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マグナムブレイカー  作者: サカキマンZET
第3章 東と西 黒の追憶編
112/171

第112話 悪魔による最強への依頼。

復活です。少し調子が悪かったので二週間も休ませてもらいました。

ありがとうございます。

「さて、ここに来たという事は……約束(・・)を果たしに来たな?」


 ワープしてまで来た忍の目的を閻魔は語らずとも理解していた。

 先程までとは違い、挨拶ではなく仕事の話へと空気が変更していた。


「あぁ、ウロボロスの件でアンタに借りを作る形になってしまったからな。ここは潔く仕事を受けることにした。昔みたいに放置してたら、面倒な事になっるのは身に染みている」


「だろうな。先伸ばせば伸ばすほど、敵も成長して、面倒で厄介な人物となる。それを踏まえて、今回は調査を依頼したい」


 閻魔と忍はスピリタスを片手に飲みながら、今回行ってもらう、仕事の内容を話し合うつもりだ。

 現在、閻魔が飲んだスピリタスは五百二十四本目に突入した。忍は控えめとして三本目に手を付けていた……。


「調査対象は東京にある『アトラス財団』の動向と悪ければ制圧という内容だ」


 閻魔はスピリタスを豪快に一気飲みし、悪酔いすることなく、本日五百二十五本目へと移行する。


「潰せば簡単じゃねぇのか?」


「そうでもない。奴等のバックには国がついてる噂もある。下手に動けば俺達の存在が明らかとなり、世界に混乱を招く」


「そうだったな。ごく一部の人間しか、アンタ達の存在を知ることが許されないんだったな……忘れてた」


「お前が連れてくる相手が『覇気使い』じゃなければ記憶を消して、何処かに捨ててた。そこまでして危険を冒した理由は?」


 そんな大事な事を忘れていた忍の軽率な行動へ対し、閻魔は緊迫した空気で尋ねた。

 ここは真面目に返答しないと不味いと感じた忍はスピリタスに栓をし、右隣へ置き、閻魔の目を見ながら告げる。


「……俺は今まで復讐と教会の為に、全て戦って来た。個人的に戦った記憶がない。だが、アイツだけは違ったからだ」


「成る程……だが、そんな理由だけでは俺は納得してないぞ?」


 諦めの悪い修二だからこそ閻魔は形では納得した。が、根本的には引っ掛かりを感じ納得していない。

 閻魔でも相手の心を読むことは出来るが、ここは直接本人の口から聞きたかった。


「俺の望みは完全なる……敗北(・・)だ。『覇気使い』同士で戦い、本当の敗北(・・)を知りたくなった」


「……五年前に一度負けてないか?」


「あの戦いは急であり、万全の状態じゃなかった。俺は桐崎の幻覚で精神を削られ、品川修二は俺の猛攻で倒れかけ寸前だった。贅沢言うつもりはない、今アイツは俺と同じ(・・)になった。アンタの一部を引き継ぎ、二つの『覇気』まで持っている」


「懐かしいな。お前の眼球は俺のだったな?」


 なんと忍も修二と同じく閻魔から肉体の一部、眼球を移植されていた。


「あぁ、『宇宙の覇気』を抑えこむ為に俺はアンタに頼み込んで移植してもらった」


「あまりにも強くなり、百年先の未来と分岐を全て見通しては体験できる様になるからという理由だったな? そして感情消失を抑制するためのサングラスだったな」


「アンタの魔力で抑え込んでいる物と教会による祝福によって、なんとか感情は維持できてるが、時間の問題だろうな。ここまでしてもアンタの力は漏れるからな?」


「……品川修二はどうだ? アイツは骨がありそうだが?」


「圧倒されてる奴が克服できると思うか?」


もしかしたら(・・・・・・)という事もあるだろ? だが、宗春の様子を見ると駄目そうだな。でも、お前はそれだけ入れ込んでいるんだろ?」


「まあな……桐崎さんが見つけた人物だ。少し気になるさ」


「……そうか。それが、お前の求める敗北か?」


「あぁ、できるなら誰にも負けずに『覇気使い最強』でいたいんだよ」


「……まあいいだろう。今回は納得しておいてやる。少し、お前の本心が聞けて良かった。お前は何かと話したがらないからな? ライバル認定されている品川修二は本当に恵まれているな。」


 閻魔は持っていたスピリタスを飲み終えて、次のスピリタスを触らず、忍と向き合う。


「神崎忍、俺が(おやじ)の代理として任命しよう」


 いきなり閻魔が神代わりとして忍へ何かを任命しようとしていた。


「……神崎忍、お前は今を以て一般人から司祭に任命する。勿論、これを拒否する事は俺からの罰すら覚悟してるよな?」


 有無を言わさず閻魔は忍へ脅威な威圧を放っていた。


「……それならば……こちら神崎忍、今を以て司祭の役職を承りました。神の御心のままに私は行動しましょう……これでいいか?」


 いきなり相談もなく勝手に司祭へ


「あぁ、完璧だ。だが、完全に司祭なんてしなくていいぞ? あくまでも俺が任命しただけで、満足したら一般人に戻してやる」


「……たまには復讐者(リベンジャー)ではなく救済者(メシア)になれと?」


「真意はどうでもいい。ただ、お前が役目を果たせば良いだけだ。期待してる。お前が生きよう(・・・・)とする意思がある限り、俺が役目を与えた意味が分かる」


 忍には閻魔の言葉が理解できていた。

 閻魔も神の力である“未来予知”が出来る。それも『宇宙の覇気』より、数千年先の未来と分岐を体験する事はできる。

 その気になれば過去を変える事もあれば、分岐点の修正、色々とやってきた。

 だから、忍には理解できて何か(・・)を求めていると気づけるのだった。


「……言ってたよな? 俺は間違いなく死ぬ(・・)と……」


「……気になるか? どんな死にかたをするのか?」


「昔、ある預言者のババアに言われたよ。俺はどう足掻いても悲惨に死ぬとな? 品川修二と決着つく前に……その約束は果たせそうにない。そこが心残りだな」


「預言者イリファスだな? あのババアまだ生きてたのか。しぶとい奴だ……まあ、あの戦争に生き残っているから、しぶといんだろうな?」


 どうやら忍が知っている人物は、閻魔も知っている様子。それも顔見知りだった。

 こいつには知らない物はないのか?という疑問が心に残っていた。


「イリファスとは古い仲だ。お前がアッチの世界に行った事は承知済み……というか、お前の視覚が神経とリンクしてるから、情報がダダ漏れなんだよな……」


 閻魔はバツ悪そうな表情で、内容を知っている事を暴露した。


「……アンタに頼んだ事を後悔する日が、まだあるとはな……」


 右隣へ置いていたスピリタスを忍は持ち、一気に飲み干した。その行為が災いして悪酔いしてしまい、頭痛が酷くなった。


「鬼塚、お客さんに水を……違うか」


 何時も側近としている鬼塚に、忍へ水を持って来いと命令した。が、別の人間が来るのを感じた。


「ただいま戻りました~親父! コレで邪魔者はぜ~いん……金の藻屑」


 そこへ喋り方に品が無く、更にはスーツに返り血が付着したまま、意気揚々と部屋へ無作法に入って来る男がいた。

 ワインレッドのドレッドヘア、オシャレなサングラス、もはや赤く染まり過ぎて見えない、ネクタイなし水色のスーツ上下、忍より身長は小さいが服の上からも分かる鍛え上げられた身体。

 その男は閻魔の隣へ向かい、勝手にスピリタス一つを取って、栓を開けて飲み始めた。


「忍、紹介しよう。コイツは……」


「魔界連合閻魔組若頭補佐、伊波一翔(いなみかずと)。聞いてるぜ? アンタ、神崎忍だろ? 五年前に、たった一人のヤンキーごときに負けた男だって聞いてるぜ? なあ? ヤンキーごときに負けたテメェは……俺より雑魚だから『覇気使い最強』なんて名乗れねぇよな?」


 閻魔が紹介しようとした。が、伊波は自分から名乗り、忍へ修二に負けた事をネタに挑発していた。

 伊波は忍の実力を見たくて挑発した訳じゃなく……狂気にも怒らせる為、挑発していた。


「……ちゃんと教育してんのか?」


 伊波の意図を理解しているので、敢えて挑発には乗らず、親である閻魔へ怒りをぶつける。


「それは弁明の余地もないな……伊波、失礼だぞ? 神崎忍は客だ。ここでは若頭補佐でも、上下関係はない。お前の事務所じゃない、ここは穏便に済ませろ」


 親として閻魔は伊波に注意した。


「……神崎忍さん、この度はどうもすみませんでした。ここは親父の顔に免じて許してくれませんか?」


 先程とは違い禍々しい狂気が消えて、借りてきた猫の様になり、忍へ謝罪した。


「……あぁ、もういい」


 だが、コレ以上伊波と付き合えない忍は許した。

 そして穏便に済むと飽きたのか、伊波は立ち上がり、フラフラしながら部屋を出た。


「新人悪魔か?」


「……いや、『覇気使い』だ」


 閻魔から衝撃的な発言に忍は驚きを隠せなかった。

いかがでしたか?

もし良ければ誤字や脱字や意見や質問等があれば教えてください。

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