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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第3章 東と西 黒の追憶編
122/171

第122話 最強とクレイジードレッドによる修羅場。

喧嘩となります。本当にコイツ等、喧嘩好きですよね。

 伊波は忍を睨み付けながら、両手は親指を立てていた。


「今すぐにでも俺の目を潰そうと親指立てやがって、それを見抜かれる時点で、その程度って事だよ」


「だが、用途は一杯あるだろ? テメェの両耳潰せるぜ? まあ、俺も男だ。そんな事を言われて……化物かよ」


 伊波は不意打ちで、ピースサインで忍の眼球へ勢いよく潰そうとした。が、素早い行動により、左手でガッチリと腕を掴まれていた。

 伊波には反応できないぐらい素早く行動したつもりだが、上手だったのは忍の方だ。


「な、なんか速すぎて理解できなかったけどよ……行けぇ忍! そんな失礼な奴、ギッタンギッタンのガタガタになるまでボコしちまえ!」


 観戦状態の吹雪は呆然とした。が、優勢だと分かると調子に乗って、今までのストレスを発散させていた。


(コイツはコイツですぐに調子に乗る……)


 子供みたいにはしゃぐ吹雪を見て、雅は頭を抱えていた。


「お前、温室育ちの坊っちゃんかと思ったら見た目と違って……ヤバイ握力してるな?」


「不意打ちか。毎日されているから大体分かる。だが、やっぱり品川修二以下だな」


「さっきから品川修二の名前ばっか言いやがって、テメェを負かした相手が、そんなに強いのかァ? 雑魚共が馬鹿みたいに偶然で“最強”に勝った事が珍しいのかァ?」


「偶然か。だったら、それがどれほど良かったんだろうな……偶然で俺に勝てたなら、アイツは幻魔と戦っている時、死んでるぜ?」


「はっ! 知ったことか。ソイツが死んでいようが生きてようが、俺に悪と判定された時点で死刑なのは当然なんだぜ? その中にテメェは一番に入ってんだよ!」


「テメェから聞いておいて、滅茶苦茶勝手な奴だな?」


 あまりにも自分勝手過ぎる伊波の行動に、忍は頭が痛くなった。


「……そろそろ離せよ? 全裸の男の趣味はねぇぞ? もしかして、お前がソッチ……ぐっ!」


 激しい痛みで解放されたいが、更に伊波は忍を挑発した為、ギチギチと膂力を込められた。


「あんま調子乗んな。こっちは五年間、馬鹿賢者相手に教育してきたと思ってんだ? まあ、いい。詫び入れるなら今のうちだぜ?」


 あまり誰も知らないような話を入れながら、早く謝罪しないと骨を折ると伊波へ警告していた。


「ぐっ!」


 だが、伊波は謝罪せず無理矢理引き離そうとした。


「……もう勝負は着いた。忍、離してやれ」


 そこへ審判として割って入ったのが、閻魔だった。


「はいよ」


 まだ懲らしめ足りないが、ここは閻魔の顔もあるという事で、ガッチリと握っていた腕を離した。

 伊波は痛い腕を擦りながら、殺意ある睨みを忍へ向けていた。


「ざまぁないな?」


 今まで調子に乗って忍達への侮辱行為をやり返される。

 忍から与えられた痛みと挑発により、伊波の沸点は頂点へと達した。

 両拳は黄金へと変化し、ボクシングスタイルとなり、音速な左ジャブが忍の顔へ目掛けて飛んできた。


「お、親っさん!」


「……どういう風の吹き回しだ?」


 なんと今まで傍観だけしていた閻魔が、伊波の拳を受け止めていた。


「お前、今俺が言ったこと忘れたのか?」


「ですが、コイツは魔界連合に対して礼節をわきまえていませんよ! だったら、今ここで力の優劣を教えやらねぇと!」


 必死に伊波が閻魔へ言い分を訴えかけていた。

 その行為が災いした。閻魔の右手が伊波の頭を掴み地面へと思い切り叩き付けた。


「……今は魔界連合の泥とか、テメェが恥かいた問題じゃねぇ……先ず、お前が俺の言うことを聞かず、忍と再び喧嘩を始めようとしてることに、俺はキレてんだよ。お前、俺の若頭補佐しといて理解できねぇのか? あぁ!?」


 初めて閻魔が大声で伊波へ激昂していた。


「……」


 親分に怒られ、調子乗りの伊波は何も言えなくなった。


「伊波、仕事に戻れ。お前は魔界連合資金調達役だろ……次、粗相してみろ分かるな?」


 閻魔から解放され、伊波は忍達へ不快な表情を浮かべて、トボドボと会議室から退出した。


「……ありゃ結構根に持たれたな?」


 今まで傍観を決め込んでいた吹雪が忍へ接近し、まるで他人事のような振る舞いだった。


「多分、調査が終わったら暗殺される覚悟で生活しないと考えると、嫌になるな……」


 そんな吹雪を咎める事もなく、忍は今後から伊波に狙われると考えて、頭を抱えていた。


「大丈夫ですよ。その時は神崎家総出で忍様を守護(まも)ります。あんな品性の欠片もない男なんて私でも勝てます」


(あのボクシングスタイルはカズより、キレがある動きだったな。それに左ジャブは接近する時、閻魔が止めてしまったが……ちょっと追い付けないぐらい早かった。『闇の覇気』無しで戦おうと思ったら、少ししんどいかもな)


 一度だけ伊波の動きを見ただけで、忍は実力を計り、自分なりに考察していた。

 そんな事を考えながらも全員は会議へと戻った。


 その後、何事も揉めることなく会議は無事に終わり、忍と吹雪はシャワーとロッカー付きの更衣室で着替えていた。


「まさか、お爺ちゃんの前で全裸になるとは思わなかったな」


「マシな方だと思うぞ? 俺は三年前、服盗まれてタオル一丁で街中走り回ったことあるぞ」


「なあ? お前が行方不明になってた世界って俺達以上に摩訶不思議で、馬鹿な世界なんじゃねぇのか?」


 どうしたら残念イケメンが街中をタオル一丁で走り回る事件が起きるのかと、吹雪は顔をしかめて疑惑な表情で尋ねていた。


「……確かに信じてもらえない話だろうな。何時も、俺から軽くあしらわれている、お前達の宿敵が、こんな馬鹿みたいな話をしてる事が仰天みたいな物だろうな」


「仰天どころかどうやったら、そんな柄悪い最強に喧嘩売るメンタルが育つのか、教えてほしいな」


「やめとけ、アレはおきゃんで品性の何もない馬鹿女だ。それに馬鹿力で意地っ張り、とにかく目が離せない奴だった」


 忍は黒シャツへ着替えながら、青ざめた表情で吹雪に返答していた。


「……なあ? そんだけ文句出てくるっていうのは、ソイツのこと好きだったのか?」


 いきなり吹雪から恋愛的な話をされて忍は固まった。


「――多分、人間として好きだったんだろうな。俺のパートナーとして、頼れる相棒として共に戦い冒険した仲だ。アイツにしてみれば、嫌がるが……良い仲間だ」


「その人とは恋人関係じゃなかった訳ねぇ……」


 期待外れの返答だったので、吹雪は少し落ち込む。


「悪かったな、俺は神を恨むことでしか生きてこなかったから、そういう話ができなくてな?」


「まあ、アンタらしいちゃらしいよな」


「お前も天海美鈴とは上手く行っているらしいじゃないか、今から俺は悪ふざけで言うつもりはない、良く聞いとけ……神崎忍として祝福を願い祈っている……頑張れよ?」


 そう忍は真剣な表情で、吹雪を祝福すると着替え終わり、更衣室から退出した。


「あ、ありがとう……」


 いきなりの驚愕な行動をされて、吹雪は呆けるしかなかった。


 暫くしてから組員の一人に客室まで案内され、三人は自由にリラックスしていた。


「あのさ、雅ってゲームとかすんの?」


 スマホを横にしてレースゲームをしている吹雪は、クナイの不備がないか確認している雅へ尋ねた。

 忍はソファーへ腕組み座りながら器用に寝ていた。


「……給仕長している私に、そんな暇あると思うか? よく考えてから物を言え」


 相変わらず吹雪だけには、鋭く辛辣な態度で接する雅だ。


「まあまあ、ここは穏便に話しようぜ。折角、忍も休んでることだし、ここは親睦を深めるという事でな?」


「……しょうがないな。ここは提案に乗って少し話しよう」


 雅はクナイを机へ置き、吹雪と対面する。

いかがでしたか?

もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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