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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第3章 東と西 黒の追憶編
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第126話 太陽と吹雪。

少し執筆に戸惑ってしまい遅れました。続きです

(あ~色々と逃げ回ってたら、いつの間にかおらんやんけ。なんやねん、アイツから喧嘩売ってきたやんけ……)


 ふて腐れながら吹雪は、次の仕事準備がある為に雅を探す。


(どこ行ったんや。なんか、ここから何か騒いでんな)


 吹雪は応接室の扉を少しだけ開き、覗き込んだ。


「神崎忍いんだろ? ちゃんと会うまで大人しく待ってやるから、会わせてくれんだろうな?」


「……成る程、何処で情報を手に入れたのかは聞くまいが、その先には触れない方が身の為だぞ?」


「ここで喧嘩(やろう)っていうのか?」


 二人の小さい言い争いと修羅場を見て、状況が悪いと思い、静かに応接室へ入室する。

 入ってくる音で南雲は気づいた。が、敵意ないと感じ敢えて無視した。


「違うな。今回特別に私達はボディーガードを雇ったのだ。それも結構役に立つ……」


「はい、ちょっとゴメンよ。結構長い時間握手してるもんやから、ちゃんと握手券買うてもらわんとアカンで?」


 吹雪は修二と知らず、暴漢魔と勘違いし、穏便に済ますよう対応するのだ。


「悪いなミヤッビーは痛いって言うてんねん。そろそろ離してくれまへんか?」


 まだ融通の利く人物で雅の手から、ゆっくりと離してくれた。けれど、他人に睨まれた事が気に障り、吹雪は憤慨する。


「なんや? なんか文句でもあんのか?」


「いや別に。ただ頭悪そうな奴が、俺に対して舐めた口利いてるから、滑稽やなと思ってな? 気に障ったんやったらゴメンな?」


 こちらも吹雪とは知らず、弁護士を忘れて喧嘩腰で対応する。


「なんや喧嘩売っとんのかいな? ええで表出ろや、ボコボコにしたるわ」


「上等や! 掛かって来いやコラァッ! なんやビビって手出されへんのか!?」


「ええで手出したるわ。そっちから先に手出せや!」


 そして激しい関西弁口喧嘩より、周囲は困惑な状態で無意味に傷つく。

 そんな状況の中、騒ぎを駆け付けた忍だけはドン引きした表情で、ドアの隙間から覗いていた。


(何故、お前も煽られてキレているんだ……雅、お前もそれだけストレスが溜まってたんだな。休暇はやりたい所だが、コレは魔界連合関係の仕事だから我慢してくれ……しょうがない。色々と問い詰められるが、ここは出て場を収めるしかないな)


 もう収集つかないと感じ、ここからは本人が出るしかないと判断した。

 騒ぎの中、堂々と応接室へと入室する


「大丈夫です。ここは任せてください」


 受付嬢が警察へ連絡する瞬間、忍は手を包み営業スマイルで落ち着かせる。

 落ち着いた受付嬢は携帯電話を仕舞い、忍の行動に注目する。

 忍は両手を大きく胸の高さまで、上昇させて開き、勢いよく閉じた。こちらへ注目させるには一発で十分。

 そして修羅場を収めることもできた。


「皆様、お静かに……ミヤッビーと受付の人が困ってます。ここは穏便に話し合いで解決しませんか?」


 何年も大物と話している経験で、どう言葉を選び、この場を支配でき、交渉できるのかは理解していた。

 それが必要なのは実践する勇気であった。その後は運へ任せるという、シンプルでリスキーな綱渡り等は考えない実践だった。


「……神崎忍」


「おや、輝。今日は兄の為に事務所まで来てくれたのかな?」


 忍は修二を輝と呼ぶ。

 嘘を最後までつき、場を収める為の修二にとって罰だ。


「……あ、あぁ、そうだぜ……兄さんよ。本当はミヤッビーからサプライズで渡して貰おうと思ったんだけどよ……その必要なさそうだからな?」


 いくら演技とは言え、修二から兄さんという単語を聞いて、背中がむず痒く嘔吐しそうな気分だった。

 けれど嫌な顔一つせず、最後まで貫き通す。

 それから受付嬢には自分のオフィスで対応するとまで説明する。


「二人共、現場に戻れ。品川と南雲を別室に行かせたら、呼ぶから来い。分かったな?」


「「は、はい」」


 今回の件で説教されるのかと思い、二人の身体は重く固くなった。

 忍は通るついでにと二人へ報告する。


「さあ、こちらですよ」


 こんな穏やかに最後まで演技されると、修二と南雲は少し恐怖すら感じてしまう。

 オフィスまで辿り着き、修二から経緯を聞き、本人達も閻魔による目的だと伝えた。

 そして関西弁ボディーガードの正体までも二人へ伝える。


「……吹雪、雅を呼んで社長室まで来てくれ。受付さん、すみませんが弟と南雲を近くのレストランで、ご案内願えますか?」


 吹雪へ雅を呼ぶ準備、内線で受付嬢へ二人を対応してもらうと伝える。


「すまないが品川、南雲。俺には済ませないとならない仕事がある。レストランで予約を取った。そこで『アトラス財団』の対応について話そう」


「あぁ……レストランって何処だろうな?」


「神崎忍のことだろうから滅茶苦茶、高級なレストランだったりしてな?」


 二人は高級レストランと妄想を膨らませ楽しみにしていた。

 けれど、そんな期待は裏切られる結果となる。

 予算も限られているので、案内されたのはガストという、ファミリーレストランだとは知らず向かった。

 受付嬢から聞いた話によると、二人がファミリーレストランだと知った瞬間、「神崎忍殺す」と怨念の如く呟きながら入店した。


「鬼塚社長、『アトラス財団』で新しい情報が入りました。至急、吹雪と雅と私で緊急会議を開きたいです」


 忍は内線で社長である鬼塚へ繋ぎ、緊急会議を開きたいと申し出た。


「分かった。一時間後に会議を開こう」


 鬼塚から了承も得られ、急ぎ忍は会議用の資料作成へと行動を移す。


(少し話が早くなってきたな。こうなった以上は進めるべきに進めるか……嫌な予感がするな)


 あまりにも物事が進み過ぎて、警戒する忍。

 彼の危機的感知能力か本能かで、それは実現することになる。


 社長室へ三人が集まり、鬼塚へ報告する。


「では、神崎。新情報とは?」


「あぁ、『アトラス財団』の目的は……俺だ」


 あまりにも当たり前過ぎた返答に、三人はそれほど驚愕しなかった。というより「何言ってんだ。コイツ?」と雅を除いた二人が思った。


「……品川の話によると俺の家が襲撃された。目的を問いただすと、俺がいたと思っていたらしい」


「……お前、悪魔以外に何かしら恨みとか買ってんじゃねぇのか?」


「桐崎と品川とお前以外の心当たりはない」


「だったら、その可能性は低いって事になるんじゃねぇのか?」


「では何故、『アトラス財団』は家から手を引いた?」


「え? そりゃあ……金目物とか奪いに来たんちゃうん?」


 忍からの質問に対して、吹雪は何も考えた返答を持ち合わせてなかった。


「真っ昼間からバズーカと兵隊を引き連れて、金持ちの屋敷に来るのか? そんな派手な行動してたら泥棒どころの話じゃなくなる」


「……せやけど、お前を狙ってる理由は自意識過剰とかちゃうん?」


「過去の因縁かもな……」


 鬼塚のポツリと呟いた言葉に、雅は何か気づいた様子。


「一人だけいます。名前は忘れましたが、未熟な身でありながらも忍様へ挑んだ方が……」


「多分、ソイツだろうな。海道まで来れて俺に恨みを持つ存在は……確か、俺が誰かを認めない(・・・・)とかで揉めたはず……」


 喉まで出かけている物が思い出せず、気持ち悪い状態だった。


「……動機は分かった。それで、これからどうするつもりだ?」


「あぁ、今日の夕方に関係者と交渉する予定がある。その時、弁護士の品川を引き連れて怪しい動きがあれば尋問し、情報を聞こうと思っている」


「そんで俺はいつも通りにボディーガードしとけばええんか?」


「いや、南雲と一緒にいろ。少し嫌な予感がする。バンで待機して逃走できる状態にしておいてくれ」


「……はいよ」


「……少し先の見えないリスキーな所となるが、ここは君達に任せる。俺も『アトラス財団』について深く調べるつもりだ。では、解散」


 そして忍の予感通りに全てが動きだした。

いかがでしたか?

もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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