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後程、加筆修正予定です…!

 あっという間に日は流れ、試練の申し込みから十日が過ぎた朝。


 「お嬢様、お忘れ物はございませんか?」

 「ええ、大丈夫よ」

 「どうぞお気をつけて」

 「ありがとう、サリー。行ってきます」


 サリーから、夏になってからは着ていなかった制服の上着を渡して貰い、それを片手に持つ。


 夏なのに長袖を!? と思われるかもしれないけど、魔法学園の制服の生地には防御魔法が組み込まれている為、少し位の無茶なら耐えられる。精霊の試練や他の実技試験時等でも着用推奨らしい。


 寮の部屋から出ると、玄関ホールで待っていたシャルが荷物(と言っても、今日は授業を受けないから携帯食と水、制服の上着だけなんだけどね)を持ってくれて、学園までの道程を歩いた。


 「あ。ここまでで大丈夫だよ、ありがとう!」


 周りに人気が無かったので軽い口調で話しながら。私はシャルから上着等を受け取った。


 「はい。行ってらっしゃいませ、お嬢様」


 それに頷き歩き出す。


 「今回は、お嬢様でしたら全く問題は無いと思いますが、お気をつけて」


 シャルの声に振り向くと、真剣な瞳のシャルと目が合ったので。私は強く頷き返した。


 「うん! 行ってくるね!」










 「全員、揃って居るわねー」


 水の試練を受ける人数は男女合わせて丁度十六人。四つの班に別れている。


 ラングリスタ先生を含め、四人の魔法学の実技担当教員と向かい合う形で、四つの班それぞれの生徒が、今回の試練を受ける場所である“水の洞窟”の前に並んで立っていた。(移動に関しては普段は厳重に閉じられている、学園地下にある転移サークルでパパッとワープしてきたよ! コレ便利で良いなー!)


 「それじゃ、今から“シール”を配るから、それぞれの班の先頭の人が受け取りに来てー。受け取ったら班員に配ってねー。あ、まだ身に付けちゃダメよー」


 私は五百円玉位の(あ。この世界に五百円玉とか無いな…)大きさの白いシールを他の三人にも配った。ちなみに私はC班の先頭で、一応リーダーになるらしい。

班員はイエロー三姉妹(私の取り巻きさん達だね)の一人、イエラさんとカルロス、それと剣術で同じクラスで、クロストと割と仲の良い男子生徒、トーリス君だ。


 配り終えた所で、ラングリスタ先生からシールについての説明があった。


 「そのシールには魔物避けの魔法が掛けられているの。制服の何処かに貼るのが良いわ…あ! そこっ、まだ貼らない! シールは洞窟に入ってから直ぐに貼る事ー。そうすれば、洞窟内に居る魔物が寄って来なくなるからー。ただし、効果は三十分だけよ。この洞窟は小さいから、往復で二十分。試練で十分、計三十分あれば十分じゅうぶんって訳ー。それじゃ、A班から順に入って貰うわね。先に出てきても試練の内容は口外しない事。ま、話してる暇は無いと思うけど」


 他にも色々な注意点を聞いた後、最初の班が出発した。


 (あれ? 先生方は入らないの? 手助けはしないだろうけど、てっきり着いて行くのかと思ったんだけど)


 そう疑問に思って先生方を見て首を傾げると、隣に居たカルロスが私の疑問に気づいたようで、親切に答えてくれた。


 「先生方は緊急時にしか入らないらしく、基本、入口ここで担当の班の生徒が帰って来るまでの時間を測ったりするみたいですよ」

 「そうなのですね、私知りませんでしたわ。ルウェイン様、教えて下さりありがとうございます」

 「いえ、僕も先程聞いた話です。お互い、頑張りましょう」

 「ええ、頑張りましょうね」


 そんな会話から二十分。十分毎に一班ずつ洞窟に入って行ったので、私達C班も洞窟内に入った。





 水の洞窟内は暗く涼しかった。(まあ、洞窟って言ったら普通に暗いよね)そして、よくRPGで見るような綺麗な背景とかは全く無く。ジメジメッとした感じがしていた。


 「あ、シールを貼らないといけませんわね」


 入ってすぐにシールを制服の胸ポケット辺りに貼ると、一瞬。全員のシールから光が放たれた。おお! 魔除け効果が作動したんだ! と密かに感動しつつ。


 私達C班も、洞窟内を進んで行ったのだった。


 進むのは幅広い一本道だと、注意事項を聞いた時に聞いているので、脇道には入らずに真っ直ぐ進んで行く。

 途中、試練を済ませて帰るA班とすれ違ったんだけど会話はしなかった。(時間計測されているからね。そんな暇はお互いないよね)

 しかし、皆ニコニコしていたから全員契約出来たのかな? なんて思いながら。私達も歩き続けて行くと、大きく円形に開けた少し明るさのあるスペースに出た。 


 「こちらが試練の間でしょうか?」


 イエラが呟き―…


 「あ、奥から歩いて来るのってB班じゃないか?」


 トーリスが奥から歩いて来る人達を指す。


 「そうみたいですわね」


 私も、それらの言葉に頷き―…


 「では、僕達も向かいましょう」


 …―カルロスの言葉で、前へと進んだのだった。






 長くなるので結果だけ言わせてもらうと、全員水の精霊の試練に合格する事が出来た。


 驚く程に簡単だった、と思うんだけど――…


 (次の火の精霊の試練では、こうは行かないって事だよね…)





 どの属性の精霊とも契約をしていない場合。


 最初の契約となる精霊の試練は、人間に友好的と言われている四属性の場合に限るみたいだけど『きゃあっ! 私を一番に選んでくれたのね! やったー! そんなに重要視してくれるなんて嬉しいっ! うんうん、力貸してあげちゃう!』みたいな感じで。とっっても友好的でした、ハイ。

 あ。ちなみに、これは水の下位精霊さん(何かね、ピーター○ンに出てくる妖精さんを全身水色にしたぜ! みたいな姿だったよ)のテンションですから、他の三精霊さんも同じ対応かどうかは解りませんのであしからず――…。




火の試練の方が長くなると思うので、水の方はサクッと済ませる予定が説明が入ったせいか長めになりました;


ここまで読んで下さりありがとうございます。また宜しかったら次回も宜しくお願いします!!

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