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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第4章 覇気使い四天王。

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第153話 アトラスとの攻防。中編

こんな時間帯ですが更新のお時間です。

 品川は喫煙所の天井を眺めながら喫煙していた。

 何か先程までに嫌な思いをしたという感覚が残っていた。


(思い出せねぇ…マジで嫌な気持ちになってんのに、心の中がムカムカして気持ちよく煙草が吸えねぇ)


 ムシャクシャしながらも喫煙はしっかりする品川だった。が、先程までの記憶がゴッソリと消えているのでやるせない気持ちだった。


「……」


 フィルターまで吸いきっても何処か納得できない様子で、そのままでいた。


「……アッツ!」


 フィルターまで火が接近し、熱は唇まで伝わり、痛みで煙草を離す。


「やっちまった」


 幸い品川だけが喫煙所にいるだけなので迷惑ではないが、皆で使う物を汚してしまったという罪悪感が出た。


「焦げてねぇよな? なんとか大丈夫そうだ。良かった……はぁ~」


 何かと良いことがなく東京に来てからは大変な事ばかりだ。

 意味不明な組織から勧誘されては戦い、魔界連合のゴタゴタに巻き込まれ、テロリスト認定され、目標の神崎忍は瀕死、更には謎の記憶喪失という一般人なら発狂レベルまで追い込まれている品川。


「……忍ちゃんと生きてろよ」


 今はそう思うのが精一杯だ。


「あ~クソ雨め、いきなり降りやがって……おっと先客か」


 そこへ雨でびしょ濡れのドレッドヘアーの男が入ってきた。


(おいおい、マジかよ)


 普通のドレッドヘアーの男程度なら品川は驚愕しなかったが、その男は異質だった。

 スーツの全身がおびただしく返り血で染まっていたからだ。

 何故ならソイツは魔界連合閻魔組若頭補佐の伊波だからだ。


「……ちっ、マッチが雨で湿気て使えなくなった」


 伊波は煙草を咥えたけれど、マッチが使えなくなったので、更に不機嫌となる。


「……あの?」


 声を掛けるのは躊躇うが困ってそうだったので品川は尋ねる。


「?」


 いきなり声を掛けられたので伊波は睨みながらも怪訝な雰囲気で接する。


「ライターで良ければ使います? それに乾かすの時間掛かりそうみたいなので、俺が預かって懐で暖めましょうか?」


 品川は善意でジッポライターを勧めた。


「……あぁ、悪いな」


 禁断症状が出そうだったのでオイルの匂いでも我慢しようと思い、伊波は渋々だが受け入れる。


「これは……」


 だが、品川のライターはオイルみたいな不快な香煙ではなく、自然とした臭みのない香りが漂った。

 コレには伊波も不機嫌になる事もなく、快く受け入れる。


「……美味いな。こんな気持ちよく煙草吸えたのは初めてだ」


「まあ、少し特別製のライターですからね」


 品川も付き合う感じで、もう一本煙草を着火させ喫煙する。


「兄ちゃん、東京(ここ)では見ない顔だな。流れ者か?」


「いえ、仕事で来ているだけです。終われば大阪に帰ります」


「ほう、大阪か。大阪って言えばお好み焼きと一緒に飯を食うって言うじゃねぇか。そんな矛盾みたいな食い方して、気持ち悪くねぇのか?」


「……どうなんでしょう? 俺はやった事ないので分からないです」


 いつも通りに挑発的な態度で相手を怒らそうとした伊波だった。が、品川が経験した事ないので分からないという答えが出た。


「じゃ、じゃあ最後に知らんけどみたいな保険掛けるの気持ち悪くて、いつも吐き気が止まらねぇな」


 なんだか挑発が空振りし、少し動揺する伊波だった。が、諦めず分かりやすく相手を怒らせようとする。


「あ~分かります。特に大阪のクソババアが言うんですけど、保険掛けて喋るぐらいならテメェの汚い化粧とファッションセンスに保険掛けろやって言いたくなりますね」


(おいおい、コイツはイカれてやがる。それに俺より口悪くね? クソ、怒らせて相手の性格はかって遊ぼうと思ってたのに、俺が遊ばれてやがる!)


 特に品川は嫌いな所を隠す事なく素直に話しているだけなので、邪念はない。

 だが、伊波だけは未体験な性格の相手なので遊ばれていると思っている。


「……あのたこ焼きのCMウゼェな。アレたまに流れて好きな番組を待ってる間が、つまんなくなるぜ」


「すいません、俺テレビとか見たくない主義なんですよ」


「え? なんで!?」


 流石に伊波も聞き返すぐらい動揺した。


「だって嘘だらけだし、年末特番なんかネットで見れるし、映画とか見れてもカットだらけで何やってんのか分からねぇし、アニメとか見ても意味不明な奴とぶつかると心がざわつくし、なんだかで気分悪くなるんですよ。だったらカツアゲしてくるテレビが移らない、チューナレステレビでゲームとかしてたら有意義ですよ」


(な、なんだ! 今の若い奴はテレビを悪者扱いなのか! ま、まあ確かにテレビの信憑性って薄いっていうかニュース以外は、視聴率稼ぎに出て大袈裟に言うって、先週ぶっ飛ぶぐらいヤりまくったニュースキャスターが暴露してたな)


 テレビについては珍しく品川が不機嫌な表情で不満を漏らしていた。

 テレビ育ちの伊波にとっては衝撃的な理由だったので驚愕する。


「……じゃ、じゃあ――」


「まだ続けます? この何か意味不明な争い?」


「あぁ止めよう。なんか面倒くさくなった」


 もうここまで来れば軽いギャグである。


「晴れてきましたね」


「あぁ、そうだな」


 先程の白熱していたテンションは突然と行方不明になっていた。


「兄ちゃん、怒らないタイプなのか?」


「いや、普通に怒るタイプです。けどマジでキレた時が覚えてないんですよ」


「覚えてない?」


「えぇ、初対面の人に言うことじゃないと思うんですけど、頭に血が昇ると目の前が真っ白になるんですよ。そこから何も見えてない状態で、気づいた時には両腕両足が折れて病院でした」


「……あんまり他人には話さないほうが友達はできるぜ、兄ちゃん」


 伊波は煙草を潰し、灰皿へ捨て、品川へ忠告しながら喫煙所から退室する。


「あ、マッチ……」


 品川は懐でマッチを乾かしてたのを思いだし、伊波へ返そうとした。


「兄ちゃんにやるよ。今の話聞いて兄ちゃんが気に入った。兄ちゃんも本能で生きてるって分かったからな……それと、あんまり一般人に渡すのは良く無いが――ほら出会った記念だ名刺やるよ」


 伊波は金色に光る名刺を品川へ渡す。


(うわ~メチャクチャ光ってるよ。しかも文字も金過ぎて社名と役職も名前も見えねぇ)


 伊波の名刺を受け取った品川は不満を漏らす。


「金に困ったらソレ売れ、一枚一万円で売れるからよ」


(売れるのかよ……まあ金ピカだし、一応持っておくか)


 品川は伊波の名刺を名刺入れに収納した。が、一枚だけ記憶にない黒い名刺があった。


「これは……」


「……兄ちゃん、また時がきたら会えるかもな。その黒い名刺は招待状みたいな物だ。兄ちゃんが会長(・・)と近い存在になったら、裏のボスに会えるぜ」


 伊波は黒い名刺を見ると真顔になり、品川へ意味深な事を残す。


「え? ちょっと……もういない」


 品川が質問しようとした。が、そこには伊波の姿はなかった。


(招待状……)


 品川は記憶にない黒い名刺を手に取り、不思議そうな表情でマジマジと見ていた。



 伊波は狂気に笑いながら路地裏へ歩いていた。

 そしてピタリと立ち止まる。


「なんですか、ちゃんと帰って来てるなら声ぐらい掛けてくださいよ。村井総長」


「今の現代風で言うとサプライズだ。元気にしてたか?」


 そこへ伊波の目前に黒い靄が出現し、黒政が姿を表す。


「えぇ、村井総長も元気みたいですね。それより、赤髪の兄ちゃんに招待状を渡しましたね? それってもうできた(・・・)んですか?」


「あぁ完成した。俺たちの事務所、俺たちの縄張り、誰にも支配されない極道の島」


「じゃあ後は投票数だけですね」


「投票数稼ぐ前にやることがある。それを片付ける……お前は引き続き資金集めだ」


「じゃあ派手にやりますか。東京都にいる債務者、ホスト、キャバ嬢、AV女優、半グレから全員金巻き上げてきます」


「俺は賭けだ。東京対大阪の覇気使い戦争のな」


 伊波は大きくニヤニヤとし、サングラスを掛け、路地裏から出た。

 そして目に写った半グレを見つけ瞬間、いきなり襲撃していく。

 街中では大騒ぎとなっていた。


「相変わらず、狂った奴だ。魔界連合総長候補、伊波一翔」


 そして黒政は身体を靄化させて消滅する。

いかがでしたか?


もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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