第154話 アトラスとの攻防。後編
あのゴールデンウィーク期間中、書き貯めようと思ってましたが、ゲームが楽しくて遅くなる結果となりました。
反省しております。
「そう言えば、俺どうやって喫煙所まで来たんだ?」
適当に歩いていると品川はある事に気づいた。
帰り道はどうしようという事に。
「なんか記憶の何処かに思い浮かべるだけでいいって……なんでこんなの覚えてんだ? 気持ち悪いな」
一部の記憶がない状態で、重要な事は覚えているという違和感に気持ち悪いと思う。
(えっと確か……魔界連合本部でいいのか? 魔界連合本部、魔界連合本部)
目を閉じ、魔界連合本部という単語を頭の中で繰り返し、念じる。
すると空気が変わったのを感じ、見開いた。
屋敷の門前へ立っていた。
「スゲェ、ちゃんと戻ってる。もう何でもアリなんだな魔界連合というか魔法っていうのは……」
身近では感じられない体験をさせて貰い感心できるが、慣れる事はないだろうなという気持ちだった。
そんな事思いながら品川は戻るため屋敷へ入って行く。
各部屋を開けて、閻魔が待つ部屋は何処かと探す。
(なんだか当て物してる気分だ)
そんな呑気な事を考えながら一つの襖を開けた。
「!」
品川の目に写ったのは大蛇だった。
それも今にも飲み込まれそうな迫力ある蛇の刺青が目の前に出てきた。
「ねぇ?」
「は、はい!」
いきなり蛇の方から女性らしい声を掛けられ、品川は即座に反応する。
「寒いから閉めて」
違和感を覚え、品川は見上げた。
そこにはセンター分けされた黒いショートの髪型、キリッとした目付きの女性が品川を見ていた。
それも全裸で……。
「あ、すいません。あの閻魔会長はどちらに?」
「奥に行けば会える」
「し、失礼しました。」
申し訳なさそうに品川は謝罪しながら襖を閉めた。
(ビックリした~いきなり蛇かと思ったら綺麗な背中だった。それにしてもあの蛇、よく見たら八匹だったな。八岐大蛇っていうのか? 迫力がヤバかった)
そんな事を考えながら奥の部屋に辿り着き、襖を開ける。
「時間通りだな」
閻魔だけが酒を飲み、他は何処かへ行った様子だった。
「あ、すいません。他の人は?」
喫煙するまではいた四人が見当たらなかったので、閻魔へ尋ねる。
「吹雪雅人と南雲暖人は準備、木戸愛菜は桜草一華を宥めに入った」
「……前半は理解できましたが、後半だけはどういう経緯でそうなったんですか?」
「酷く言い負かした。こうなる事ぐらいは想定済みだが、いざ現実になると虐めてるみたいで話さなければ良かったと思う」
「なんだか閻魔さんは未来を見てる……というより体験してるみたいですね」
「家系能力だ。半魔神と半神でも、神様から与えられる能力。これで無限に分岐する未来でも体験できる。できないのは相手が神だったりだな」
「うへぇ、強すぎ~」
ゲームの設定や物語でしか聞いたことない無茶苦茶能力を知って、品川は引いていた。
「話を変えよう、本当に桐崎のところへ行くんだな?」
話題を変更し、閻魔は再度品川への覚悟を尋ねた。
「えぇ、アレでも一応師匠なので助けない訳にはいかないです。それに虹矢の奴にもお礼参りしねぇといけねぇし」
「そうか。なら桐崎との約束は覚えているか? お前が高校に入る前に約束した。師弟との誓いを」
「えぇ、なんかスゲェ意味は分からねぇけど……『忘却の誓い』っていう物でした。お通夜と葬式が終われば死んだ俺のことは忘れろって」
「お前、その時承諾したか?」
「まあ、承諾させられました」
「じゃあ、その時が来れば誓い通りに忘れてやれ。誓いだけは破るな、それがどれだけ残酷な事でも」
「? まあ閻魔さんがそう言うなら……」
閻魔の意図できない言葉に戸惑いながらも品川は承諾した。
「おっ、ちゃんと帰ってきたか。」
そこへ吹雪が品川が帰って来てるのか確認するため、やってきた。
「あぁ、なにか決まったか?」
「決まった事だけゆうわ、俺と南雲とお前だけでアトラス財団に責める。まあ、無茶苦茶な事になるから、アカンと思ったら撤退。行けるって思ったら桐崎さんだけ救出して何もせずに逃げる。そういう作戦や」
「俺たちはテロリスト扱いだろ? そこで警察が黙ってるわけねぇからよ。そこの所の被害とかどうなんだ?」
「まあ、しゃあないから手加減できる程度で覇気使うしかないやろ。お前も一般人に使うのは嫌かもしれんけど……」
「……分かったよ。けど俺は単純に行くぜ? それしか戦い方を知らねぇからよ」
「知ってる、南雲から話聞いたわ。輝さんと戦い方を勉強してもテクニックだけは変えようにも、時間が足りひんから無理やったって」
「無理というより下手に変えれなかったというのが正しいと思うぞ?」
そこへ暫く聞いていた閻魔が入ってくる。
「「変えれなかった?」」
「神崎の主体はマーシャルアーツだというのは知ってるな?」
「はい、昔柏木さんから聞きました」
「実はもう一つ混じっている。それは空手だ」
「そう言えば輝さん移動する時、たまに静か過ぎる時があります」
「それは別じゃないのか? 話を戻すとマーシャルアーツと空手を混ぜて完成されたのが神崎流。そして品川修二、高島陸が教わったのが桐崎流。その桐崎流は空手と喧嘩を混ぜた二種のストリートファイト。多分、それに柏木と輝は勘づいたかもな」
閻魔は自分なりの推理を展開させる。
「でも、品川に神崎流を教えてやれば忍と互角に渡り合えるんじゃ?」
「だったら品川は今頃無双状態になってないと駄目じゃないのか?」
「え? よく分からないです閻魔さん」
修行受けてた本人が、いまいち理解していない様子。
「忍と輝は今まで、素人攻撃で負傷したことはあるか?」
二人は思い返す。そう言えば、二人がウロボロスとの戦いで深く負傷していない事に……
「「あ!」」
輝と忍が強いというよりウロボロスの攻撃を素人という閻魔の感想が恐ろしいと思う二人。
「結果を言うと不粋にマーシャルアーツを組み込んだ神崎流を教えるよりは、そのまま桐崎流を強化するのが得策だと考えたんだろう。それに当時の品川修二が、マーシャルアーツなんていう複雑な技を五年間で極められるかの話だったりする」
そこで閻魔の言葉に違和感を覚えた品川。
「閻魔さん、俺は五年の話は一回もした事ないですよ」
「……少し酔ってきたかもな。俺は暫く休むとする――吹雪雅人、品川に明日動くから今だけ休んどけって言いに来たんだろ?」
閻魔は反対側の襖を開き、吹雪が来た目的を述べて退室した。
「全部言われたら、もう言うことないじゃん」
目的を言われた吹雪は閻魔に文句述べる。
「と言うことで閻魔さんの言う通りや。明日の夜に行動すんで……多分、俺たちのやってた喧嘩ごっこみたいな奴ちゃうから……誰も死なへんように喧嘩ごっこで終わるようにしようや」
「あぁ……なんか半年前の気分が抜けなくて神経がピリピリしてるよな」
吹雪の切実な思いを聞いた品川は、半年前から抜けきれないイライラを告白した。
「終わったら、神崎忍が回復するまで俺たちも休もうや。せやな海にでも行こう。そこで泳いで、アホみたいにかき氷食べて、馬鹿みたいにお姉ちゃんナンパしてさ」
「ちゃんと美鈴ちゃんに言い訳考えておけよ? 彼女持ちが気軽にナンパって言葉使ったら、恐ろしい目に合うぞ」
「おお! 任せておけ……ってなんで付き合ってんの知ってんだよ。お前が?」
話でテンション上がっていたが、ここで品川にも話したことない話が出てきたので吹雪は冷静となる。
「な~から始まって、も~で終わる奴から聞いた」
「誰だよ!」
「お前はマジかよ!」
こんな下らない事をして夜は明ける。
いかがでしたか?
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