迎賓館に行ってきた
非常に偏った視点のエッセイになります。あらかじめご了承ください。
その日。「今日は記念日だからどっかいこうや」と相方が言った。
我が家では相方の方が記念日をよく覚えている。誕生日、入籍記念日、結婚記念日などなど。
「よく覚えているね」と言うと「カレンダーから通知がくるから」と言うけど登録してんのか〜い。
と言う訳で、迎賓館に行ってきました。正式名称は迎賓館赤坂離宮。
東京メトロ丸の内線四谷駅の赤坂口から出て左、左に進みます。プラタナスの並木の正面に見える迎賓館は非常に分かりやすいです。
向かって、右側の西口から入場します。
ちなみに西口の近くには皇族御用達の名門校 学習院初等科があります。
この日はスーツを着たパパ、紺色の装いのママに連れられたやっぱり紺色の子ども達がぞろぞろと歩いていました。はい、11月1日は東京の小学校受験解禁日です。大変だなぁと親子を見送りながら西口に入ります。
西口に入ったら厳重なセキュリティチェックがありました。手荷物検査でバックの中身を見せて、飲み物は係員の前で一口飲みます。いっしょに並んでいたおばさんが「外国人の人が10本位飲料水持っててね。それ全部飲まされてたわよ。あの後、どうしたのかしらね。他の人飲めなくなるわよね」と話してました。どうなったんだろう。
その次は金属探知機で不審物チェックだ。相方と「空港みたいだね」「スマホ爆発とか無いように警戒してんだよ、某国(自主規制)の工作員に入り込まれたらまずいからな」「ああ、近くに某国(自主規制)の大使館あるしね」と危ない会話をしながらセキュリティチェックを通過。選ばれし者だけが迎賓館へのチケットを購入できるのです。
琥珀さまのエッセイ「異世界恋愛書きが「迎賓館 赤坂離宮」」では1500円だった入場料。一年ちょっとで一般1800円、プレミアム2200円に値上がりしてました。
チケットの列に並ぶ相方が言います。
「なあ、チケットはプレミアムにする?」
おお、珍しく相方が太っ腹だ〜。喜んで「いいよっ」っと言ったら相方が買ってきたのは一般チケットだった。
「え〜プレミアムじゃないのっ」
「さっき、要らないというつもりで「いいよ」って言ってたじゃないか」
「違う!プレミアムでお願いってつもりで「いいよ」って言ったの!」
ああ、お互いに都合の良い解釈をする人達。もう慣れたけどさ。
さて、迎賓館は建物丸ごとが国宝なので撮影厳禁お触り厳禁ついでにスマホ操作禁止です。
「目に焼きつけろということやな」
「パンフレット買えっていうことだね」
プレミアムではパンフレットが貰えます。一般はパンフレットはありません。この時点では知らんかった。(解説が入ってるパンフレットを見ながら回れるプレミアムプランはお得です、絶対)
夫婦で茶化しながら入った中は素晴らしかった。語彙力無さ過ぎだけどゴージャスでいながら繊細で可愛いいの。
まず目に入るのが廊下の窓の蔓草を模した透かし飾り。……可愛い。金具がもれなく金でゴージャス。そこにふわりとおどるカーテン。まるでなろうの異世界恋愛に出てくる宮殿みたい。初手からテンションが上がります。
まず入るのが舞踏会で使われたという羽衣の間。シャンデリアが豪華です。
「あのシャンデリア、落ちたら死ぬな」
確かに。オペラ座の怪人みたいにね。
無粋な人は置いておいて鑑賞しましょう。
私が目を奪われたのは入ってすぐにあるエラールピアノ。フランスのエラール社製のピアノです。クリーム色に塗装された外観に花とか描かれていてとっても可愛いx3。正面のカバーには菊の御紋があります。
「可愛い〜、めっちゃ可愛い〜。どんな音がするんだろ〜」
語彙力なく目線だけ貼りついてます。お触り厳禁だからさ。
近くには昭和天皇の奥さま、香淳皇后がエラールピアノを弾いている写真が。ちなみに昭和天皇ご夫妻は東宮時代にここ赤坂離宮にお住まいでした。
「おお、さすがお姫さま。教養が高い」
嫁いじめであまり評判がよろしくない方ですが、この方は生粋のお姫さまなんです。生家は宮家だし。こんなエピソードがあります。
ある時、ヤツガシラという日本では滅多に見られない渡り鳥が皇居に飛来しました。普通なら「珍しい鳥がきたね」でカメラで撮り、お金持ちならビデオで撮影して終わりでしょう。この方は違うのです。ヤツガシラの和歌を詠み、ヤツガシラのスケッチを描き、スケッチをもとに日本画を描きます。さらに日本画をもとに帯と着物を誂えるという。
皇居の皇居三の丸尚蔵館で和歌、日本画、着物が展示されてたの見た時は、あまりにも文化的で雅な過ごし方にリアルお姫さまやと慄きました。失われし公家文化が生きて動いていた様な方だったのですね。
お写真では演奏される香淳皇后、昭和天皇と皇太子夫妻(上皇夫妻)は座り、一人常陸宮さまは立たれている。家族内で序列が現れているあたり、昭和の失われつつある貴族の文化の残滓を感じました。
二階大ホールです。
一階の正面の階段を登ると見えてくるのが二枚の絵。小磯良平が描いた「絵画」「音楽」という200号の大作です。
印象的なのがね、「音楽」で楽器を演奏する人々をサンダル履いて座ってみている青年が、「絵画」ではこちらを見ている。ジーンズ姿ですっくと立つ姿は挑発的にすら見えます。唸りながら眺めているとボランティアのおじさんが「小磯良平はこれからは若い人達が時代を作っていくんだという想いで描いたんだす」と教えてくれました。
高度成長期に描かれた作品です。トランプ大統領もみたはず。時の権力者がジーパン姿の青年を見てどう思うのだろうか。
大理石の柱も圧巻でした。こんな太い柱もう取れないだろうと相方が言ってました。
一般コース、最後の目玉は「花鳥の間」。晩餐会で使われるお部屋です。
入って目に入ったのが壁中に飾られる花鳥の絵。これ、みんな七宝なんですよ!
「うわ〜、可愛い。素敵〜」
花鳥の日本画を七宝焼で再現しているのです。私、七宝は金銀や派手な彩色でぎらぎらしているイメージを持っていて苦手だったのですよ。
しかし、七宝の天才 涛川惣助さんが焼かれた七宝は次元が違うのよ。花びらや鳥の羽根が原画の繊細な色調を再現していていくら見ても見飽きない。いくつかは再現できなくて滲んでいたりするけど、それも味があって良い。
相方も「茶班ってこんな字を書いたんだ」とか「お、カワセミだ」と言いながら夫婦二人で三十点の七宝を見て回りました。
そして、この部屋の奥にはタペストリーが飾ってある。西洋のお城によくある狩猟をモチーフとした織物。ゴブラン風綴織。風というのはね、西陣の職人さんが織った綴織だから。
「は〜ん、西洋の綴織ね。うちんとこで余裕で再現できますわ」なんて声が聞こえるようです。
最後にお庭を回ります。こちらは写真撮影できます。
さすが国費を迎えるだけあって手入れが行き届いています。
帰りに売店で、写真沢山載っているパンフレット買いました。1500円なり。
七宝のパンフレットもあったけど今回は見送りました。お値段がパンフレットより高いんだもの。
次はお庭で迎賓館を前にしてお茶をしばきたい。庭だけなら入場料は300円、大学生以下は無料です。
入場料がお高いせいか、海外からの方がほとんどいませんでした。ゆっくりと見るなら今がチャンスかもしれません。
琥珀さま「異世界恋愛書きが「迎賓館 赤坂離宮」に行ってみた件」
https://ncode.syosetu.com/n9982le/
に詳しいご紹介があります。ご参考まで。
正面の階段から二階大ホール。トランプ大統領の写真があったのだけど。八十になろうとする方に階段登らせるのは接待になるんだろうかと思ったりした。




