七杯目
「ミーン、ミーン」
「あっちー……」
今日も、暑さで目が覚めた。
「ステータス」
半透明の画面を開く。
「……はぁー」
職業は昨日と同じ【魔拳士】。
ステータスも下がってはいない。
とりあえず――夢じゃなかったらしい。
「条件は……やっぱり三食ラーメンだよな」
あの称号。
【ラーメン三食】
偶然とは思えない。
だが――
「それにしては、上がり方がショボすぎる……」
STR+10
火魔力+10
これだけじゃ、総合値1000には遠く及ばない。
「……他にも条件がある?」
考えても分からない。
「……なら、試すしかないか」
結論はシンプルだった。
「今日もラーメン食えば分かるだろ」
俺は考えるのをやめて、バイトの準備を始めた。
――――――――
「いらっしゃいませー」
ピッ、ピッ、ピッ。
いつも通りレジを打ちながら、ふと手元の商品に目がいく。
【味噌バターコーンラーメン】
「……これもラーメンか」
レンチンタイプ。
今まで気にしたこともなかった。
(これでも条件、満たせるのか?)
新しい仮説が頭に浮かぶ。
そのまま俺は、ラーメンのことを考えながらバイトを終えた。
――――――――
「いらっしゃいませー」
二日連続のラーメン天海。
検証するなら、ここが一番いい。
「今日は……味噌だな」
昨日とは違う味。
「赤味噌、バターコーントッピングで」
「お待たせしました」
目の前に置かれた一杯。
味噌の香りに、溶けかけたバターの甘い匂いが混ざる。
「いただきます」
「ズズ……」
濃厚な味噌。
そこにバターのコク。
「……うまっ」
自然と笑みがこぼれる。
「ズズッ……」
夢中で食べ進める。
(これで、何か変わるのか……?)
――――――――
「ふぅ……ごちそうさまでした」
店を出て、歩きながら――
「ステータス」
画面を開く。
「……え?」
思わず足が止まった。
総合ステータス値 500 → 520
「……増えてる」
視線を細かく落とす。
VIT 40 → 50
土魔力 0 → 10
「……は?」
昨日は火。
今日は土。
つまり――
「食べたラーメンで、上がる属性が変わる……?」
脳裏に、さっきの一杯が浮かぶ。
味噌。バター。コーン。
「……土属性っぽい、か」
「いや待て」
もしこれが本当なら――
「ラーメンの種類で、強化内容を選べるってことか……?」
心臓が、ドクンと大きく鳴った。
今まで届かなかったはずの「1000」という数字。
その壁が――
少しだけ、現実味を帯びた気がした
STR 60 AGI 40
VIT 40 →50 DEX 20
LUK 100 MND 220
火魔力 10 風魔力 0
土魔力 0→10 水魔力 0
光魔力 0 闇魔力 0
称号:三食ラーメン(笑)




