表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャでぼっちの俺が、なぜかクラス一の美少女委員長に好かれている件〜しかもツンデレ妹まで可愛いんだが、これってもしかして俺モテ期来てる?〜  作者: 伊太利式焙煎珈琲


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/24

21話 奈々

 折角の夏休みなのに、私は外に出るのが怖くなった。


 理由は、はっきりしている。


 家の前から少し離れた物陰。

 そこに、彼がいるかもしれないから。


 それに気付いたのは、終業式の翌日だった。


 買い物に出かけようと家を出た時、物陰から誰かが飛び出してきた。


(ッ……白井くん?)



「奈々ーっ!!」



 嘘……嘘嘘嘘……!?

 


「あ、ごめん忘れ物!!」



 咄嗟に嘘をついて、すぐに家に飛び込んだ。

 まだ心臓がドキドキしている。

 

 出たと思ったらすぐ帰ってきた私に、怪訝そうな顔をしていたお母さんに事情を説明し、そっと先程の物陰を室内から覗いてみる。


 ——まだ、いる。



 この日、外が暗くなるまで彼はずっと同じ場所に居た。

 


 


 それから、外に出る時間を変えた。

 出かける時には、申し訳なかったけど、美香達に迎えに来てもらった。

 お母さんに車を出してもらった。


 

 ……全部、偶然じゃない。


 同じ場所。

 同じ距離。


 じっと、こっちを見てる影がいる。


 はっきり顔は見えないのに、分かる。


 ——あの人だ。



 何もされてないのに。

 何も起きてないのに。


 それでも、怖い。


 日を追うごとに、外に出るのが億劫になっていく。


 カーテンを閉める時間が長くなっていく。


 誰かと一緒じゃないと、外に出られなくなる。


 スマホを見るたびに、あの動画が頭に浮かぶ。


 笑ってた顔。

 血がついたままの顔。


 ……思い出したくないのに、消えてくれない。


 そして、気付いてしまう。


 あの人は——まだ、終わってないと思ってる。


 あの日のことを。

 私とのことを。


 ……もう、やだ。


 明日は、花火大会。


 本当は、すっごく楽しみだったのに。


 今はただ——何も起きませんようにって、祈ることしかできなかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ