなさそうで……」


「だろうな。それじゃあ始めるぞ」


「お願いします!」


 桐崎は閻魔の差し出された手を握り、緊張していた。

 幻覚なのに緊張しても仕方ないだろうと閻魔は思いながら、桐崎へ情報を送る。


「……なるほど、大体分かりました。というより、契約(・・)を守ってくれてる事態が驚きなんですけどね」


 情報収集した桐崎は、少し大人びた性格となり閻魔の行動に冷静ながらも驚愕していた。


「死亡確実手前契約だったが、どうやら契約書は成立と考えたみたいだな。契約内容は、“桐崎流星の死後、閻魔光が品川修二による全ての修行内容を引き受け、面倒を見る”だったな? 期間は五年、代償は全財産。再度確認だが、これでいいんだな?」


「再度確認って……まあ、はい。それでいいです」


 幻覚って分かっていながら再度確認する必要あるのか疑問な桐崎だが、ここはややこしい事はせずに返答する。


「お前は桐崎を模した人工知能な幻覚だが、一応聞いておく。後悔してないか?」


「……代理で良ければ答えますけど、これが最善策だと思います。俺は閻魔さんみたいに不死身でも、忍みたいに天才でも、善吉みたいに豪快な心を持っている訳ない。普通の元信者です。いつかは必ず死にます。けれど修二だけには俺に頼らず、振り返らず前へ進んで欲しい。もう、そこに俺はいない(・・・)から……」


 そんな気持ちを聞いた閻魔は桐崎の肩へ手を乗せた。


「忘却の誓いまでしたからには、品川修二は誓いを守らなければならない。生きてる者が肉体で死んだ者をずっと思い続けると、幽体である者は現世に離れられず、幽界(ゆうかい)へ行けなくなる。一生、現界(げんかい)で縛りつけられる。その意味もあったんだろ?」


「なんでもお見通しって訳か」


「いや、なんでもは見通せない。直接見て考えるだけだ。人間と同じくな」


「いやいや、神様の能力引き継いでる奴が、そんな事ないでしょうに。不思議で奇跡の力があればなんでもできるのに」


「無理矢理で起こした奇跡の力は、いずれ対等の不幸でバランスをもたされる。悪ければ天変地異ぐらいの不幸も続くだろうな。それでも使いたいと思うか?」


「死んだら終わりなんじゃね? 悪魔も神様も人間も」


「肉体が死んでから始まり(・・・)なんだ。教会から研修されなかったか? 四十九日が終われば幽界誕生し、三百年の幽界での修行をして、次に転生する」


「あーなんか言ってたような。初級研修すぎて忘れてました……」


「さて、現状把握は終わりにしよう。お前にやってもらいたい事は、品川修二を救ってやってくれ」


「閻魔さんが直接やればいいじゃないですか。なんで、わざわざ俺に頼むんです? 品川修二の精神世界まで入って」


「俺では足りないからだ。俺は人の感情を理解できない」


 あぁ、本当に悪魔なんだなと桐崎は思った。


「だからって高性能人工知能みたいな幻覚に勤まるんですか?」


「大丈夫だ。十分に勤まっている」


 ここまでバグなしで普通に会話でき、更には人格まで完璧なので、閻魔からすれば文句なしに桐崎本人である。


「本当かよ」


「今から、品川の中枢部へ向かう。つまりは心だ。お前の死後、吹雪雅人が腹部を射撃され、俺の魔力が心に反応し、勝手に月の覇気を使い、鎧の化物を産み出した」


「?」


 死後からの情報が色々と多く、もはや内容が意味不明だった。


「暴走し、品川修二が俺みたいな化物になった」


「それなら理解」


 流石に色々と知ってる人物でも、情報過多には対応しきれないを察し、分かりやすく省略してくれた閻魔。


「化物になった影響で、心の防衛機能が……激しく強くなった。強さは魔界連合十三総長の十番目ぐらいだ」


「十番か、いまいちパッとしない基準だな」


「クロードは知ってるだろ? アイツぐらい厄介に強い」


「再生持ちで、人外並みって事か」


「一つ付け加えると増殖する。俺の魔力で形成されているから、ざっと百体ぐらいだな」


「……アンタ、いつも厄介事を持ってくるんだな。そういう所ですよ、俺も忍も教会の皆が嫌ってる理由の一つですよ」


「俺の所為ではないだろう。だが、神(オヤジ)は越えられる試練しか与えない。それはいつもそうだった(・・・・・)だろ?」


「……それズルいっすよ」


「じゃあ行くぞ。今、頭だから中枢部まで突っ切る」


「どうやって?」


「ここは精神世界だ。大抵の物は想像し創造することができる」


 閻魔が空間へ手をかざす。すると、細かく変形音を奏でながら、カワサキNinjaH2を想像し創造したのだ。


「……もうなんでもアリっすね」


「いくらなんでも、現実世界でバイクを生み出すなんて事はできない。精神世界だからできる特典だ」


「じゃあ、この世界なら俺は閻魔さんより強くなれる……やめときます。多分、勝てる未来が見えないんで」


「そうか。なら早く後ろへ乗れ、突っ切る」


「はい」


 閻魔と桐崎はノーヘルでバイクへ乗った。

 そしてフルアクセルで発進した。


「うげぇ~」


「おい、幻覚ごときが気持ち悪くなるな」


 幻覚でも、もしかしたらと思い閻魔は嘔吐だけは勘弁してくれと思い、そう警告した。


「まだ人間としての名残があるから、こうなるんだよ! っていうか、ちゃんと心に向かってんのか? ずっと暗い道を馬鹿みたいに走ってるだけじゃねぇか!」


「あぁ、だがちゃんと心には向かっている。サキュバスが男に、いい夢を見させる方法を応用した物だ。夢食いのバクでも良かったんだが、何かしら異常をきたす可能性を避けたかった」


「まさか卑猥なことしてんっすか!」


 サキュバスの応用技と聞いて、嫌悪感で下ネタへ走る桐崎だった。


「いや、寝ている品川の隣で念仏を唱えながら精神世界に来ている」


「あ、そうなんだ……えっ?」


 桐崎が納得した瞬間、いきなり身体は空中へ浮遊していた。

 だが、ちゃんと閻魔が反応し片手で桐崎をキャッチし、横転し回転するバイクへ目掛けて、魔力弾を発射した。

 被弾したバイクは大きく爆発した。


「桐崎、敵だ。気に入ってたバイクだったのに」


「余裕あっても、俺には余裕ないんですけど」


 そんな軽口を叩いている間、爆炎の中から鎧の化物が出現した。


「アレが例の?」


「あぁ、覇気と魔力が融合し暴走した化物だ。この会話の数秒間だけでも、もう十匹に増殖した」


 閻魔の言った通りに鎧の化物は増えていた。


「じゃあどうする? 俺は戦えるか不明だけどよ……」


「何言っている。お前を心まで辿り着かせるのに、戦わせる訳ないだろ。それにお前は戦う力は無い。だから……俺が導く」


 そう言った閻魔は、一歩踏み出した瞬間に鎧の化物の背後まで進んでいた。


「ここから先は安全地帯だ。コイツ等を食い止めておく、品川は任せたぞ」


「閻魔さん、アンタに余計な一言かもしれねぇが……死ぬなよ?」


「難しい話だな。コイツ等程度で死ぬことは」


 閻魔は桐崎を離した。そして襲撃してきた鎧の化物を片足一つで蹴り倒した。

 桐崎は振り返らず、そのまま一直線へ心へ向かった。


「俺から生まれた怪物だ。後始末ぐらいは責任持ってやる。だから、ここからは通さねぇ一歩たりともな」


 閻魔は素手で構えていた。

 この行為の数秒間だけで、鎧の化物は五十匹に増えていた。

いかがでしたか?


もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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